公社債運用とは(全体像)
公社債とは、国債・地方債・社債などの債券のこと。債券で運用するときも、ひとつに集中させず分散することでリスクをやわらげる。
債券には大きく2つのリスクがある。
- 金利リスク … 金利が動くと、債券の価格が動く(金利が上がると価格は下がる)。
- 信用リスク … 発行体の信用が落ちると、利息や元本が予定どおり戻らないことがある。
この2つのリスクに、それぞれ分散で対応するのが公社債運用。
詳しく:2つの分散とリスクの対応
ここが記事の心臓部。どの分散がどのリスクに効くか、を押さえる。
公社債運用の2つの分散
| 分散 | 内容 | やわらげるリスク |
|---|---|---|
| 残存期間分散 | 短期・中期・長期の債券を組み合わせる | 金利リスク |
| 格付分散 | 信用度(格付)の違う債券を組み合わせる | 信用リスク |
残存期間分散は、満期までの期間が短いもの・中くらいのもの・長いものを混ぜて持つこと。1つの満期に集中させないので、金利が動いたときの影響をやわらげられる(金利リスクへの対応)。
格付分散は、AAAのような高い格付からBBBのような相対的に低い格付まで、信用度の違う債券を組み合わせること。1つの発行体に集中させないので、信用問題が起きたときの影響をやわらげられる(信用リスクへの対応)。
わかりやすく言い換えると
要するに、公社債運用は「満期も信用度も、ひとつに集中させない」こと。
つまり、残存期間を分けると金利リスクに、格付を分けると信用リスクに効く、と覚える。
①残存期間分散 … 短・中・長期を混ぜる → 金利リスクをやわらげる
②格付分散 … 信用度の違う債券を混ぜる → 信用リスクをやわらげる
③共通 … ひとつに集中させない
試験のツボ
🔴 一番出る:分散とリスクの対応
①残存期間分散 → 金利リスクをやわらげる
②格付分散 → 信用リスクをやわらげる
🔴 次に出る:分散の中身
①残存期間分散は短期・中期・長期を組み合わせる
②格付分散は信用度の違う債券を組み合わせる
🟡 押さえると安定:基本姿勢
①満期も信用度も、ひとつに集中させない
よくある間違い
①「残存期間分散は信用リスクをやわらげる」→ ✗ 残存期間分散がやわらげるのは金利リスク。信用リスクは格付分散。
②「格付分散は金利リスクをやわらげる」→ ✗ 格付分散がやわらげるのは信用リスク。金利リスクは残存期間分散。
③「債券は1つの満期に集中させるほどリスクが下がる」→ ✗ 集中ではなく、短期・中期・長期に分けるとリスクがやわらぐ。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(2つの分散)
公社債運用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 公社債運用は1つの満期・1つの格付に集中させるほどリスクが下がるものとされている
- 公社債運用は、残存期間分散と格付分散で金利リスクや信用リスクをやわらげる戦略だ
- 公社債運用は債券ではなく株式を分散して持つことをいうものとされている
- 公社債運用にはリスクがなく、分散を考える必要はいっさいないものとされている
解答は 2 だよ。
公社債運用は、残存期間分散と格付分散という2つの分散で、金利リスクや信用リスクをやわらげる戦略。ひとつに集中させないのが基本だよ。
選択肢1の「集中で下がる」、選択肢3の「株式の分散」、選択肢4の「リスクなし」はどれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 集中ではなく分散 |
| 2 | ✓ | 2つの分散でリスクをやわらげて正しい |
| 3 | ✗ | 株式ではなく債券 |
| 4 | ✗ | 債券にもリスクがある |
オリジナル問題2(残存期間分散)
残存期間分散に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 残存期間分散は、すべて同じ満期の債券にそろえることをいうものとされている
- 残存期間分散は、信用リスクをやわらげるための分散であるものとされている
- 残存期間分散は、短期・中期・長期の債券を組み合わせて金利リスクをやわらげる
- 残存期間分散は、債券ではなく株式の保有期間を分けることをいうものとされている
解答は 3 だっ。
残存期間分散は、満期までの期間が短期・中期・長期の債券を組み合わせて、金利リスクをやわらげる方法だよっ。1つの満期に集中させないのがポイントだっ。
選択肢1の「同じ満期にそろえる」、選択肢2の「信用リスク」、選択肢4の「株式の保有期間」は、どれも誤りだよっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 期間を分けるのが分散 |
| 2 | ✗ | やわらげるのは金利リスク |
| 3 | ✓ | 短中長期で金利リスクをやわらげて正しい |
| 4 | ✗ | 対象は債券である |
オリジナル問題3(格付分散)
格付分散に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 格付分散は、すべて同じ発行体の債券に集中させることをいうものとされている
- 格付分散は、金利リスクをやわらげるための分散であるものとされている
- 格付分散は、格付がいちばん低い債券だけを集めることをいうものとされている
- 格付分散は、信用度の違う債券を組み合わせて信用リスクをやわらげる手法だ
解答は 4 である。
格付分散は、AAAのような高い格付からBBBのような格付まで、信用度の違う債券を組み合わせて、信用リスクをやわらげる方法である。1つの発行体に集中させない。
選択肢1の「同じ発行体に集中」、選択肢2の「金利リスク」、選択肢3の「低い格付だけ集める」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 集中ではなく分散 |
| 2 | ✗ | やわらげるのは信用リスク |
| 3 | ✗ | 信用度の違うものを組み合わせる |
| 4 | ✓ | 信用度を分けて信用リスクをやわらげて正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 残存期間分散は金利リスク、格付分散は信用リスクをやわらげる。この対応がカギ。
- 🔴 残存期間分散は短期・中期・長期、格付分散は信用度の違う債券を組み合わせる。
- 🟡 満期も信用度も集中させないのが基本姿勢。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部