老齢基礎年金とは(全体像)
国民年金は、すべての人に老後の基礎的な所得を保障するための制度。その中心が、一定期間加入した人に65歳から支給される老齢基礎年金。
押さえるのは2点。
- 要件は65歳+10年 … 受給資格期間(保険料を納めた期間・免除期間・合算対象期間などの合計)が10年以上ある人に、原則65歳から支給。
- 満額は40年納付が前提・生年で2区分 … 満額は40年(480月)すべて納めた場合の額。生年によって2区分され、実際の額は納付月数の割合で決まる。
65歳より早く受けたいなら繰上げ(減額)、遅らせたいなら繰下げ(増額)という選択もある。
詳しく:要件・満額・10年化を表でつかむ
ここが心臓部。「どんな要件で・いくら・どう変わったか」は次の表に全部つまっている。
老齢基礎年金の全体像
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | 原則65歳から(前は繰上げ減額・後は繰下げ増額) |
| 受給資格期間 | 10年以上(納付済・免除・合算対象などの合計) |
| 満額 | 40年(480月)納付が前提(実際は納付月数の割合で決まる) |
| 満額の区分 | 生年で2区分(毎年度改定・受験年度の最新額を確認) |
| 改定 | 物価・賃金の変動+マクロ経済スライドで調整 |
| 受給資格期間の短縮 | 2017年8月に25年以上 → 10年以上へ |
押さえどころは、①要件は受給資格期間10年以上+原則65歳(60歳から当然支給ではない)、②満額は40年納付が前提で生年により2区分(全員同額ではない)、③受給資格期間は2017年8月に25年→10年へ短縮、の3つ。
満額の2区分は、世代間の給付水準の調整(マクロ経済スライドなどの反映)で生じる。具体的な金額は毎年度改定されるため、受験年度の最新額を確認する。
わかりやすく言い換えると
要するに「国民年金の土台となる老後の年金」。受給資格期間が10年以上ある人に、65歳から出る。
つまり、引っかけられやすいのは2つ。1つ目は「受給資格期間を満たせば60歳から当然もらえる」と思い込むこと。実際は原則65歳から(早めたいなら繰上げで減額)。2つ目は「満額は誰でも同じ額」と思い込むこと。満額は生年で2区分され、しかも40年納めた場合の額。昔は25年加入しないともらえなかったが、2017年8月から10年でもらえるようになった。
試験のツボ
🔴 一番出る:要件は受給資格期間10年以上+原則65歳
①受給資格期間が10年以上(納付済・免除・合算対象などの合計)
②原則65歳から(60歳から当然支給ではない・前は繰上げ減額/後は繰下げ増額)
🔴 次に出る:満額は40年納付が前提・生年で2区分
①満額は40年(480月)すべて納めた場合の額(実際は納付月数の割合で決まる)
②満額は生年により2区分される(全員同額ではない・金額は受験年度で確認)
🟡 押さえると安定:受給資格期間の短縮
①2017年8月に25年以上から10年以上へ短縮
②年金額は物価・賃金の変動+マクロ経済スライドで改定
よくある間違い
①「満額は生年にかかわらず全員同額」→ ✗ 満額は生年により2区分される(金額は毎年度改定されるので受験年度で確認)。
②「受給資格期間は現在も原則25年以上」→ ✗ 2017年8月に25年以上から10年以上へ短縮された。
③「受給資格期間を満たせば60歳から当然支給」→ ✗ 原則65歳から(早めたいなら繰上げで減額になる)。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(支給要件)
国民年金の老齢基礎年金の支給要件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 老齢基礎年金は、受給資格期間を満たせば60歳から当然に支給が開始されるものとされている
- 老齢基礎年金は、受給資格期間が10年以上ある者に、原則65歳から支給されるものとされている
- 老齢基礎年金は、保険料納付済期間が25年以上ある場合に限り支給されるものとされているものである
- 老齢基礎年金は、要件を問わず、日本国民であれば一律に70歳から支給されるものとされているものである
解答は 2 だよ。
老齢基礎年金は、受給資格期間が10年以上ある人に、原則65歳から支給されるんだ。
選択肢1の「60歳から当然」、選択肢3の「25年以上」、選択肢4の「70歳から一律」は、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 原則65歳からで60歳から当然ではない |
| 2 | ✓ | 受給資格期間10年以上・原則65歳から |
| 3 | ✗ | 25年ではなく10年で支給される |
| 4 | ✗ | 一律70歳ではなく原則65歳である |
オリジナル問題2(満額)
老齢基礎年金の満額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 満額は、受給者の生年や納付状況にかかわらず、全員で完全に同一の金額となるものとされている
- 満額は、本人の所得に比例して算定され、高所得者ほど高い額になるものとされているものである
- 満額は40年(480月)すべて納めた場合を前提とし、生年により2区分されるものとされている
- 満額は、毎年度かならず物価の上昇分だけ増額され、減額はいっさいされないものとされているものである
解答は 3 だっ。
満額は40年(480月)の納付が前提で、生年により2区分されるんだっ。全員同額でも、所得比例でもないっ。
選択肢1の「全員同額」、選択肢2の「所得に比例」、選択肢4の「必ず増額・減額なし」は、いずれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 満額は生年により2区分される |
| 2 | ✗ | 所得比例ではなく定額が原則である |
| 3 | ✓ | 40年納付が前提・生年で2区分で正しい |
| 4 | ✗ | マクロ経済スライドで調整され必ず増額ではない |
オリジナル問題3(受給資格期間の短縮)
老齢基礎年金の受給資格期間の改正に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 受給資格期間は、2017年8月に25年以上から10年以上へと短縮されたものとされている
- 受給資格期間は、現在も改正前と同じく原則25年以上が必要であるものとされている
- 受給資格期間は、2017年8月に25年以上へと引き上げられたものとされているものである
- 受給資格期間は、制度上いっさい定められておらず、誰でも受給できるものとされているものである
解答は 1 である。
受給資格期間は、2017年8月に25年以上から10年以上へ短縮された。これで多くの無年金になるはずだった人が救済された。
選択肢2の「現在も25年」、選択肢3の「引き上げ」、選択肢4の「定めなし」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 2017年8月に25年→10年へ短縮で正しい |
| 2 | ✗ | 現在は10年以上に短縮されている |
| 3 | ✗ | 引き上げではなく短縮された |
| 4 | ✗ | 10年以上の受給資格期間が必要である |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 支給要件 = 受給資格期間10年以上ある人に原則65歳から(前は繰上げ減額・後は繰下げ増額)。
- 🔴 満額 = 40年(480月)納付が前提で、生年により2区分。実際の額は納付月数の割合で決まる(金額は受験年度で確認)。
- 🟡 受給資格期間の短縮と改定 = 2017年8月に25年以上→10年以上へ短縮。年金額は物価・賃金+マクロ経済スライドで改定。
次に学ぶ
- 受給資格期間 ── 老齢基礎年金を受けるために満たすべき加入などの期間。
- 年金額の計算 ── 満額に納付月数の割合を掛けて実際の額を求める方法。
- 繰上げ支給 ── 65歳より前に受給開始を早めて減額する選択。
執筆: SikakuQuest編集部