発起人とは?会社の設立を企画し

公開: 更新: カテゴリ: 商法

30秒で結論

発起人とは(全体像)

商法の会社を起こす者、それが発起人である。発起人とは、会社の設立を企画し、定款に署名または記名押印する者をいう。会社を一から立ち上げる、設立の中心人物である。

押さえるべきは、その資格である。

「発起人には法人はなれない」と思い込んではならない。発起人の資格に制限はなく、法人も未成年者もなれるのである。


詳しく:発起人の責任を見極める

ここが核心である。腰を据えて見極めるがよい。発起人で問われるのは、その厳格な責任である。

発起人の主な責任

責任内容
財産価額填補責任現物出資の財産の価額が不足したとき、その不足分を埋める
任務懈怠の責任任務を怠って会社や第三者に損害を与えたとき、賠償する
擬似発起人責任定款に発起人と記載がなくても、募集広告などに関与すれば責任を負う

まず財産価額填補責任である。お金ではなく物(土地など)で出資する現物出資で、その価額が実際より高く評価されていたとする。このとき発起人は、不足する分を埋める責任を負う。出資の中身を確かなものにするためである。

次に任務懈怠の責任である。発起人が任務を怠って会社や第三者に損害を与えたときは、その損害を賠償する責任を負う。

そして一番のヤマ、擬似発起人責任である。

擬似発起人責任

内容
本来の発起人定款に署名・記名押印した者
擬似発起人定款に名はないが、募集広告などに発起人として関与した者
効果擬似発起人も、発起人と同じ責任を負う

定款に発起人として記載されていなくても、株式募集の広告などに発起人として関与した者は、発起人と同じ責任を負う。これを擬似発起人責任という。外から見て発起人らしく振る舞った者に責任を負わせ、取引の相手方を守るためである。

なお、発起人は会社が成立すると、引き受けた株式について株主となる

わかりやすく言い換えると

要するに、発起人とは「会社を立ち上げる言い出しっぺ(定款に判を押す人)」であり、その分だけ重い責任を負う。

つまり、①なれる人にしばりはない。法人でも、未成年でも、1人でも会社は起こせる。「法人はなれない」は誤りである。

②責任は重い。物で出資した値段が水増しだったら、足りない分を埋めねばならない(財産価額填補責任)。任務を怠って損害を出せば、賠償もする。

③そして見落としやすいのが擬似発起人。定款に名前がなくても、「私が発起人です」と募集広告などに顔を出した者は、本物の発起人と同じ責任を負う。名前だけ逃げても、外向きに発起人らしく振る舞えば責任から逃れられない、と心得るがよい。


試験のツボ

🔴 一番出る:擬似発起人責任

①定款に発起人と記載がなくても

②募集広告などに関与すれば発起人と同じ責任を負う

🔴 次に出る:資格に制限なし

①法人でも未成年者でも発起人になれる

②発起人が1人でも会社を設立できる

🟡 押さえると安定:財産価額填補責任

①現物出資の価額が不足したとき

②発起人がその不足分を埋める責任を負う


よくある間違い

「発起人には法人はなれない」→ ✗  発起人の資格に制限はなく、法人でも未成年者でもなれる。

「擬似発起人責任は、定款に署名した者だけが負う」→ ✗  定款に名がなくても、募集広告などに関与すれば発起人と同じ責任を負う。

「現物出資の価額が不足しても、発起人は責任を負わない」→ ✗  発起人は財産価額填補責任により、その不足分を埋める責任を負う。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(発起人の資格)

📝 オリジナル問題 1 発起人の資格

発起人の資格に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 発起人の資格に制限はなく、法人や未成年者でもなることができるものである
  2. 発起人になれるのは自然人だけで、法人は発起人になれないものとされている
  3. 発起人は必ず3人以上でなければならず、1人では設立できないものとされる
  4. 発起人になれるのは成年に達した者だけで、未成年者はなれないものとされる
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 1 である。

理を解き明かそう。発起人の資格に制限はない法人でも未成年者でも発起人になれ、1人でも設立できるのである。

選択肢2のように「法人はなれない」のではない。資格にしばりはないと心得るがよい。

選択肢判定理由
1資格に制限はなく、法人や未成年者もなれる
2法人も発起人になれる
31人でも設立できる
4未成年者も発起人になれる

オリジナル問題2(擬似発起人責任)

📝 オリジナル問題 2 擬似発起人責任

擬似発起人責任に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 定款に署名した者だけが責任を負い、それ以外の者は一切責任を負わないものとされる
  2. 募集広告に関与しても、定款に名がなければ何ら責任を負わないものとされている
  3. 会社が成立しなかった場合に限り、関与者が責任を負うものとされている
  4. 定款に名がなくても、募集広告などに発起人として関与すれば発起人と同じ責任を負う
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 4 である。

本質を見極めよう。定款に発起人と記載がなくても、株式募集の広告などに発起人として関与した者は、発起人と同じ責任を負う。これを擬似発起人責任という。

選択肢1のように「定款に署名した者だけ」ではない。外見に応じて責任が及ぶと押さえるがよい。

選択肢判定理由
1署名者だけでなく、関与者も責任を負う
2募集広告に関与すれば責任を負う
3設立不成立の場合に限られない
4募集広告などに関与すれば発起人と同じ責任

オリジナル問題3(財産価額填補責任)

📝 オリジナル問題 3 財産価額填補責任

現物出資の価額が不足した場合の発起人の責任に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 発起人は、価額が不足しても何ら責任を負うことはないものとされている
  2. 発起人は、現物出資の価額が不足したとき、その不足分を埋める責任を負う
  3. 発起人は、不足分について会社ではなく国に対して責任を負うものとされる
  4. 発起人は、価額が過大であった場合に、その超過分を返還する責任を負うとされる
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 2 である。

高みより理を見渡そう。物で出資する現物出資で、その価額が不足したとき、発起人はその不足分を埋める責任を負う。これを財産価額填補責任という。出資の中身を確かにするためである。

選択肢1のように「何ら責任を負わない」のではない。不足を埋める責任があると押さえるがよい。

選択肢判定理由
1不足したときは填補責任を負う
2価額が不足した分を埋める責任を負う
3国にではなく会社との関係で責任を負う
4超過分の返還ではなく、不足分の填補

まとめ

押さえどころ

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執筆: SikakuQuest編集部

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