抗告訴訟とは?5類型と、ほかの訴訟との区別

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

抗告訴訟とは(全体像)

抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使(処分など、行政庁が一方的に行う行為)に対して、不服を申し立てる訴訟のこと。行政事件訴訟のなかでも、中心となる類型だ。

押さえるのは、抗告訴訟が5つの類型からなること。

このうち、④義務付け訴訟と⑤差止訴訟は、改正で新しく加わったもの。これで救済の幅が広がった。


詳しく:5類型と、ほかの訴訟との区別

ここが心臓部。5類型と、当事者訴訟などとの区別を押さえる。

抗告訴訟の5類型

類型求めるもの
取消訴訟処分の取消し
無効等確認訴訟処分が無効であることなどの確認
不作為の違法確認訴訟不作為が違法であることの確認
義務付け訴訟一定の処分をするよう義務づけ
差止訴訟一定の処分をしないよう差止め

5類型のうち、はじめの3つ(取消・無効等確認・不作為の違法確認)が古くからのもの。義務付け訴訟と差止訴訟は、改正で新設された。「抗告訴訟は3類型」ではなく、いまは5類型だ、と更新する。

そして、抗告訴訟は行政事件訴訟の一類型にすぎない

行政事件訴訟の類型

類型中身
抗告訴訟公権力の行使への不服(5類型)
当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟抗告訴訟とは別の類型

行政事件訴訟には、抗告訴訟のほかに、当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟がある。これらは抗告訴訟とは別の類型。とくに、当事者訴訟は抗告訴訟に含まれない点に注意する。

わかりやすく言い換えると

つまり抗告訴訟は「公権力の行使にもの申す訴訟のまとまり」で、中身は5つの型。義務付け・差止めはあとから加わった新しい型だ。

要するに押さえどころは2つ。①抗告訴訟は5類型(取消・無効等確認・不作為違法確認・義務付け・差止)②当事者訴訟などは抗告訴訟とは別の類型


試験のツボ

🔴 一番出る:5類型

①取消・無効等確認・不作為の違法確認・義務付け・差止の5類型

②義務付け訴訟と差止訴訟は、改正で新設された

🔴 次に出る:ほかの訴訟との区別

抗告訴訟は行政事件訴訟の一類型。当事者訴訟などは抗告訴訟とは別。

🟡 押さえると安定:「3類型」ではない

改正で5類型に拡充された。古い「3類型」の知識は更新する。


よくある間違い

「抗告訴訟は、3類型しかない」→ ✗  改正で義務付け訴訟・差止訴訟が加わり、いまは5類型。

「当事者訴訟も、抗告訴訟に含まれる」→ ✗  当事者訴訟は抗告訴訟とは別の類型。

「抗告訴訟は、私人どうしの民事の争いの訴訟」→ ✗  抗告訴訟は、行政庁の公権力の行使に対する不服の訴訟。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(抗告訴訟の意味)

📝 オリジナル問題 1 抗告訴訟の意味

抗告訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 抗告訴訟とは、公権力の行使に関する不服の訴訟で、行政事件訴訟の中核
  2. 抗告訴訟とは、私人どうしの契約上の紛争を解決する民事訴訟をいうとされる
  3. 抗告訴訟とは、行政機関に不服を申し立てる審査請求をいうものとされる
  4. 抗告訴訟とは、命令等の案について意見を募る手続をいうものとされている
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 1 だ。

抗告訴訟とは、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟で、行政事件訴訟の中核になる類型だ。

選択肢2は民事訴訟、選択肢3は審査請求(不服申立て)、選択肢4はパブコメであって、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1公権力の行使への不服の訴訟で正しい
2私人間の民事訴訟とは別
3審査請求は訴訟ではない
4パブコメとは別

オリジナル問題2(5類型)

📝 オリジナル問題 2 抗告訴訟の5類型

抗告訴訟の類型に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 抗告訴訟は、取消訴訟というただ1つの類型だけからなるものとされている
  2. 抗告訴訟は、当事者訴訟と民衆訴訟の2つからなるものとされている
  3. 抗告訴訟は、義務付け訴訟と差止訴訟を含まないものとされている
  4. 抗告訴訟は、取消・無効等確認・不作為違法確認・義務付け・差止の5類型
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 4 だ。

抗告訴訟は、取消・無効等確認・不作為違法確認・義務付け・差止5類型からなる。義務付けと差止は、あとから加わった新しい型だ。

選択肢1の「取消だけ」、選択肢2の「当事者訴訟・民衆訴訟」、選択肢3の「義務付け・差止を含まない」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1取消訴訟だけではない
2それらは抗告訴訟とは別の類型
3義務付け・差止も含む
45類型からなるで正しい

オリジナル問題3(ほかの訴訟との区別)

📝 オリジナル問題 3 ほかの訴訟との区別

抗告訴訟とほかの訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 当事者訴訟は、抗告訴訟に含まれる一つの類型であるとされている
  2. 抗告訴訟は、改正前から一貫して5類型であったとされている
  3. 当事者訴訟は抗告訴訟とは別の類型で、抗告訴訟は5類型からなる
  4. 抗告訴訟と民衆訴訟は、まったく同じ意味であるとされている
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 3 だ。

当事者訴訟は抗告訴訟とは別の類型で、抗告訴訟は5類型からなる。当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟は、抗告訴訟と区別して覚えよう。

選択肢1の「当事者訴訟は抗告訴訟に含まれる」、選択肢2の「もとから5類型」、選択肢4の「民衆訴訟と同じ」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1当事者訴訟は別の類型
2改正で5類型に拡充された
3当事者訴訟は別・抗告訴訟は5類型で正しい
4民衆訴訟とは別の類型

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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