扶養控除とは(全体像)
扶養控除は、生計を一にする親族(配偶者を除く)を養っているときに、その分だけ自分の税金が軽くなる所得控除のこと。
対象になる親族(控除対象扶養親族)には条件がある。
- 生計を一にする親族(配偶者は除く)であること。同居・別居は問わない。
- その親族の合計所得が58万円以下(給与だけなら年収123万円以下)であること。
- 16歳以上であること。
- 青色・白色の事業専従者でないこと。
配偶者を養っているときは「配偶者控除」、自分自身の分は「基礎控除」と、別の控除になる。扶養控除は配偶者以外の親族が相手、というのが入口の整理。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。扶養控除の中身は、次の表に全部つまっている。
扶養控除の控除額(年齢区分)
| 親族の年齢など | 区分 | 控除額 |
|---|---|---|
| 16歳未満 | 年少扶養親族 | 控除なし(児童手当でカバー) |
| 16歳以上19歳未満 | 一般 | 38万円 |
| 19歳以上23歳未満 | 特定扶養親族 | 63万円(最大) |
| 23歳以上70歳未満 | 一般 | 38万円 |
| 70歳以上(同居以外) | 老人扶養親族 | 48万円 |
| 70歳以上(同居老親等) | 同居老親等 | 58万円 |
「同居老親等」は、本人または配偶者の親(直系尊属)と同居しているケース。つまり、ふつうの老人扶養親族(48万円)より10万円多い58万円になる。
そして、控除を受ける手続きは立場で分かれる。
控除の受け方
| 立場 | 受け方 |
|---|---|
| 会社員など給与所得者 | 年末調整(扶養控除等申告書を出す) |
| 自営業者など | 確定申告 |
なお、対象親族の所得条件「58万円以下」は令和7年分からの数字(それ以前は48万円以下)。年度ごとに変わりうる金額なので、受験する年の最新の値で確認しておくと安心。
わかりやすく言い換えると
要するに、扶養控除は「お金のかかる家族を養っている人ほど、税金を軽くする」しくみ。だから一番お金がかかる大学生世代(19〜22歳)が63万円で最大になっている、と理解するとスッと入る。
16歳未満が控除なしなのは、その代わりに児童手当でお金が直接もらえるから、と覚えるとよい。
試験のツボ
🔴 一番出る:年齢ごとの控除額
①一般(16歳以上)= 38万円
②特定扶養親族(19歳以上23歳未満)= 63万円(最大)
③老人扶養親族(70歳以上)= 48万円/同居老親等は 58万円
🔴 次に出る:対象になる親族の条件
①配偶者を除く、生計を一にする親族
②合計所得58万円以下(給与なら年収123万円以下)
③16歳以上(16歳未満は控除なし)
🟡 押さえると安定:控除の受け方 給与所得者は年末調整、自営業者は確定申告。
よくある間違い
①「子どもなら何歳でも扶養控除がある」→ ✗ 16歳未満は控除なし(児童手当でカバー)。控除があるのは16歳以上。
②「扶養控除はみんな一律38万円」→ ✗ 年齢で変わる。特定(19〜23歳未満)は63万円、老人は48万円・同居なら58万円。
③「給与所得者も必ず確定申告が必要」→ ✗ 給与所得者は年末調整で受けられる。確定申告が必要なのは自営業者など。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(控除対象扶養親族の条件)
扶養控除の対象になる親族(控除対象扶養親族)の条件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 扶養控除は親族の年齢をまったく問わず、0歳の子どもでも生計を一にしていれば対象になるとされる
- 扶養控除は生計を一にする親族(配偶者を除く)で合計所得58万円以下・16歳以上が対象になる
- 扶養控除は別居している親族はまったく対象にならず、必ず同居していることが条件とされている
- 扶養控除は親族の所得がいくらであっても、生計を一にしてさえいれば対象になるとされている
解答は 2 だよ。
わかりやすく言い換えると、扶養控除の対象は「生計を一にする親族(配偶者は除く)で、その親族の合計所得が58万円以下(給与なら年収123万円以下)、しかも16歳以上」だよ。同居・別居は関係なくて、別居でも生計を一にしていれば対象になるんだ。だから選択肢3の「必ず同居」は誤りだよ。
