まず結論——目安は30〜60時間くらい
いきなり数字から言ってしまいます。FP3級の合格に必要な勉強時間は、おおむね30〜60時間が一つの目安とされています。情報源によっては「80時間ほど見ておくと余裕がある」とするものもあり、幅があるのが正直なところです。
これを生活に落とし込むと、1日1時間のペースで、だいたい1〜2ヶ月。週末にまとめて進めるスタイルなら、もう少し短い期間でも形になります。
「思ったより少ないかも」と感じた方も多いんじゃないでしょうか。実際、国家資格のなかではかなり手前のほうにある数字です。お金の勉強がまったく初めての人でも、平日コツコツ+週末ちょっと、で射程に入ってきます。
ただし、これはあくまで平均的な目安です。次に話すように、人によって必要な時間はけっこう変わります。
時間が変わる理由——あなたの「スタート地点」しだい
同じ3級でも、必要な勉強時間が30時間で済む人もいれば、60時間以上かかる人もいます。この差は、もともとの「スタート地点」で決まる部分が大きいんですよね。
たとえば、銀行や保険の仕事をしている人は、普段から専門用語に触れているぶん、立ち上がりが速い。逆に、お金の話にまったく縁がなかった人は、言葉に慣れるところから始まるので、最初は少し時間がかかります。
それから、数字への苦手意識。FP3級には、お金を増やしたり割り引いたりする計算がいくつか出てきます。代表的なのが6つの係数と呼ばれるもので、ここで身構えてしまう人は一定数います。
とはいえ、ここで知っておいてほしいのは、3級の計算は電卓を使える範囲のものが中心ということ。数学が得意である必要はなくて、パターンに慣れれば乗り越えられます。苦手な人は、この手の分野に少し多めに時間を割り振る——そう考えておけば大丈夫です。
勉強時間の「中身」——インプットとアウトプットの配分
トータルの時間が見えたところで、その中身をどう使うか、という話をします。ここが意外と大事なところです。
ざっくり分けると、勉強には2つのフェーズがあります。テキストを読んで知識を入れる「インプット」と、問題を解いて使えるようにする「アウトプット」です。
やってしまいがちなのが、インプットに時間をかけすぎること。テキストを何度も丁寧に読んで、それで満足してしまう。でも、読んで分かった気になるのと、本番で解けるのとは別物なんですよね。
おすすめの配分は、前半でテキストを一通り読んだら、後半は過去問中心に切り替えること。割合でいうと、インプット4に対してアウトプット6くらい、思い切って問題を解く時間に寄せたほうが、点数につながりやすい印象です。
最初に学ぶライフプランニングのような身近な分野は、読むだけでもすっと入ってきます。一方、老齢基礎年金のような制度の細かい話は、問題を解きながら覚えるほうが、結局は早かったりします。
学科と実技、時間配分はどう考える?
