障害基礎年金とは(全体像)
病気やけがで一定以上の障害が残ると、働いて収入を得るのが難しくなる。そこで、被保険者期間中などに初診日のある傷病で重い障害の状態になった人に、年齢にかかわらず基礎年金を支給して生活を支えるのが障害基礎年金。
押さえるのは2点。
- ⭐三要件で支給 … 初診日要件・保険料納付要件・障害認定日の等級(1級または2級)の三つがそろうと支給される。
- 1級は2級の1.25倍・3級なし … 2級は老齢基礎年金の満額と同水準、1級はその1.25倍。子の加算もある。障害基礎年金は1級・2級のみで3級はない。
⭐一番の引っかけは「納付要件は3分の2原則だけ」「1級2級は同額」「基礎にも3級」。納付要件には直近1年特例、1級は1.25倍、3級は障害厚生年金のみ。
詳しく:三要件・額と等級・3級なしを表でつかむ
ここが心臓部。「どんな要件で・いくら・等級はどうか」は次の表に全部つまっている。
障害基礎年金の支給要件(三要件)
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 初診日要件 | 初診日に被保険者等であること |
| 納付(原則) | 被保険者期間の3分の2以上が納付済・免除 |
| 納付(特例) | 初診日が令和18年3月末まで・初診日に65歳未満なら直近1年間に未納なし |
| 障害認定日 | 障害認定日に1級または2級に該当 |
額と等級・子の加算・3級なし
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 2級 | 老齢基礎年金の満額と同水準(額は年度改定・受験年度の最新を確認) |
| 1級 | 2級の1.25倍 |
| 子の加算 | 一定の子がいると加算(2人目までと3人目以降で単価が異なる) |
| 等級 | 障害基礎年金は1級・2級のみ(3級は障害厚生年金にのみ) |
押さえどころは、①三要件は初診日・保険料納付(3分の2原則または直近1年特例)・障害認定日に1級2級、②1級は2級の1.25倍・子の加算あり、③障害基礎年金に3級なし(3級は障害厚生年金)、の3つ。
わかりやすく言い換えると
要するに「年金に入っている間などに初めて医者にかかった病気やけがで、一定の重い障害(1級・2級)が残ったときに出る年金」。受け取るには、初診日に被保険者であること、保険料をきちんと納めてきたこと(おおむね3分の2以上、または直近1年に未納なし)、認定日に1級か2級であること、の三つがそろう必要がある。
つまり、引っかけられやすいのは2つ。1つ目は「1級も2級も同額」と思い込むこと。実際は1級は2級の1.25倍で、子がいると加算される。2つ目は「障害基礎年金にも3級がある」と思い込むこと。実際は1級・2級のみで、3級は障害厚生年金にのみある。
試験のツボ
🔴 一番出る:三つの支給要件
①初診日要件(初診日に被保険者等)・障害認定日に1級または2級
②保険料納付要件は3分の2原則のほか、直近1年特例(初診日が令和18年3月末まで・初診日に65歳未満)もある
🔴 次に出る:額と等級・子の加算
①2級は老齢基礎年金の満額と同水準、1級は2級の1.25倍(同額ではない)
②一定の子がいれば子の加算(2人目までと3人目以降で単価が異なる)
🟡 押さえると安定:3級なしの差別化
①障害基礎年金は1級・2級のみで3級はない
②3級と障害手当金は障害厚生年金にのみ設けられている
よくある間違い
①「障害基礎年金の保険料納付要件は3分の2以上の原則しかない」→ ✗ 原則の3分の2を満たさなくても、初診日が令和18年3月末までで初診日に65歳未満なら直近1年間に未納がない特例で満たす。
②「障害基礎年金は1級も2級も同額である」→ ✗ 1級は2級の1.25倍。さらに一定の子がいれば子の加算が行われる。
③「障害基礎年金にも3級があり障害厚生年金と同じ等級である」→ ✗ 障害基礎年金は1級・2級のみで、3級は障害厚生年金にのみ設けられている。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(支給要件)
国民年金の障害基礎年金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 障害基礎年金は、初診日と保険料納付の要件を満たし、障害認定日に1級2級該当の者に支給される
