取消訴訟とは?出訴期間の二重要件と判決の効力

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

取消訴訟とは(全体像)

取消訴訟とは、行政庁の処分その他、公権力の行使にあたる行為の取消しを求める訴訟のこと。抗告訴訟の5類型のうち、もっとも中心となる最重要の類型だ。

訴えるには、いくつかの訴訟要件がそろっている必要がある。とくに、①出訴期間②原告適格③処分性の3つが重要だ。


詳しく:出訴期間の二重要件と判決の効力

ここが心臓部。出訴期間(二重要件)と、認容判決の効力を押さえる。

取消訴訟の出訴期間

区分内容
主観的期間処分を知った日から6か月以内
客観的期間処分があった日から1年以内

まず出訴期間。取消訴訟は、処分を知った日から6か月以内かつ処分の日から1年以内に訴える必要がある。条文の言葉が「または」のように見えるが、実際は両方とも守る二重要件。「6か月か1年のどちらかでよい」ではない、という点が最大の引っかけだ。

次に認容判決の効力

認容判決(取消判決)の効力

効力内容
形成力処分が、はじめにさかのぼって効力が消える
第三者効当事者だけでなく、第三者にも効力が及ぶ

処分を取り消す判決(認容判決)には、形成力があり、処分は遡って効力が消える。さらに、第三者効があり、その効力は訴えた当事者だけでなく、第三者にも及ぶ。民事訴訟の判決は当事者の間だけが原則だが、取消判決はそれと違う、と押さえる。

わかりやすく言い換えると

つまり取消訴訟は「処分を裁判で取り消してもらう、抗告訴訟の本丸」。期限は6か月以内かつ1年以内の二重で、勝てば処分は遡って消え、その効力は第三者にも及ぶ。

要するに押さえどころは2つ。①出訴期間は6か月以内かつ1年以内の二重要件(どちらかではない)②認容判決には形成力と第三者効がある


試験のツボ

🔴 一番出る:出訴期間は二重要件

①処分を知った日から6か月以内

②かつ処分の日から1年以内(どちらかではなく両方)

🔴 次に出る:原告適格と処分性

原告適格は法律上の利益をもつ者。処分性は直接に権利義務を形成・確定する処分であること。

🟡 押さえると安定:認容判決の効力

取消判決には形成力(遡及的消滅)と第三者効がある。


よくある間違い

「出訴期間は、6か月か1年のどちらかでよい」→ ✗  6か月以内かつ1年以内の、両方を守る二重要件。

「取消訴訟の認容判決は、当事者にしか効力が及ばない」→ ✗  第三者効があり、当事者以外にも効力が及ぶ。

「取消判決があっても、処分は当然には効力を失わない」→ ✗  形成力により、処分は遡って効力が消える。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(取消訴訟の意味)

📝 オリジナル問題 1 取消訴訟の意味

取消訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 取消訴訟とは、私人どうしの契約の取消しを求める民事訴訟をいうものとされる
  2. 取消訴訟とは、行政機関に不服を申し立てる審査請求をいうものとされる
  3. 取消訴訟とは、行政庁の処分の取消しを求める訴訟で、抗告訴訟の中核である
  4. 取消訴訟とは、命令等の案について意見を募る手続をいうものとされている
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 3 だ。

取消訴訟とは、行政庁の処分の取消しを求める訴訟で、抗告訴訟の中核となる最重要の類型だ。

選択肢1は民事訴訟、選択肢2は審査請求(不服申立て)、選択肢4はパブコメであって、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1私人間の民事訴訟とは別
2審査請求は訴訟ではない
3処分の取消しを求める訴訟で正しい
4パブコメとは別

オリジナル問題2(出訴期間)

📝 オリジナル問題 2 取消訴訟の出訴期間

取消訴訟の出訴期間に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 取消訴訟の出訴期間は、処分を知った日から6か月か1年のどちらかを満たせばよい
  2. 取消訴訟の出訴期間は、知った日から6か月以内、かつ処分日から1年以内
  3. 取消訴訟の出訴期間は、処分があった日から3年以内であるとされている
  4. 取消訴訟には、出訴期間の制限はまったくないものとされている
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 2 だ。

取消訴訟の出訴期間は、処分を知った日から6か月以内かつ処分の日から1年以内だ。「どちらか」ではなく、両方を守る二重要件だぞ。

選択肢1の「どちらか」、選択肢3の「3年以内」、選択肢4の「制限なし」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1どちらかではなく両方
26か月以内かつ1年以内で正しい
3客観的期間は1年
4出訴期間の制限がある

オリジナル問題3(認容判決の効力)

📝 オリジナル問題 3 認容判決の効力

取消訴訟の認容判決に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 取消訴訟の認容判決は、訴えた当事者にしか効力が及ばないものとされる
  2. 取消訴訟の認容判決には、形成力も第三者効もないものとされている
  3. 取消訴訟の認容判決があっても、処分は当然には効力を失わないとされる
  4. 取消訴訟の認容判決には形成力があり、その効力は第三者にも広く及ぶ
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 4 だ。

取消訴訟の認容判決には形成力があり、処分は遡って効力が消える。さらに第三者効があり、当事者以外にも効力が及ぶ。

選択肢1の「当事者だけ」、選択肢2の「形成力も第三者効もない」、選択肢3の「効力を失わない」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1第三者にも効力が及ぶ
2形成力も第三者効もある
3形成力で遡って効力が消える
4形成力あり・第三者にも及ぶで正しい

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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