障害認定日・事後重症とは(全体像)
障害基礎年金は、ある時点の障害の重さで支給を判断する。その判定の時点を定めたのが障害認定日。認定日には軽くても後で重くなる人もいるので、後から悪化した場合の救済として事後重症の請求が用意されている。
押さえるのは2点。
- ⭐認定日は1年6か月か症状固定の早い方 … 原則は初診日から1年6か月後だが、その前に症状が固定すればその固定日。早い方が認定日。
- 認定日請求は遡及・事後重症は遡及なし … 認定日に1級2級なら認定日にさかのぼって支給(認定日請求)。認定日に軽く、65歳前に悪化して1級2級になったら事後重症の請求で請求の翌月分から(さかのぼらない)。
⭐一番の引っかけは「認定日は必ず1年6か月後」「事後重症も遡及する」「事後重症に期限なし」。認定日は症状固定なら待たない、事後重症は遡及なしで65歳前の請求が要件。
詳しく:認定日・二つの請求を表でつかむ
ここが心臓部。「いつ判定し・どの請求でいつから出るか」は次の表に全部つまっている。
障害認定日の決め方
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 原則 | 初診日から1年6か月を経過した日 |
| 例外 | 1年6か月の経過前に症状が固定した日 |
| 採用 | 上記のいずれか早い日 |
| 意味 | 障害の重さを判定する時点 |
認定日請求と事後重症の請求
| 区分 | 認定日請求 | 事後重症の請求 |
|---|---|---|
| 前提 | 認定日に1級・2級 | 認定日は非該当 |
| 契機 | ── | 65歳前に悪化し1級・2級 |
| 支給開始 | 認定日の属する月の翌月分(時効内で遡及・直近5年分) | 請求した日の翌月分から(遡及なし) |
| 期限 | ── | 65歳到達の前日まで |
押さえどころは、①認定日は1年6か月か症状固定の早い方、②認定日請求は認定日にさかのぼる(時効内)、③事後重症は請求の翌月分から(遡及なし)で65歳前の請求が要件、の3つ。
なお、基準障害による障害基礎年金や「はじめて2級」など、後発の事情で1級・2級に至った請求も遡及なし・請求の翌月分からで、いずれも65歳前の請求が要件。
わかりやすく言い換えると
要するに「障害認定日は障害の重さを判定する基準の日」。ふつうは初診日から1年6か月後だが、その前に症状が固定したらその日。認定日に1級・2級なら、その日にさかのぼって障害基礎年金が出る(認定日請求)。
つまり、引っかけられやすいのは2つ。1つ目は「認定日は必ず初診日から1年6か月後」と思い込むこと。実際は症状が固定すれば1年6か月を待たずその固定日。2つ目は「事後重症も認定日にさかのぼる」と思い込むこと。実際は請求の翌月分からで過去にはさかのぼらず、しかも65歳到達の前日までに請求しないといけない。
試験のツボ
🔴 一番出る:障害認定日の決め方
①原則は初診日から1年6か月を経過した日
②1年6か月の経過前に症状が固定すればその日(早い方が認定日・必ず1年6か月後ではない)
🔴 次に出る:認定日請求と事後重症の遡及差
①認定日に1級・2級なら認定日請求=認定日にさかのぼる(時効内・直近5年分)
②事後重症は請求した日の翌月分から(過去にさかのぼらない)
🟡 押さえると安定:事後重症の期限
①事後重症は認定日非該当→65歳到達の前日までに悪化して1級・2級
②65歳前の請求が要件(基準障害・はじめて2級なども遡及なし・65歳前)
よくある間違い
①「障害認定日は必ず初診日から1年6か月を経過した日である」→ ✗ 1年6か月の経過前に症状が固定したときは、その固定した日が障害認定日(早い方)。
②「事後重症の請求でも障害認定日にさかのぼって支給される」→ ✗ 事後重症の支給は請求した日の翌月分からで、認定日にはさかのぼらない(遡及するのは認定日請求)。
③「事後重症の請求に期限はなく何歳でも請求できる」→ ✗ 事後重症の請求は65歳到達の前日までに行う必要がある。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(障害認定日)
国民年金の障害認定日に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 障害認定日は、症状が固定したか否かにかかわらず、常に初診日から厳密に3年を経過した日とされている
