株式会社の設立とは?2つの方式と、設立の流れ

公開: 更新: カテゴリ: 商法

30秒で結論

株式会社の設立とは(全体像)

商法の会社の出発、それが設立である。株式会社の設立とは、株式会社という法人を、新たに成立させる手続をいう。定款を作り、出資を集め、最後に登記して会社を世に生み出すまでの一連の流れである。

押さえるべきは、設立には2つの方式があることである。

「募集設立は、発起人がいなくてもできる」と思い込んではならない。募集設立でも発起人は必要で、少なくとも一部は発起人が引き受けるのである。


詳しく:2つの方式と、設立の流れ

ここが核心である。腰を据えて見極めるがよい。問われるのは、方式の区別と、手続の流れ、そして法人成立の時点である。

2つの設立方式

方式だれが株式を引き受けるか
発起設立発起人が設立時の株式の全部を引き受ける
募集設立発起人が一部を引き受け、残りを募集する

まず方式である。発起設立は、発起人だけで全部の株式を引き受ける方式である。募集設立は、発起人が一部を引き受け、足りない分を外から募集する方式である。どちらも発起人は欠かせない。

次に手続の流れである。

設立手続の流れ

手続
発起人が定款を作成する
公証人の認証を受ける
出資を履行する
設立時の役員を選任する
設立の経過を調査する
設立登記をして会社が成立する

定款を作り、公証人の認証を受け、出資を済ませ、役員を選び、経過を調べ、最後に設立登記をする。この登記によって、会社は法人格を取得して成立する。

そして一番のヤマである。会社が成立するのは、設立登記の時点である。定款の認証を受けた時点でも、出資が済んだ時点でもない。「認証で会社ができる」と思い込まないことである。

わかりやすく言い換えると

要するに、株式会社の設立とは「会社という法人を、登記でこの世に生み出すまでの手続」である。

つまり、①集め方が2通り。発起設立は、発起人だけで全部の株を持つ身内型。募集設立は、発起人が一部を持ち、足りない分を外から集める公募型である。どちらも発起人がいないと始まらない。

②流れは、定款づくり→認証→出資→役員選び→調査→登記。設計図(定款)を作り、お金を入れ、最後に役所へ届け出る(登記)イメージである。

③そして肝心なのは、会社が「生まれる」のは登記の瞬間だということ。設計図に判(認証)をもらった時点ではない。登記してはじめて、会社は法人として動き出す、と心得るがよい。


試験のツボ

🔴 一番出る:法人成立は設立登記の時点

①会社が法人格を得て成立するのは設立登記の時

②定款の認証の時点では成立しない

🔴 次に出る:発起設立と募集設立

①発起設立=発起人が全株式を引き受ける

②募集設立=発起人が一部を引き受け、残りを募集する

🟡 押さえると安定:発起人は必ず必要

①募集設立でも発起人は必要

②少なくとも一部は発起人が引き受ける


よくある間違い

「会社は定款の認証を受けた時点で成立する」→ ✗  会社が成立するのは設立登記の時点。認証は手続の一つにすぎない。

「募集設立は、発起人がいなくてもできる」→ ✗  募集設立でも発起人は必要で、少なくとも一部は発起人が引き受ける。

「発起設立では、発起人以外の者も必ず株式を引き受ける」→ ✗  発起設立は発起人だけで全株式を引き受ける方式である。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(設立の方式)

📝 オリジナル問題 1 株式会社の設立の方式

株式会社の設立の方式に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 設立の方式は募集設立の一種類だけで、発起設立という方式は存在しないものとされる
  2. 発起設立も募集設立も、発起人が一人もいなくても進められるものとされている
  3. 設立の方式は国が指定するもので、設立する側は選ぶことができないものとされる
  4. 設立には発起設立と募集設立の2つの方式があり、いずれも発起人を必要とする
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 4 である。

理を解き明かそう。株式会社の設立には、発起設立募集設立の2つの方式がある。そして、いずれも発起人を必要とするのである。

選択肢2のように「発起人が一人もいなくても」進められるのではない。発起人は欠かせないと心得るがよい。

選択肢判定理由
1発起設立と募集設立の2方式がある
2いずれも発起人を必要とする
3国が方式を指定するものではない
42方式があり、いずれも発起人が必要

オリジナル問題2(発起設立と募集設立の区別)

📝 オリジナル問題 2 発起設立と募集設立の区別

発起設立と募集設立の区別に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 発起設立は株式を募集する方式で、募集設立は発起人が全株を引き受ける方式とされる
  2. 発起設立は発起人が全株式を引き受け、募集設立は一部を引き受け残りを募集する
  3. 発起設立も募集設立も、株式を引き受ける者に違いはないものとされている
  4. 発起設立は国の出資を受ける方式で、募集設立は受けない方式であるものとされる
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 2 である。

本質を見極めよう。発起設立は、発起人が全株式を引き受ける方式である。募集設立は、発起人が一部を引き受け、残りを募集する方式である。

選択肢1は両者を逆にした誤りである。「発起設立=全部、募集設立=一部+募集」と押さえるがよい。

選択肢判定理由
1発起設立と募集設立の説明が逆
2発起設立は全株引受、募集設立は一部+募集
3引き受ける者の範囲に違いがある
4国の出資の有無で分かれるのではない

オリジナル問題3(法人成立の時点)

📝 オリジナル問題 3 株式会社が成立する時点

株式会社が成立する(法人格を取得する)時点に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 公証人による定款の認証を受けた時点で、会社が成立するものとされている
  2. 発起人が出資を履行し終えた時点で、会社が成立するものとされている
  3. 設立登記をした時点で、会社が法人格を取得して成立するものである
  4. 設立時の役員を選任した時点で、会社が成立するものとされている
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 3 である。

高みより理を見渡そう。株式会社が成立し、法人格を取得するのは、設立登記をした時点である。定款の認証の時でも、出資が済んだ時でもないのである。

選択肢1のように「認証の時点」で成立するのではない。登記をもって会社が生まれると押さえるがよい。

選択肢判定理由
1認証は手続の一つで、成立時点ではない
2出資の履行だけでは成立しない
3設立登記により法人格を取得して成立する
4役員選任の時点で成立するのではない

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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