無効等確認訴訟とは?重大かつ明白な瑕疵と取消訴訟との違い

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

無効等確認訴訟とは(全体像)

無効等確認訴訟とは、処分または裁決の存否、または効力の有無の確認を求める訴訟のこと。抗告訴訟の5類型のひとつだ。

最大の特徴は、出訴期間の制限がないこと。取消訴訟には「処分を知った日から6か月以内・処分の日から1年以内」という出訴期間があるが、無効等確認訴訟にはそれがない。だから、取消訴訟の出訴期間を過ぎてしまったあとでも提起できる

つまり、出訴期間を過ぎても争いたいときの、もうひとつの道。ただし、その分ハードルは高い。


詳しく:重大かつ明白な瑕疵と取消訴訟との違い

ここが心臓部。出訴期間なしと、重大明白な瑕疵の要件を押さえる。

取消訴訟との違い

出訴期間必要な瑕疵
取消訴訟あり(6か月以内・1年以内)違法(取り消しうる程度でよい)
無効等確認訴訟なし重大かつ明白な瑕疵が必要

まず出訴期間。取消訴訟には期間があるが、無効等確認訴訟には出訴期間の制限がない。期間を過ぎたあとの救済手段として使える、というのが最大のポイントだ。

ただし、そのかわりにハードルが高い。認められるには、瑕疵が重大かつ明白であることが必要(重大明白説)。

必要な瑕疵の程度

瑕疵結果
重大かつ明白な瑕疵無効(無効等確認訴訟で認容されうる)
軽微な瑕疵(取り消しうる程度)無効とまではいえない

「違法であれば、すべて無効」ではない。重大かつ明白な瑕疵がある場合だけが無効で、それ以外の軽い違法は取り消しうるにとどまる。期間内なら取消訴訟、期間を過ぎたら無効等確認訴訟(ただし重大明白な瑕疵が必要)、という整理だ。

わかりやすく言い換えると

つまり無効等確認訴訟は「期限切れでも使える、ただしハードルが高い道」。出訴期間の縛りはないが、認められるには重大かつ明白な瑕疵が要る。

要するに押さえどころは2つ。①出訴期間の制限がなく、取消訴訟の徒過後でも提起できる②認容には重大かつ明白な瑕疵が必要(違法すべて=無効ではない)


試験のツボ

🔴 一番出る:出訴期間の制限がない

①無効等確認訴訟には出訴期間の制限がない

②取消訴訟の出訴期間を過ぎたあとでも提起できる

🔴 次に出る:重大かつ明白な瑕疵が必要

認められるには、重大かつ明白な瑕疵が必要。違法ならすべて無効、ではない。

🟡 押さえると安定:取消訴訟との使い分け

期間内なら取消訴訟、期間を過ぎたら無効等確認訴訟(重大明白な瑕疵が要る)。


よくある間違い

「無効等確認訴訟にも、6か月の出訴期間がある」→ ✗  出訴期間の制限はない。取消訴訟の徒過後でも提起できる。

「違法な処分は、すべて無効である」→ ✗  無効になるのは、重大かつ明白な瑕疵がある場合だけ。

「軽微な瑕疵でも、無効等確認訴訟で認められる」→ ✗  軽微な瑕疵は取り消しうるにとどまり、無効とはいえない。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(無効等確認訴訟の意味)

📝 オリジナル問題 1 無効等確認訴訟の意味

無効等確認訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 無効等確認訴訟とは、私人どうしの契約の有効性を争う民事訴訟をいうとされる
  2. 無効等確認訴訟とは、処分または裁決の効力の有無などの確認を求める抗告訴訟
  3. 無効等確認訴訟とは、行政機関に不服を申し立てる審査請求をいうものとされる
  4. 無効等確認訴訟とは、命令等の案について意見を募る手続をいうものとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 2 だ。

無効等確認訴訟とは、処分や裁決の効力の有無などの確認を求める抗告訴訟だ。出訴期間の制限がない点が大きな特徴だ。

選択肢1は民事訴訟、選択肢3は審査請求(不服申立て)、選択肢4はパブコメであって、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1私人間の民事訴訟とは別
2効力の有無などの確認を求める抗告訴訟で正しい
3審査請求は訴訟ではない
4パブコメとは別

オリジナル問題2(必要な瑕疵)

📝 オリジナル問題 2 無効等確認訴訟に必要な瑕疵

無効等確認訴訟が認められる場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 無効等確認訴訟は、軽微な瑕疵があるだけで認容されるものとされている
  2. 無効等確認訴訟は、違法であれば必ず認容されるものとされている
  3. 無効等確認訴訟は、瑕疵がまったくなくても認容されるものとされている
  4. 無効等確認訴訟が認容されるには、重大かつ明白な瑕疵が必要である
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 4 だ。

無効等確認訴訟が認められるには、瑕疵が重大かつ明白であることが必要だ。「違法ならすべて無効」ではないぞ。

選択肢1の「軽微な瑕疵で認容」、選択肢2の「違法なら必ず」、選択肢3の「瑕疵がなくても」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1軽微な瑕疵では無効にならない
2重大かつ明白な瑕疵が必要
3瑕疵がなければ無効ではない
4重大かつ明白な瑕疵が必要で正しい

オリジナル問題3(出訴期間)

📝 オリジナル問題 3 無効等確認訴訟の出訴期間

無効等確認訴訟の出訴期間に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 無効等確認訴訟にも、取消訴訟と同じ6か月の出訴期間があるとされている
  2. 無効等確認訴訟は、出訴期間を過ぎると一切提起できなくなるとされる
  3. 無効等確認訴訟には出訴期間の制限がなく、取消訴訟の徒過後も提起できる
  4. 無効等確認訴訟は、処分の日から3年以内に提起する必要があるとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 3 だ。

無効等確認訴訟には出訴期間の制限がない。だから、取消訴訟の出訴期間を過ぎたあとでも提起できる。ここが取消訴訟との最大の違いだ。

選択肢1の「6か月の出訴期間」、選択肢2の「期間後は提起できない」、選択肢4の「3年以内」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1出訴期間の制限はない
2期間後でも提起できる
3出訴期間の制限なし・徒過後も可で正しい
4出訴期間の制限はない

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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