- 障害認定日は、初診日から1年6か月を経過した日か、その前に症状が固定した日のいずれか早い日である
- 障害認定日は、受給者が障害基礎年金の請求書を提出した日に自動的に確定するものとされている
- 障害認定日は、初診日にかかわらず受給者が65歳に到達した日に一律に定められているものとされる
解答は 2 だよ。
障害認定日は、初診日から1年6か月を経過した日か、その前に症状が固定した日のいずれか早い日なんだ。
選択肢1の「3年」、選択肢3の「請求日」、選択肢4の「65歳」は、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 3年ではなく1年6か月か症状固定の早い方 |
| 2 | ✓ | 1年6か月か症状固定の早い日で正しい |
| 3 | ✗ | 請求書を提出した日に確定するものではない |
| 4 | ✗ | 65歳に一律で定められるものではない |
オリジナル問題2(認定日請求と事後重症)
障害基礎年金の認定日請求と事後重症に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 認定日請求は請求の翌月分からで、事後重症は認定日にさかのぼって支給されるものとされている
- 認定日請求も事後重症も、いずれも障害認定日に一律にさかのぼって支給されるものとされている
- 認定日請求も事後重症も、いずれも請求した日の翌月分からのみ支給されるものとされているものである
- 認定日請求は認定日にさかのぼり、事後重症は請求した日の翌月分から支給されるものとされている
解答は 4 だっ。
認定日請求は認定日にさかのぼり、事後重症は請求した日の翌月分からだっ。
選択肢1の「逆」、選択肢2の「両方遡及」、選択肢3の「両方翌月分のみ」は、いずれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 遡及するのは認定日請求の方で逆である |
| 2 | ✗ | 事後重症は遡及しない |
| 3 | ✗ | 認定日請求は認定日にさかのぼる |
| 4 | ✓ | 認定日請求は遡及・事後重症は翌月分からで正しい |
オリジナル問題3(事後重症の請求期限)
事後重症の請求の要件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 事後重症の請求は、60歳到達の前日までに行わなければいっさい認められないものとされている
- 事後重症の請求は、期限の定めがなく、何歳になってからでも自由に行えるものとされているものである
- 事後重症の請求は、65歳到達の前日までに症状が悪化し1級2級に至ったときに行うものとされている
- 事後重症の請求は、障害認定日に1級2級に該当していた者だけが行えるものとされているものである
解答は 3 である。
事後重症の請求は、65歳到達の前日までに症状が悪化して1級・2級に至ったときに行う。
選択肢1の「60歳」、選択肢2の「期限なし」、選択肢4の「認定日に該当した者だけ」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 60歳ではなく65歳到達の前日までである |
| 2 | ✗ | 65歳到達の前日までという期限がある |
| 3 | ✓ | 65歳前に悪化し1級2級に至ったとき行うで正しい |
| 4 | ✗ | 認定日に非該当の者が行うのが事後重症である |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 障害認定日 = 初診日から1年6か月を経過した日、または1年6か月の経過前に症状が固定した日のいずれか早い日。
- 🔴 二つの請求の遡及差 = 認定日に1級・2級なら認定日請求で認定日にさかのぼる(時効内・直近5年分)。認定日非該当で65歳前に悪化なら事後重症の請求で請求の翌月分から(遡及なし)。
- 🟡 事後重症の期限 = 65歳到達の前日までの請求が要件。基準障害・はじめて2級なども後発の請求で遡及なし・65歳前。
次に学ぶ
- 障害基礎年金 ── 認定日に判定された等級で支給される本体給付。
- 20歳前傷病による障害基礎年金 ── 20歳到達日などが認定日となる類型。
- 老齢基礎年金 ── 65歳が事後重症請求の期限の基準になる。
執筆: SikakuQuest編集部