つまり、選択肢1や4のように「年齢を問わない」「所得がいくらでもよい」も誤り。16歳未満は控除なし、所得58万円超も対象外なんだ。「生計を一にする親族/所得58万円以下/16歳以上」を押さえてね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 16歳未満は控除なし。年齢を問わないは誤り |
| 2 | ✓ | 生計を一にする親族・所得58万円以下・16歳以上が条件で正しい |
| 3 | ✗ | 同居・別居は問わない。別居でも生計を一にすれば対象 |
| 4 | ✗ | 親族の合計所得58万円以下が条件。所得無制限ではない |
オリジナル問題2(年齢ごとの控除額)
扶養控除の控除額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 扶養控除は扶養親族の年齢にかかわらず、一律で38万円が控除される決まりになっているとされる
- 扶養控除は19歳以上23歳未満の特定扶養親族が最も低く、控除額は一律で13万円とされている
- 特定扶養親族(19歳以上23歳未満)は63万円、老人扶養親族(70歳以上)は48万円である
- 扶養控除は70歳以上の親族がもっとも控除額が大きく、同居でなくても一律63万円が控除される
解答は 3 だっ。
要するに、控除額は年齢で変わるんだっ!一般(16歳以上)は38万円、特定扶養親族(19歳以上23歳未満)は63万円で最大、老人扶養親族(70歳以上)は48万円、親と同居している同居老親等は58万円だっ。
選択肢1の「一律38万円」、選択肢2の「特定が一番低い13万円」、選択肢4の「70歳以上が一律63万円」は、どれも誤りだっ。一番大きいのは大学生世代の特定扶養親族(63万円)だよっ。「一般38・特定63・老人48・同居58」を押さえろっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 年齢で変わる。一律38万円は誤り |
| 2 | ✗ | 特定扶養親族は63万円で最大。13万円ではない |
| 3 | ✓ | 特定63万円・老人48万円で正しい |
| 4 | ✗ | 最大は特定扶養親族の63万円。70歳以上は48万円(同居58万円) |
オリジナル問題3(16歳未満の扱い)
扶養控除における16歳未満の親族の扱いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 16歳未満の親族は扶養控除の対象外で、その代わりに児童手当で支援されるしくみになっている
- 16歳未満の親族には、16歳以上より手厚い一律63万円の扶養控除が適用されるとされている
- 16歳未満の親族も16歳以上と同じく、一律38万円の扶養控除が現在も適用されるとされている
- 16歳未満の親族は扶養控除と児童手当の両方を同時に満額受け取れるしくみになっているとされる
解答は 1 である。
要するに、16歳未満の年少扶養親族は扶養控除の対象外で、そのぶん児童手当でお金が直接もらえるしくみになっている。扶養控除があるのは16歳以上、と覚えればよい。
つまり選択肢2・3のように「16歳未満にも38万円・63万円の控除がある」は誤りである。選択肢4の「控除と手当の両取り」も誤りで、16歳未満は控除ではなく手当で支援される、という整理になる。「16歳未満は控除なし=児童手当でカバー」を押さえる。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 16歳未満は控除対象外で児童手当で支援され正しい |
| 2 | ✗ | 16歳未満に63万円の控除はない |
| 3 | ✗ | 16歳未満は控除なし。38万円は適用されない |
| 4 | ✗ | 16歳未満は扶養控除なし。両取りはできない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 控除額は年齢で変わる = 一般38万円/特定(19〜23歳未満)63万円が最大/老人(70歳以上)48万円・同居老親等58万円。
- 🔴 対象の条件 = 生計を一にする親族(配偶者を除く)・合計所得58万円以下(給与なら年収123万円以下)・16歳以上。
- 🟡 16歳未満は控除なし(児童手当でカバー)。受け方は給与所得者=年末調整、自営業者=確定申告。
次に学ぶ
- 配偶者控除 ── 配偶者を養うときの控除。「扶養控除=配偶者以外の親族/配偶者控除=配偶者」という対比で押さえると混ざらない。
- 基礎控除 ── 自分自身の分の控除。誰でも使える土台の控除という位置づけ。
- 給与所得 ── 会社員の所得の出し方。年末調整で扶養控除を受ける流れにつながる。
執筆: SikakuQuest編集部