債券格付けとは(全体像)
債券格付けは、その債券の元本と利息がちゃんと払われそうか(信用力)を、専門の格付会社(信用格付業者)が記号で表したもの。投資家が「この債券は安全か」を一目で比べられるようにする物差し。
評価する会社は決まっていて、世界ではS&PとMoody's、日本ではR&I(格付投資情報センター)とJCR(日本格付研究所)が代表的。
一番大事なのは、記号を2つのグループに分ける線。
- 投資適格(BBB以上)… 一般的な投資対象として買えるグループ。
- 投機的等級(BB以下)… 信用リスクが高く、その分リターンを狙うグループ。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。債券格付けの中身は、次の表にほぼ全部つまっている。
債券格付けの全体像
| 記号 | 区分 | 意味 |
|---|---|---|
| AAA・AA・A・BBB | 投資適格 | 信用力が高い。一般的な投資対象 |
| BB・B・CCC・CC・C | 投機的等級 | 信用リスクが高い。ハイイールド債・ジャンク債とも呼ぶ |
| D | (投機的等級の底) | デフォルト(元利金が払えない状態) |
試験で問われるのは、次の3点。
試験で問われる3点
| 論点 | 内容 |
|---|---|
| 誰が付ける | 信用格付業者(S&P・Moody's・R&I・JCR等)。投資家本人が算定するものではない |
| 何を見る | 債券の元利金支払いの確実性(=信用力) |
| 境界はどこ | BBB。BBB以上が投資適格、その1段下のBBから投機的等級 |
格付けが低い債券ほど信用リスクが高いので、その分利回りは高くなる傾向(リスクの分だけ上乗せがある)。
なお、同じ債券でも格付業者ごとに評価が分かれることがある。記号の細かい表記(S&PはBBB+/BBB/BBB−、Moody'sはBaa1/Baa2/Baa3など)は業者ごとに違うので、具体的な符号は受験年度の最新仕様で確認するとよい。
わかりやすく言い換えると
要するに、債券格付けは「この借り手はお金をちゃんと返せそうか」を成績表のように記号で表したもの。AAAが優等生、Dは返せなくなった状態。
つまり、覚える線はただ1本。「BBBより上か下か」。BBB以上なら投資適格(安全寄り)、BB以下なら投機的等級(リスク高め)。
試験のツボ
🔴 一番出る:投資適格と投機的等級の境界
①BBB以上 = 投資適格
②BB以下 = 投機的等級
③境界は BBB
🟡 押さえると安定:誰が・何を評価するか
①付けるのは信用格付業者(S&P・Moody's・R&I・JCR等)
②見るのは元利金支払いの確実性(信用力)
🟡 おまけ:記号の幅とリスクの関係
①AAA(最高)〜D(デフォルト)
②格付けが低いほど利回りは高くなる傾向
よくある間違い
①「投資適格はAA以上だけ」→ ✗ 投資適格はBBB以上。A格やBBB格も投資適格に入る。
②「格付けは投資家本人が決める」→ ✗ 付けるのは信用格付業者。本人が独自に算定するものではない。
③「BB以下も一般的な投資対象」→ ✗ BB以下は投機的等級。一般的な投資対象になるのはBBB以上。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(誰が・何を評価するか)
債券格付けに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 債券格付けは投資家本人が独自の基準で算定するもので、格付業者の評価には依らないとされる
- 債券格付けは信用格付業者が、債券の元利金支払いの確実性(信用力)を記号で表した指標である
- 債券格付けは債券の発行価格の高さだけで自動的に決まり、信用力とは無関係とされる指標である
- 債券格付けは債券の発行から満期までの年数(残存期間)の長さで一律に決まるとされる指標である
解答は 2 だよ。
わかりやすく言い換えると、債券格付けは「信用格付業者(S&P・Moody's・R&I・JCR等)が、その債券の元利金をちゃんと払えるか」を記号で表したもの。投資家本人が決めるものでも、価格や年数で自動的に決まるものでもないんだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 投資家本人が算定するものではない |
| 2 | ✓ | 信用格付業者が信用力を記号で表す指標で正しい |
| 3 | ✗ | 発行価格の高さで決まるものではない |
| 4 | ✗ | 残存期間の長さで決まるものではない |
オリジナル問題2(投機的等級)
債券格付けの区分に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 債券格付けのBB以下の格付けは投機的等級と区分され、ハイイールド債やジャンク債とも呼ばれる
- 債券格付けのBB以下の格付けも投資適格に区分され、Dも一般的な投資対象として位置づけられている
- 債券格付けはどの記号も投資適格に区分され、投機的等級という区分はそもそも存在しないものとされる
- 債券格付けは格付けが低いほど信用力が高い債券として評価され区分されるものであるとされている
解答は 1 だっ。
つまり、BB以下(BB・B・CCC・CC・C)は投機的等級で、別名ハイイールド債やジャンク債っ。Dも投機的等級の底で、一般的な投資対象ではないんだっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | BB以下は投機的等級・ハイイールド債で正しい |
| 2 | ✗ | BB以下は投機的等級。投資適格ではない |
| 3 | ✗ | 投機的等級という区分は存在する |
| 4 | ✗ | 格付けが低いほど信用力は低い |
オリジナル問題3(投資適格の境界)
債券格付けの投資適格の基準に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 債券格付けはAAA格だけが投資適格で、AA格やA格やBBB格はすべて投機的等級に区分されるとされる
- 債券格付けのAA以上の格付けのみが投資適格で、A格やBBB格は投機的等級に区分されるものとされる
- 債券格付けはBBB以上が投資適格、BB以下が投機的等級と区分され、その境界はBBBに置かれている
- 債券格付けはCCC以上が投資適格で、その境界はCCCに置かれているものとして区分されるとされる
解答は 3 である。
要するに、BBB以上(AAA・AA・A・BBB)が投資適格、BB以下が投機的等級で、境界はBBBに置かれる。AA以上だけが投資適格というのは誤りで、A格やBBB格も投資適格である。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 投資適格はAAA格だけではない |
| 2 | ✗ | 投資適格はAA以上に限らない。BBBも含む |
| 3 | ✓ | BBB以上が投資適格・境界はBBBで正しい |
| 4 | ✗ | 境界はBBBであってCCCではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 境界はBBB = BBB以上が投資適格、BB以下が投機的等級(ハイイールド債・ジャンク債)。
- 🔴 付けるのは信用格付業者 = S&P・Moody's・R&I・JCR等が、元利金支払いの確実性(信用力)を評価する。
- 🟡 記号はAAA〜D = AAAが最高、Dはデフォルト。格付けが低いほど利回りは高くなる傾向。
次に学ぶ
- 債券の利回り ── 格付けが低い債券ほど利回りが高くなる関係を、計算で確かめられる。
- 個人向け国債 ── 国が発行する、信用リスクが極めて低い債券の代表。
- 金融政策(日銀) ── 金利環境が、格付け差による利回り差にどう波及するか。
執筆: SikakuQuest編集部