商号とは?選定の自由と、その制限

公開: 更新: カテゴリ: 商法

30秒で結論

商号とは(全体像)

商法の名のあり方、それが商号である。商号とは、商人が営業のうえで自分(の営業)を表すために用いる名称をいう。「○○商店」「△△株式会社」といった、営業の顔となる名前である。

押さえるべきは、選ぶのは自由が原則だということである。

「商号は自由だから、何でもよい」と思い込んではならない。自由は原則だが、例外の制限を見落としてはならないのである。


詳しく:選定の自由と、その制限

ここが核心である。腰を据えて見極めるがよい。商号で問われるのは、自由の原則と、それにかかる制限、そして登記の扱いである。

商号のルール

項目内容
原則商号は自由に選べる(商号選定の自由)
会社誤認の禁止会社でない者は、会社と誤認される商号を使えない
不正目的の禁止不正の目的で他人と誤認される商号を使えない

まず原則である。商号は、自由に選べるのが原則である。自分の名前と関係のない名称でも、原則としてかまわない。

しかし、例外の制限がある。第一に、会社でない者(個人商人など)は、「株式会社」など会社と誤認される商号を使ってはならない。第二に、不正の目的で、他人と誤認される商号を使ってはならない。有名企業に似せて客を誤認させるような使い方は、差止めや損害賠償の対象になる。

登記の扱い

商号の登記
個人商人任意(しなくてもよい)
会社必須

そして登記である。商号の登記は、個人商人は任意で、しなくてもよい。一方、会社は必須である。会社は設立の際に商号を登記しなければならない。「個人商人も登記が必須」と思い込まないことである。

わかりやすく言い換えると

要するに、商号とは「お店や会社の、営業上の名前」である。

つまり、①名前を選ぶのは基本的に自由。自分の本名と違っても、好きな名前を付けてよいのが原則である。

②ただし、やってはいけないことがある。会社でないのに「株式会社」を名乗る(会社と誤認させる)こと、有名店に似せて客をだます目的で似た名前を使う(不正目的で誤認させる)ことは禁じられる。自由でも、人をだます名前はダメだ、ということである。

③そして名前の登記は、個人商人なら任意(してもしなくてもよい)、会社なら必須。会社は名前を登記しないと始まらない、と心得るがよい。


試験のツボ

🔴 一番出る:選定の自由と、その例外

①商号は自由に選べるのが原則

②会社誤認・不正目的での誤認を招く商号は禁じられる

🔴 次に出る:登記は個人任意・会社必須

①個人商人の商号登記は任意

②会社の商号登記は必須

🟡 押さえると安定:不正目的の使用禁止

①不正の目的で他人と誤認される商号は使えない

②差止めや損害賠償の対象となる


よくある間違い

「商号は自由だから、どんな名称でもよい」→ ✗  原則は自由だが、会社誤認・不正目的の誤認を招く商号の使用は禁じられる。

「個人商人も、商号の登記は必須である」→ ✗  個人商人の商号登記は任意である。必須なのは会社である。

「会社でない者でも、『株式会社』を含む商号を自由に使える」→ ✗  会社でない者が会社と誤認される商号を使うことは禁じられる。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(商号選定の自由と制限)

📝 オリジナル問題 1 商号選定の自由と制限

商号に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 商号は完全に自由で、どのような名称でも一切の制限なく使えるものとされている
  2. 商号は本名と一致していなければならず、別の名称を用いることはできないものとされる
  3. 商号は自由に選べるのが原則だが、会社誤認や不正目的の誤認を招く使用は禁じられる
  4. 商号は国が一方的に割り当てるもので、商人が選ぶ余地はないものとされている
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 3 である。

理を解き明かそう。商号は自由に選べるのが原則である。ただし、会社でないのに会社と誤認される商号や、不正の目的で他人と誤認される商号の使用は禁じられるのである。

選択肢1のように「一切の制限なく」ではない。自由は原則だが、例外の制限を見落としてはならない。

選択肢判定理由
1一切の制限がないわけではない
2本名と一致させる必要はない
3原則は自由だが、誤認を招く使用は禁じられる
4国が割り当てるのではなく商人が選ぶ

オリジナル問題2(商号の登記)

📝 オリジナル問題 2 商号の登記

商号の登記に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 個人商人も会社も、商号の登記はいずれも任意であるものとされている
  2. 個人商人の商号の登記は任意であって、会社の商号の登記は必須である
  3. 個人商人の商号登記は必須であり、会社の商号登記は任意であるものとされる
  4. 個人商人も会社も、商号の登記はいずれも必須であるものとされている
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 2 である。

本質を見極めよう。商号の登記は、個人商人は任意で、しなくてもよい。一方、会社は必須である。個人と会社で扱いが異なるのである。

選択肢3のように、個人と会社を逆にしてはならない。「個人は任意、会社は必須」と押さえるがよい。

選択肢判定理由
1会社の商号登記は必須である
2個人商人は任意、会社は必須
3個人と会社の扱いが逆
4個人商人の登記は任意である

オリジナル問題3(不正目的・会社誤認の禁止)

📝 オリジナル問題 3 不正目的・会社誤認の禁止

商号の使用が禁じられる場合に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 会社でない者でも、会社と誤認される商号を自由に使えるものとされている
  2. 不正の目的であっても、他人と誤認される商号を使うことは許されるものとされる
  3. 商号の使用が禁じられる場合は一切なく、どのような使用も許されるものとされている
  4. 不正の目的で他人と誤認される商号の使用は禁じられ、差止めなどの対象となる
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 4 である。

高みより理を見渡そう。不正の目的で他人と誤認される商号の使用は禁じられ、差止めや損害賠償の対象となる。自由の原則にも、こうした制限があるのである。

選択肢1のように、会社でない者が会社と誤認される商号を自由に使えるのではない。誤認を招く使用は禁じられるのである。

選択肢判定理由
1会社と誤認される商号の使用は禁じられる
2不正目的の誤認を招く使用は許されない
3禁じられる場合がある
4不正目的の誤認を招く使用は禁じられ差止め等の対象

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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