- 障害基礎年金は、初診日や保険料納付の状況を問わず、障害状態にある全ての者へ一律に支給される
- 障害基礎年金は、障害等級が3級以上であれば、初診日要件を満たさなくても支給されるものとされる
- 障害基礎年金は、65歳到達により老齢基礎年金へ自動的に切り替わって支給されるものとされている
解答は 1 だよ。
障害基礎年金は、初診日要件・保険料納付要件を満たし、障害認定日に1級または2級に該当する者に支給されるんだ。
選択肢2の「要件を問わず一律」、選択肢3の「3級で初診日不問」、選択肢4の「老齢へ自動切替」は、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 三要件を満たす者に支給で正しい |
| 2 | ✗ | 要件を満たすことが必須で一律支給ではない |
| 3 | ✗ | 3級は障害厚生年金で初診日要件も必要 |
| 4 | ✗ | 老齢基礎年金へ自動切替されるものではない |
オリジナル問題2(額と子の加算)
障害基礎年金の額と加算に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 障害基礎年金の額は等級を問わず一律で、子の人数にかかわらず加算はいっさい行われない
- 障害基礎年金の1級は2級の0.75倍に減額され、子の加算もいっさい行われないものとされている
- 障害基礎年金の額は受給者の所得の多寡に応じて毎年広く変動し、等級とは無関係に決まるものとされる
- 障害基礎年金の1級は2級の1.25倍で、一定の子がいれば子の加算が行われるものとされている
解答は 4 だっ。
障害基礎年金の1級は2級の1.25倍で、一定の子がいれば子の加算が行われるんだっ。
選択肢1の「一律・加算なし」、選択肢2の「0.75倍」、選択肢3の「所得で変動」は、いずれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 等級で額が異なり子の加算もある |
| 2 | ✗ | 1級は2級の1.25倍で減額ではない |
| 3 | ✗ | 等級で決まり所得で広く変動するものではない |
| 4 | ✓ | 1級は2級の1.25倍・子の加算ありで正しい |
オリジナル問題3(3級なしの差別化)
障害基礎年金の等級に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 障害基礎年金は1級から3級まで等級があり、3級も障害厚生年金と同じく支給されるものとされる
- 障害基礎年金は1級・2級のみで3級はなく、3級は障害厚生年金にのみ設けられているとされる
- 障害基礎年金は等級の区分がなく、障害の有無のみで支給の可否が判定されるものとされている
- 障害基礎年金には等級があるが障害厚生年金には等級がなく、国民年金の側にのみ等級がある
解答は 2 である。
障害基礎年金は1級・2級のみで3級はなく、3級は障害厚生年金にのみ設けられている。
選択肢1の「基礎にも3級」、選択肢3の「等級なし」、選択肢4の「厚生に等級なし」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 障害基礎年金には3級はない |
| 2 | ✓ | 基礎は1級2級のみ・3級は障害厚生年金で正しい |
| 3 | ✗ | 1級・2級という等級の区分がある |
| 4 | ✗ | 障害厚生年金にも等級がある |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 支給要件 = 初診日要件(初診日に被保険者等)、保険料納付要件(3分の2原則または初診日が令和18年3月末まで・65歳未満なら直近1年特例)、障害認定日に1級または2級。
- 🔴 額と等級・子の加算 = 2級は老齢基礎年金の満額と同水準、1級は2級の1.25倍。一定の子がいれば子の加算(2人目までと3人目以降で単価が異なる)。
- 🟡 3級なしの差別化 = 障害基礎年金は1級・2級のみ。3級と障害手当金は障害厚生年金にのみ設けられている。
次に学ぶ
- 障害認定日・事後重症 ── 障害の程度を判定する時点と、遅れて重くなった場合の扱い。
- 20歳前傷病による障害基礎年金 ── 保険料納付要件の例外となる類型。
- 老齢基礎年金 ── 2級の額が満額と同水準という比較の基準。
執筆: SikakuQuest編集部