釈明処分の特則とは?ねらいと、職権としての性格

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

釈明処分の特則とは(全体像)

釈明処分の特則とは、取消訴訟において、裁判所が事案を解明するために、行政庁に対して、処分の理由となった資料の提出を求めたり、行政庁から事情を聴いたりできる制度のこと。

背景にあるのが、情報の偏りだ。行政の処分をめぐる争いでは、判断のもとになった資料が行政の側に偏っていることが多い。原告(訴える側)は、必要な資料を持っていないことが多く、立証で不利になりがちだ。

そこで、裁判所が行政庁に資料を出させることで、この偏りを正し、原告の立証の負担を軽くする。これが釈明処分の特則のねらいだ。


詳しく:ねらいと、職権としての性格

ここが心臓部。情報の偏りを正すねらいと、職権であることを押さえる。

釈明処分の特則のねらい

ポイント内容
情報の偏りを正す行政側に偏りがちな資料を、裁判所が出させる
立証の負担を軽く原告が資料を持たなくても、事案の解明が進む

まずねらい。行政の側に資料が偏っているという、行政訴訟ならではの事情を正すための仕組みだ。原告を助ける方向の制度といえる。

次に、いちばん問われる性格だ。

釈明処分の特則の性格

区分内容
誰が行うか裁判所の職権(原告の請求権ではない)
しなかったら直ちに違法となるわけではない(裁判所の裁量)

これは裁判所の職権で行うもの。原告が「資料を出させろ」と権利として請求できるものではない。あくまで裁判所が判断して行う。さらに、裁判所が釈明処分をしなかったとしても、それが直ちに違法になるわけではない。原告を助ける制度ではあるが、原告の請求権でも、裁判所の義務でもない、という点を押さえる。

わかりやすく言い換えると

つまり釈明処分の特則は「裁判所が行政に資料を出させて、情報の偏りを正す仕組み」。原告の立証を助けるが、原告が権利として請求できるものではなく、裁判所がしなくても直ちに違法ではない。

要するに押さえどころは2つ。①裁判所が行政庁に資料提出などを求め、情報の偏りを正して原告の立証負担を軽くする②裁判所の職権で、原告の請求権ではなく、しなくても直ちに違法とはならない


試験のツボ

🔴 一番出る:ねらいは情報の偏りを正すこと

①行政側に偏りがちな資料を、裁判所が行政庁に出させる

②原告の立証の負担を軽くする

🔴 次に出る:裁判所の職権

原告が権利として請求できるものではない。裁判所の職権で行う。

🟡 押さえると安定:しなくても違法ではない

裁判所が釈明処分をしなくても、それが直ちに違法となるわけではない。


よくある間違い

「釈明処分は、原告が権利として請求できる」→ ✗  裁判所の職権で行うもの。原告の請求権ではない。

「裁判所が釈明処分をしなければ、判決は違法になる」→ ✗  裁判所の裁量で、しないことが直ちに違法となるわけではない。

「釈明処分は、行政庁が原告に資料を求める制度である」→ ✗  裁判所が行政庁に資料の提出などを求める制度。向きが逆。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(釈明処分の特則の意味)

📝 オリジナル問題 1 釈明処分の特則の意味

釈明処分の特則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 釈明処分の特則は、裁判所が行政庁に資料の提出などを求める制度である
  2. 釈明処分の特則とは、原告が処分の取消しを求める訴訟をいうものとされる
  3. 釈明処分の特則とは、行政庁が原告に資料を求める制度をいうものとされる
  4. 釈明処分の特則とは、私人どうしの紛争を解決する制度をいうとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 1 だ。

釈明処分の特則は、裁判所が行政庁に、資料の提出などを求める制度だ。情報の偏りを正し、原告の立証の負担を軽くするねらいだぞ。

選択肢2の「取消しを求める訴訟」、選択肢3の「行政庁が原告に求める」、選択肢4の「私人間の紛争」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1裁判所が行政庁に資料提出を求める制度で正しい
2それは取消訴訟そのもの
3求める向きが逆
4私人間の紛争とは別

オリジナル問題2(裁判所の職権)

📝 オリジナル問題 2 釈明処分の性格

釈明処分の特則の性格に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 釈明処分は、原告が権利として当然に請求できるものとされている
  2. 釈明処分は、行政庁の側が裁判所に対して求めるものとされている
  3. 釈明処分は、原告の請求があれば裁判所は必ず行わなければならないとされる
  4. 釈明処分は、裁判所の判断で行う職権的なもので、原告の請求権でない
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 4 だ。

釈明処分は、裁判所の判断で行う職権的なもので、原告が権利として請求できるものではない。原告を助ける制度だが、請求権ではないぞ。

選択肢1の「権利として請求」、選択肢2の「行政庁が求める」、選択肢3の「必ず行う」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1原告の請求権ではない
2行政庁が求めるものではない
3必ず行う義務ではない
4裁判所の職権で原告の請求権でなく正しい

オリジナル問題3(しなくても違法ではない)

📝 オリジナル問題 3 釈明処分をしない場合

裁判所が釈明処分をしない場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 裁判所が釈明処分をしなければ、その判決はつねに違法となるものとされる
  2. 裁判所が釈明処分をしなくても、それが直ちに違法となるわけではない
  3. 裁判所は、釈明処分をかならず行わなければならないものとされる
  4. 釈明処分は、行政庁の同意がなければ一切できないものとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 2 だ。

裁判所が釈明処分をしなくても、それが直ちに違法となるわけではない。裁判所の裁量にゆだねられているぞ。

選択肢1の「つねに違法」、選択肢3の「かならず行う」、選択肢4の「行政庁の同意が必要」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1しなくても直ちに違法ではない
2しなくても直ちに違法とならずで正しい
3必ず行う義務ではない
4行政庁の同意は要件ではない

まとめ

押さえどころ

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執筆: SikakuQuest編集部

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