処分性とは?3つの要素と、判例の傾向

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

処分性とは(全体像)

処分性とは、取消訴訟の対象となる「行政庁の処分その他、公権力の行使にあたる行為」に該当する性質のこと。取消訴訟を起こす最初の関門で、ここを通らないと中身の審理に入れない入口論点だ。

判例は、処分性をこう定義する。

公権力の主体(国・公共団体)が行う行為のうち、その行為によって、直接、国民の権利義務を形成し、またはその範囲を確定することが、法律上認められているもの。

ポイントを分解すると、①公権力性(一方的な権力の行使)、②直接性(直接、権利義務を形成・確定)、③外部性(行政内部でなく、対外的な行為)の3つだ。


詳しく:3つの要素と、判例の傾向

ここが心臓部。処分性を判断する要素と、認められる・認められない例を押さえる。

処分性を支える3つの要素

要素内容
公権力性国・公共団体による、一方的な権力の行使であること
直接性直接、国民の権利義務を形成し、または確定すること
外部性行政内部の行為ではなく、対外的な行為であること

この3つを実質的にみて判断するのが、判例の立場。条文の言葉だけで形式的に決めるのではなく、実際に国民の権利義務へどう影響するかを重視する。

処分性が認められる・認められない例

行為処分性
強制力をもつ勧告(従わないと不利益が及ぶもの)認められた
通達(行政内部の上級機関から下級機関への命令)認められない

注意したいのが勧告。行政指導や勧告は本来は任意で、処分性が否定されるのが原則。ところが、従わないと実際に不利益が及ぶような、事実上の強制力をもつ勧告には、処分性が認められた例がある。「勧告だから必ず処分性なし」と決めつけないこと。

逆に通達は、行政の内部で上級機関が下級機関に出す命令で、国民の権利義務を直接左右しない。だから処分性は否定される。

わかりやすく言い換えると

つまり処分性は「取消訴訟で争える行為かどうかの入口チェック」。直接、国民の権利義務を動かす公権力行為かを、実質で判断する。強制力ある勧告は中に入れた一方、内部命令の通達は門前で止まる。

要するに押さえどころは2つ。①処分性は取消訴訟の入口で、直接に権利義務を形成・確定する公権力行為に認められる②強制力をもつ勧告には認められ、行政内部の通達には認められない


試験のツボ

🔴 一番出る:処分性の定義

①直接、国民の権利義務を形成・確定する公権力の行使にあたる行為

②取消訴訟の対象になれるかを決める入口論点

🔴 次に出る:3つの要素

公権力性・直接性・外部性を実質的にみて判断する。形式論では決めない。

🟡 押さえると安定:判例の傾向

強制力をもつ勧告には処分性が認められた。行政内部の通達には認められない。


よくある間違い

「勧告や行政指導には、処分性が必ず否定される」→ ✗  事実上の強制力をもつ勧告には、処分性が認められた例がある。

「通達には、処分性が認められる」→ ✗  通達は行政内部の命令で、国民の権利義務を直接左右しないため否定される。

「処分性は、条文の文言だけで形式的に決まる」→ ✗  判例は、権利義務への実質的な影響を重視して判断する。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(処分性の意味)

📝 オリジナル問題 1 処分性の意味

処分性に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 処分性とは、私人どうしの契約に法的効果を与える性質をいうものとされる
  2. 処分性とは、行政の内部だけで完結する命令の性質をいうものとされる
  3. 処分性とは、直接に国民の権利義務を形成・確定する公権力の行為の性質
  4. 処分性とは、命令等の案について意見を募る手続の性質をいうものとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 3 だ。

処分性とは、直接に国民の権利義務を形成・確定する、公権力の行使にあたる行為の性質だ。取消訴訟で争えるかを決める入口の性質だ。

選択肢1は私人間の契約、選択肢2は行政内部の命令、選択肢4はパブコメであって、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1私人間の契約とは別
2内部命令は外部性を欠く
3直接に権利義務を形成・確定する公権力行為で正しい
4パブコメとは別

オリジナル問題2(判断の要素)

📝 オリジナル問題 2 処分性の判断要素

処分性の判断に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 処分性は、公権力性・直接性・外部性といった要素から判断される
  2. 処分性は、行政の内部的な命令であっても認められるとされている
  3. 処分性は、私人間の合意であっても広く認められるものとされる
  4. 処分性は、国民の権利義務に影響しない行為にも認められるとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 1 だ。

処分性は、公権力性・直接性・外部性といった要素を実質的にみて判断される。形式ではなく、権利義務への影響という中身が決め手だ。

選択肢2の「内部命令でも」、選択肢3の「私人間の合意でも」、選択肢4の「影響しない行為でも」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1公権力性・直接性・外部性で判断され正しい
2内部命令は外部性を欠く
3私人間の合意は公権力性を欠く
4直接性(権利義務への影響)が必要

オリジナル問題3(判例の傾向)

📝 オリジナル問題 3 処分性に関する判例の傾向

処分性に関する判例の傾向についての次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 行政指導や勧告は、強制力があっても処分性は否定されるとされる
  2. 事実上の強制力をもつ勧告には処分性が認められ、通達には否定される
  3. 通達は国民の権利義務を直接左右するため、処分性が認められるとされる
  4. 処分性は条文の文言だけで形式的に決まり、判例の影響はないとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 2 だ。

事実上の強制力をもつ勧告には処分性が認められた一方、行政内部の命令である通達には処分性が否定される。中身の影響でわかれるぞ。

選択肢1の「勧告は強制力があっても否定」、選択肢3の「通達は認められる」、選択肢4の「形式だけで決まる」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1強制力ある勧告は認められた
2強制力ある勧告は肯定・通達は否定で正しい
3通達は内部命令で否定される
4判例は実質を重視して判断する

まとめ

押さえどころ

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執筆: SikakuQuest編集部

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