原告適格とは?取消訴訟の原告となりうる資格で、処分の取消しを求めるにつき法律上の利益をもつ者に認められる

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

原告適格とは(全体像)

原告適格とは、取消訴訟の原告となりうる資格のこと。処分性が「訴える対象」の入口なら、原告適格は「訴える人」の入口だ。

条文は、原告適格をもつ者を「処分の取消しを求めるにつき、法律上の利益を有する者」と定める。ここでいう法律上の利益とは、その処分によって、自己の権利や、法律上保護された利益を侵害される(またはそのおそれがある)ことをいう。

つまり、「なんとなく困る」では足りない。法律が守ろうとしている利益を侵されるかどうか、が基準になる。


詳しく:反射的利益との区別と、第三者の原告適格

ここが心臓部。「法律上の利益」と「反射的利益」の線引き、第三者への広がりを押さえる。

法律上の利益と反射的利益

区分原告適格
法律上保護された利益(法律が守ろうとする利益)を侵される認められる
反射的利益(事実上の利益にとどまるもの)を侵されるだけ認められない

まず反射的利益との区別。法律が、ある人の利益を直接守ろうとしているなら、その人には原告適格がある。一方、法律が公益を守った結果、たまたま事実上の恩恵を受けていただけ(反射的利益)なら、原告適格は認められない。「事実上の不利益があるから」だけでは足りない、という点が引っかけだ。

次に第三者の原告適格

第三者の原告適格の判断

みるポイント内容
法令の趣旨・目的その法律が、第三者の利益も守ろうとしているか
利益の内容・性質侵害される利益が、生命・健康など重いものか

処分の直接の相手方でない第三者(たとえば周辺住民)にも、原告適格が認められる場合がある。判断では、法令の趣旨・目的や、侵害される利益の内容・性質などを考慮して、実質的にみる。「第三者にはおよそ認められない」と決めつけないことが大切だ。

わかりやすく言い換えると

つまり原告適格は「訴える資格があるかどうかのチェック」。法律が守る利益を侵されるなら資格あり、ただの事実上の利益(反射的利益)なら資格なし。周辺住民などの第三者も、法令の趣旨しだいで資格が認められる。

要するに押さえどころは2つ。①原告適格は「法律上の利益」をもつ者に認められ、反射的利益では足りない②第三者にも、法令の趣旨などを考慮して認められる場合がある


試験のツボ

🔴 一番出る:法律上の利益

①原告適格は、処分の取消しを求めるにつき法律上の利益をもつ者に認められる

②法律上保護された利益が必要で、反射的利益では足りない

🔴 次に出る:第三者の原告適格

法令の趣旨・目的、利益の内容・性質などを考慮し、第三者にも認められる場合がある。

🟡 押さえると安定:処分性との関係

処分性は「対象」の入口、原告適格は「人」の入口。両方そろって取消訴訟に入れる。


よくある間違い

「事実上の不利益があれば、原告適格は認められる」→ ✗  法律上保護された利益が必要。反射的利益にとどまるものでは足りない。

「第三者には、原告適格がおよそ認められない」→ ✗  法令の趣旨などを考慮して、第三者にも認められる場合がある。

「原告適格は、誰でも自由に取消訴訟を起こせる資格である」→ ✗  法律上の利益をもつ者に限られる。誰でもよいわけではない。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(原告適格の意味)

📝 オリジナル問題 1 原告適格の意味

原告適格に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 原告適格とは、誰でも自由に取消訴訟を起こせる資格をいうとされる
  2. 原告適格とは、処分の取消しを求めるにつき法律上の利益をもつ者の資格
  3. 原告適格とは、行政庁の側が訴訟を起こすための資格をいうものとされている
  4. 原告適格とは、命令等の案について意見を述べる資格をいうものとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 2 だ。

原告適格とは、処分の取消しを求めるにつき、法律上の利益をもつ者の資格だ。訴える「人」の入口にあたる。

選択肢1の「誰でも自由に」、選択肢3の「行政庁の側」、選択肢4の「意見を述べる資格」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1法律上の利益をもつ者に限られる
2法律上の利益をもつ者の資格で正しい
3原告は訴える側の住民など
4パブコメとは別

オリジナル問題2(反射的利益との区別)

📝 オリジナル問題 2 法律上の利益と反射的利益

原告適格における利益に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 原告適格は、事実上の不利益があるだけで認められるものとされている
  2. 原告適格は、反射的利益にとどまる者にも広く認められるとされる
  3. 原告適格は、処分に不満があれば誰にでも認められるとされる
  4. 原告適格には、法律上保護された利益が必要で、反射的利益では不可
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 4 だ。

原告適格には、法律上保護された利益が必要で、反射的利益にとどまるものでは認められない。事実上の不利益だけでは足りないぞ。

選択肢1の「事実上の不利益だけ」、選択肢2の「反射的利益でも」、選択肢3の「誰にでも」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1事実上の不利益だけでは足りない
2反射的利益では認められない
3法律上の利益が必要
4法律上保護された利益が必要で正しい

オリジナル問題3(第三者の原告適格)

📝 オリジナル問題 3 第三者の原告適格

第三者の原告適格に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 第三者には、原告適格がおよそ認められることはないとされている
  2. 周辺住民の利益は、つねに反射的利益にすぎないとされている
  3. 第三者にも、法令の趣旨や目的を考慮して原告適格が認められうる
  4. 第三者の原告適格は、本人の同意がなければ認められないとされている
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 3 だ。

第三者にも、法令の趣旨や目的、利益の内容・性質などを考慮して、原告適格が認められる場合がある。周辺住民などが典型だ。

選択肢1の「およそ認められない」、選択肢2の「つねに反射的利益」、選択肢4の「本人の同意が必要」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1第三者にも認められる場合がある
2法律上の利益にあたる場合がある
3法令の趣旨などを考慮して認められうるで正しい
4本人の同意は要件ではない

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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