FP3級の試験は、「学科」と「実技」の2つで構成されています。ここで「実技」と聞くと、面接や実演をイメージして身構える人がいるんですが、心配は要りません。口頭試問ではなく、実技も筆記です。事例をもとに計算したり判断したりする問題が中心になります。
ここで知っておきたいのは、実技は学科で学んだ知識の「使い方」を問うものだということ。土台は同じなので、まったく別物として2倍の時間を構える必要はありません。
おすすめの進め方は、まず学科の知識をひととおり固めること。そのうえで、実技の過去問を解いて「こう問われるのか」という出題のされ方に慣れる。学科で7割、実技の問題慣れに3割、くらいのイメージで時間を配ると、無駄なく回せます。
実技には団体ごとに選べる科目の違いがありますが、3級レベルでは、どれを選んでも学科の延長線上にあります。だから、学科をおろそかにしないことが、実技対策にもそのまま効いてくる——そう考えておくと、計画が立てやすくなります。
それから、もう一つ心が軽くなる話を。合格基準は、学科も実技も、おおむね6割とされています。つまり満点を狙う試験ではなく、4割は落としてもいい。完璧主義で全部を詰め込もうとすると、時間がいくらあっても足りなくなります。「6割を確実に取る」と発想を切り替えるだけで、必要な勉強時間はぐっと現実的になるんですよね。合格基準も年度で見直されることがあるので、ここも公式案内で確かめておくと万全です。
一夜漬けより、間隔をあけて思い出す
ここで、勉強の「続け方」について、一つだけ学習のコツに触れておきます。
心理学で「間隔反復学習」と呼ばれる考え方があります。同じ内容を一度にまとめて詰め込むより、日をあけて何度か思い出すほうが、記憶に長く残りやすい、というもの。試験直前の一夜漬けが抜けやすいのは、多くの人が経験から知っているとおりです。
FP3級の勉強にこれを当てはめると、毎日少しずつ進めて、昨日やったところを今日サッと思い出す——この繰り返しが効いてきます。週末に5時間まとめてやるより、平日に1時間ずつ5日のほうが、同じ5時間でも定着しやすい。そういう傾向があるんです。要するに、同じ時間でも「分けて」使うほうがお得、ということですね。
正直なところ、忙しいと「まとめてやろう」と考えがちです。気持ちはよく分かります。でも、たとえ10分でも毎日触れておくと、知識が薄れる前に上書きできる。FP3級くらいのボリュームなら、この小刻みなリズムと相性がいいと思っています。
スキマ時間を「勉強時間」に数える
「まとまった時間が取れない」というのは、働きながら学ぶ人の共通の悩みです。でも、勉強時間は、机に向かう時間だけとは限りません。
通勤電車の10分、昼休みの15分、寝る前の20分。こうしたスキマを足していくと、1日で1時間くらいは意外と作れます。FP3級は範囲が生活に近いぶん、細切れでも頭に入りやすいテーマが多い。だから、スキマ学習との相性がいいんです。
たとえば、移動中にスマホで4択問題を数問だけ解く。これだけでも立派なアウトプットの時間になります。「机に座らないと勉強じゃない」と思い込まず、スキマを勉強時間として数える——この発想の切り替えが、忙しい人ほど効いてきます。
具体的にイメージしてみましょう。朝の通勤で前日の復習を10分、昼休みに新しい問題を15分、夜は寝る前にテキストを20分。これで平日1日45分、5日で約4時間です。土日にそれぞれ1時間半ずつ足せば、週でだいたい7時間。このペースなら、目安の30〜60時間は1〜2ヶ月で無理なく積み上がります。きっちり守れない日があっても問題ありません。続いている、という感覚のほうが、合計時間よりずっと大事だったりします。
つまずきやすい分野に、時間を厚く
最後に、限られた時間をどこに使うか、という配分の話を少しだけ。
FP3級は6つの分野から出題されますが、すべてに同じだけ時間をかける必要はありません。人によって得意・不得意があるので、苦戦する分野に厚く、得意な分野は薄く、とメリハリをつけるのが効率的です。
多くの人がつまずきやすいのは、先ほどの計算分野と、年金まわりです。国民年金のように、仕組みが少し込み入っていて、用語も似たものが並ぶ。ここは焦らず、問題を解きながら何度も戻ってくる前提で時間を取っておくと、後半が楽になります。
逆に、家計や保険の基本のように、生活の感覚でつかめる分野は、サッと済ませて構いません。全分野を完璧にしようとせず、合格ラインに必要なところから固める——この割り切りが、トータルの勉強時間を現実的な範囲に収めるコツです。
直前の1週間で、点を伸ばす
