まず全体像——FPは「学科+実技」の2本立て
最初に、いちばん大事なところを押さえておきます。FP技能検定は、「学科試験」と「実技試験」の2つで構成されていて、その両方に合格して、はじめて「FP技能士」になれるしくみです。
どちらか一方だけ受かっても、その級の資格はもらえません。だから、受験を考えるときは「2つセットで合格を目指す」とイメージしておくと、計画が立てやすくなります。
合格の基準は、学科も実技も、それぞれおおむね6割とされています。つまり、満点を狙う試験ではなく、6割をしっかり取りにいく試験。ここを意識するだけでも、気持ちがずいぶん軽くなるはずです。
そして、プランリスが心配していた「実演」について。実技試験も、れっきとした筆記試験です。 面接や実演ではありません。どうか肩の力を抜いてください——とはいえ、学科とは少し毛色が違うので、そこを次から見ていきましょう。なお合格基準は年度で見直されることもあるので、受験する年度の公式案内で確かめてください。
学科試験——「知識」を幅広く問う
まずは学科試験から。こちらは、FPの知識そのものを問う試験です。
出題は、FPが扱う6つの分野——ライフプランニング、リスク管理(保険)、金融資産運用、タックスプランニング(税金)、不動産、相続・事業承継——から、幅広く出されます。一つの分野を深掘りするというより、全体を満遍なく問われるイメージです。
形式は、マークシート型の選択問題。近年はテストセンターのパソコンで受けるCBT方式に移って、画面上で答えを選ぶ形になっています。3級なら○×問題と三択、2級なら四択、といったように、級によって問い方が少し変わります。
学科の対策は、テキストで知識を入れて、過去問で確かめる——この繰り返しが王道です。範囲が広いぶん、苦手分野を作らず、薄く広くカバーしておくことが大切になります。
ここで一つ、学科ならではのコツを。6分野を完璧にしようとすると、いくら時間があっても足りません。学科は6割で合格なので、全分野そこそこ取れれば受かる試験です。つまり、得意分野で満点を狙うより、苦手分野でも「半分は取れる」状態に持っていくほうが、合格には近い。捨て科目を作らず、まんべんなく拾っていく——これが学科攻略の現実的な姿勢です。
実技試験——「知識の使い方」を試す
次に実技試験。名前にびっくりしがちですが、繰り返すと、これも筆記です。ただし、学科とは問われ方が違います。
実技は、具体的な事例をもとに、学んだ知識を実際に「使って」答えを出す試験です。たとえば、ある家庭の家計データが示されて、それをもとに計算したり、適切なアドバイスを選んだり。学科が「知っているか」を問うなら、実技は「使えるか」を問う、というわけです。
ここで登場するのが、FPの実務で使う道具たち。個人バランスシートで家計の資産と負債を整理したり、キャッシュフロー表で将来のお金の流れを読んだり。さらに、お金を増やす・割り引く計算をする6つの係数も、実技でよく問われるところです。
もう少し具体的にイメージしてみましょう。たとえば「ある夫婦の手取り収入と支出、貯蓄額が示されて、10年後の貯蓄残高を計算しなさい」といった問われ方です。これは、学科で覚えた家計分析の知識を、実際の数字に当てはめて答えを出す作業。知っているだけでは解けず、手を動かして計算してはじめて正解にたどり着きます。
だからこそ、実技対策は「読む」より「解く」が中心になります。学科で土台を作ったら、実技の過去問をできるだけ多く解いて、出題のパターンと電卓の使い方に体を慣らしておく。この演習量が、そのまま得点に直結してくる分野です。電卓の持ち込みの可否や使える種類は団体で扱いが異なることもあるので、ここも申し込み前に公式案内で確かめておくと、当日あわてずに済みます。
要するに、実技は「FPの仕事を、紙の上で疑似体験する試験」だと考えると、イメージがつかみやすいと思います。
団体で違う——実技の「選べる科目」
実技試験には、もう一つ知っておきたい特徴があります。それは、実施団体によって、選べる科目が違うということ。
FP技能検定を実施しているのは、日本FP協会と、きんざい(金融財政事情研究会)の2つ。学科はどちらで申し込んでも共通ですが、実技は団体ごとに科目が分かれています。
たとえば、日本FP協会なら「資産設計提案業務」、きんざいなら「個人資産相談業務」や「保険顧客資産相談業務」など。名前は難しそうですが、要するに「どの切り口の事例で出題されるか」の違いです。保険まわりの仕事に活かしたいなら保険系の科目を選ぶ、というように、自分の目的に合わせて選べます。
どの科目を選ぶかで、過去問演習の対象も変わってきます。だから、申し込みの前に「自分はどの実技で受けるか」を決めておくと、対策の的が絞れます。科目の名称や範囲は変わることもあるので、ここも公式案内で最新を確かめておきましょう。
片方だけ受かったら?——「一部合格」のしくみ
「2つとも一度に受からないとダメなの?」という不安もあるかもしれません。ここは、知っておくと気がぐっと楽になる話です。
学科と実技は、別々に合否が判定されます。そして、片方だけ合格した場合、もう片方を次に受けるときに、合格済みの試験が免除されるしくみがあります(いわゆる一部合格)。
つまり、たとえば学科だけ受かって実技を落としても、学科の合格は一定期間有効。次は実技だけに集中して挑めばいい、というわけです。一度に両方そろえるのが理想ではありますが、もし片方だけになっても、積み上げが無駄にならない——この安全網があると思うと、挑戦のハードルが下がりますよね。
ただし、免除には有効期限があり、その範囲や条件は制度の見直しで変わることがあります。免除を当てにする場合は、受験する年度の公式案内で必ず確かめてください。
いつ受ける?——学科と実技のタイミング
「学科と実技は、同じ日に受けるの? それとも別々?」という疑問も、よく出てきます。ここも知っておくと、計画が立てやすくなります。
近年、FPの試験はテストセンターのパソコンで受けるCBT方式へ移ってきました。これにより、年に数回の一斉試験ではなく、都合のよい時期を選んで受けやすくなる方向に変わっています。
学科と実技は、別々の試験として申し込む形が基本です。同じ時期にまとめて受けることもできれば、まず学科を受けて、手応えをつかんでから実技、という分け方もできます。一度に二つを背負うのが不安なら、段階を踏んで受ける——そんな選び方もアリ、ということですね。
ただし、CBTへの移行の進み具合や、申し込みの方法・受験できる期間は、級や団体によって差があります。さらに制度の切り替え時期にあたるため、ここは特に動きやすいところ。実際の日程と申し込み方法は、受験する年度の公式案内で必ず確かめてください。 古い情報のまま進めると、思わぬ取りこぼしにつながりかねません。
対策の順番——学科を土台に、実技で「使う」
最後に、学科と実技をどう攻略するか、進め方のコツを。
おすすめは、まず学科の知識を固めて、それから実技の過去問で「使い方」に慣れるという順番です。実技は学科の知識を土台にしているので、学科がぐらついたまま実技に進むと、足元が定まりません。
そして、ここで効いてくるのが「アクティブリコール」という学びのコツ。読んで覚えるより、思い出して使うほうが記憶に残りやすい、という考え方です。実技の過去問は、まさに知識を「使う」練習なので、これ自体が強力な復習になります。学科で入れた知識を、実技の演習で引き出す——この往復が、両方の力を同時に伸ばしてくれるんです。
噛み砕いて言えば、学科と実技は別物のようでいて、実は地続き。学科で覚えたことを実技で使い、実技でつまずいたら学科に戻る。この行き来こそが、いちばん効率のいい勉強法だったりします。
「2つもあるのか」と最初は気が重くなるかもしれません。気持ちはよく分かります。でも、片方が片方を支えてくれる関係だと分かれば、見え方が変わってきます。2つだからこそ、一方の勉強がもう一方の勉強にもなる——そう捉えれば、二度おいしい試験だと思えてくるはずです。
- FPは「学科+実技」の2本立て。両方6割で合格(数字は最新を確認)
- 学科=知識を幅広く問う/実技=知識の使い方を問う。実技も筆記
- 実技は団体で選べる科目が違う(資産設計提案業務・個人資産相談業務など)
- 片方だけ受かれば次回免除の「一部合格」あり(期限は要確認)
- 対策は学科を土台に、実技の過去問で「使う」練習を
理解度チェック
学科と実技の違い、どれくらいつかめたか、軽く確かめてみましょう。
FP技能検定の実技試験について、正しいものはどれか。
- 事例をもとに計算や判断をする、筆記の試験である
- 面接官の前で実際に資産運用を実演する試験である
- 学科に合格した人だけが受けられる別日の口頭試問
- パソコンを組み立てる実技作業を採点する試験である
解答は 1 じゃ。
実技は「実演」ではなく、れっきとした筆記試験。事例をもとに計算したり、適切な対応を選んだりして、知識の使い方を問われるのじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ 正解 | 事例ベースで計算・判断する筆記 |
| 2 | ✗ 誤り | 実演や面接ではない |
| 3 | ✗ 誤り | 口頭試問ではない |
| 4 | ✗ 誤り | 作業を採点する試験ではない |
要するに、実技は「FPの仕事を紙の上で疑似体験する」試験なのじゃよ。
FPの学科試験と実技試験の関係について、最も適切なものはどれか。
- 学科だけ合格すれば、実技は受けなくてもよい
- 実技だけ合格すれば、FP技能士を名乗ってよい
- 学科か実技の、どちらか一方に受かればよい
- 学科と実技の両方に合格して資格が得られる
解答は 4 じゃ。
FP技能士になるには、学科と実技の両方に合格する必要がある。どちらか一方だけでは、その級の資格は得られぬのじゃ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 学科だけでは資格にならない |
| 2 | ✗ 誤り | 実技だけでも名乗れない |
| 3 | ✗ 誤り | 片方だけでは合格にならない |
| 4 | ✓ 正解 | 両方の合格で資格が得られる |
ただし片方だけ受かれば、次回その試験が免除される一部合格はあるのじゃ。
FPの実技試験の「選べる科目」について、最も適切なものはどれか。
- 全国どの会場でも、科目は1種類に統一されている
- 実施する団体によって、選べる実技の科目が異なる
- 科目は受験者が自由に作って申告する決まりである
- 実技に科目の区別はなく、全員が同じ問題を解く
解答は 2 じゃ。
学科は共通じゃが、実技は実施団体——日本FP協会ときんざい——で選べる科目が分かれておる。自分の目的に合う科目を選べばよい。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ 誤り | 科目は1種類に統一されていない |
| 2 | ✓ 正解 | 団体で選べる科目が異なる |
| 3 | ✗ 誤り | 受験者が作るものではない |
| 4 | ✗ 誤り | 科目の区別はある |
つまり、どの切り口の事例で受けるかを、団体と科目で選ぶ、ということじゃ。
「学科と実技、こわくないかも」と思ってもらえたなら、編集部としては嬉しいです。
学科の知識も実技の使い方も、まずは1問ずつ試してみたい方は、シカクエのアプリを覗いてみるのも一つの方法です。4択を解くところから、両方の手応えを少しずつ確かめられます。
もちろん、テキストと過去問でじっくり進める独学でも、まったく問題ありません。大事なのは、学科と実技を行き来しながら、自分のペースで積み上げていくことだと思います。
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