最後の追い込みの使い方も、知っておくと差がつきます。直前期は、新しいことに手を広げるより、これまで解いた過去問を総ざらいする時間にあてるのがおすすめです。
特に効くのが、一度まちがえた問題だけをもう一度解き直すこと。正解した問題は飛ばして、つまずいたところに絞る。こうすると、限られた時間で「穴」を効率よくふさげます。噛み砕いて言えば、もう解ける問題に時間を使わず、解けない問題だけを潰していく、という発想です。
それともう一つ。本番はCBT方式で、画面で問題を読んで答える形です。だから直前には、紙だけでなく、画面で過去問を解く練習も少し入れておくと、当日の操作で戸惑いません。仕上げの数日は、本番に近い形で「通し」をやってみる——これだけで、実力を出しやすくなります。
なお、試験日程や合格基準の細かい点は、制度の見直しがあることもあります。受験する年度の公式案内で、最新の情報を確かめてから計画を立ててください。
- 目安はおおむね30〜60時間(1日1時間で1〜2ヶ月のイメージ)
- スタート地点(予備知識・数字への慣れ)で個人差は大きい
- 配分はインプット4・アウトプット6、後半は過去問中心に
- 一夜漬けより、毎日少しずつ思い出す「間隔反復」が効く
- 計算と年金は厚めに、生活感覚でつかめる分野は薄めに
理解度チェック
勉強時間の話、どれくらいつかめたか、軽く確かめてみましょう。
FP3級の勉強時間の目安について、最も適切なものはどれか。
- 最低でも500時間は確保しないと合格できない
- 数年単位の長期計画でなければ歯が立たない
- おおむね30〜60時間が一つの目安とされる
- 勉強時間は人によらず、誰でも全く同じである
解答は 3 じゃ。
FP3級は入口がやさしく設計されておる。目安はおおむね30〜60時間——1日1時間なら1〜2ヶ月で射程に入る。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 500時間は3級の目安より大幅に多い |
| 2 | ✗ 誤り | 数年もかからず、数ヶ月で形になる |
| 3 | ✓ 正解 | 30〜60時間が一つの目安 |
| 4 | ✗ 誤り | 予備知識などで個人差は大きい |
情報源で幅はあるゆえ、自分のペースに合わせて計画すればよいのじゃ。
FP3級の勉強時間の使い方として、最も適切なものはどれか。
- テキストを読み込むだけで、過去問は解かない
- 前半でテキストを読み、後半は過去問を中心にする
- 過去問には一切触れず、暗記だけで仕上げる
- どの分野にも、最初から最後まで同じだけ時間を割り当てる
解答は 2 じゃ。
読んで分かった気になるのと、本番で解けるのとは別物。前半でひととおり読んだら、後半は過去問に寄せるのがよい。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 読むだけでは解けるようにならない |
| 2 | ✓ 正解 | 後半は過去問中心に切り替える |
| 3 | ✗ 誤り | 演習なしの暗記だけでは心もとない |
| 4 | ✗ 誤り | 苦手分野に厚く配分するほうが効く |
インプット4・アウトプット6くらいの気持ちで、解く時間を多めにとるのじゃ。
FP3級の勉強の続け方として、最も適切なものはどれか。
- 試験の前日にまとめて一気に詰め込もうとする
- 得意な分野だけを何度も繰り返して勉強する
- 一度覚えたら、二度と復習はしない
- 毎日少しずつ進め、前日の内容を思い出す
解答は 4 じゃ。
間隔をあけて何度か思い出すほうが、記憶に長く残る。一夜漬けが抜けやすいのは、多くの者が経験から知っておるとおりじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 一夜漬けは抜けやすい |
| 2 | ✗ 誤り | 苦手分野こそ時間を要する |
| 3 | ✗ 誤り | 忘れる前の復習が定着を助ける |
| 4 | ✓ 正解 | 毎日思い出す間隔反復が効く |
たとえ10分でも、毎日触れて上書きしていくのじゃよ。
「これなら続けられそう」と思ってもらえたなら、編集部としては嬉しいです。
スキマ時間でFP3級の問題に少しずつ触れたい方は、シカクエのアプリを覗いてみるのも一つの方法です。通勤の数分でも、4択を1問から解けます。
もちろん、市販のテキストと過去問でじっくり進める独学でも、まったく問題ありません。大事なのは、自分の生活に合うリズムで、無理なく続けることだと思います。
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