最低賃金改定とは(全体像)
最低賃金(地域別最低賃金)は毎年度見直され、おおむね10月前後から各都道府県で順次適用される。2024年度の改定では、全国加重平均が1,055円となり、前年度の1,004円から51円・約5.1%引き上げられた(近年でも過去最大級の幅)。
押さえるのは2点。
- 都道府県ごとに違う … 最低賃金は全国一律ではなく都道府県ごとに定められ、都市部で高く地方で低い。全体は全国加重平均額でみる。
- 目標を超えて、さらに上へ … 2023年度に政府目標「全国加重平均1,000円」を達成し、いまは「2020年代に全国平均1,500円」という目標が掲げられている。
物価上昇・賃上げ機運・人手不足が重なり、近年の引上げは加速している。金額そのものは年々動くため、受験する年の最新額を確認したい。
詳しく:改定内容・格差・目標を表でつかむ
ここが心臓部。「いくら上がり、なぜ地域差があり、どこを目指すか」は次の表に全部つまっている。
2024年度(令和6年度)の改定内容
| 区分 | 内容(2024年度の値・受験年度の最新を確認) |
|---|---|
| 全国加重平均額 | 1,055円 |
| 前年度(2023年度) | 1,004円 |
| 引上げ額/率 | 51円/約5.1%(過去最大級) |
| 適用 | 2024年10月から各都道府県で順次 |
地域差と政府目標
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 地域差 | 都道府県ごとに額が異なる(都市部で高く地方で低い) |
| 全体把握 | 全国加重平均額でみる |
| 政府目標(達成) | 2023年度に「全国加重平均1,000円」を達成(1,004円) |
| 政府目標(今後) | 「2020年代に全国平均1,500円」 |
押さえどころは、①2024年度は1,055円・51円・約5.1%(過去最大級・2024年10月適用)、②最低賃金は都道府県別で都市部高・地方低(全国一律ではない)、③2023年度に1,000円達成、さらに1,500円目標、の3つ。
⚠️一番の引っかけは「1,055円(2024年度の実績)」と「1,500円(今後の目標)」の取り違え。金額は年々動くため、受験する年の最新を確認する。
わかりやすく言い換えると
要するに「2024年度の最低賃金が、過去最大級に上がった」ということ。全国平均で1,055円になり、前の年(1,004円)より51円、率にして約5.1%上がった。
つまり、引っかけられやすいのは2つ。1つ目は「全国一律の額」と思い込むこと。実際は都道府県ごとに違い、都市部は高く地方は低い。2つ目は「1,500円に達した」と思い込むこと。1,055円は2024年度の実績で、1,500円はこれから目指す目標。1,000円目標はすでに2023年度に達成している。
試験のツボ
🔴 一番出る:2024年度の改定内容
①全国加重平均1,055円・前年度1,004円から51円・約5.1%(過去最大級)
②2024年10月から各都道府県で順次適用(具体額は受験年度の最新を確認)
🔴 次に出る:都道府県ごとに額が異なる
①最低賃金は全国一律ではなく都道府県ごとに定められる
②都市部で高く地方で低い。全体は全国加重平均額でみる
🟡 押さえると安定:政府目標
①2023年度に「全国加重平均1,000円」を達成(1,004円)
②さらに「2020年代に全国平均1,500円」を掲げる(1,055円は実績・1,500円は目標)
よくある間違い
①「2024年度の全国加重平均は1,500円に達した」→ ✗ 2024年度の実績は1,055円。1,500円は今後に向けた政府目標で、2024年度の実績ではない。
②「最低賃金は全国一律の額」→ ✗ 都道府県ごとに額が定められ、都市部で高く地方で低い。全体は全国加重平均額でみる。
③「政府目標1,000円はまだ達成されていない」→ ✗ 1,000円目標は2023年度(1,004円)に達成済み。現在はその先の1,500円目標。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(2024年度の改定内容)
2024年度(令和6年度)の最低賃金改定の内容に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 全国加重平均は据え置かれ、前年度の1,004円から金額に変更はなかったものとされているものである
- 全国加重平均は1,500円ちょうどとなり、これにより政府目標を一気に達成したものとして公表されたものとされている
- 全国加重平均は1,055円となり、前年度の1,004円から51円・約5.1%引き上げられたものとされている
- 全国加重平均は900円台にとどまり、政府目標の1,000円には届かなかったものとされているものである
解答は 3 だよ。
2024年度の全国加重平均は1,055円で、前年度(1,004円)から51円・約5.1%引き上げられたんだ(過去最大級)。
選択肢1の「据え置き」、選択肢2の「1,500円達成」、選択肢4の「900円台」は、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 据え置きではなく51円引き上げられた |
| 2 | ✗ | 1,055円であり1,500円は今後の目標である |
| 3 | ✓ | 1,055円・51円・約5.1%引上げで正しい |
| 4 | ✗ | 900円台ではなく1,000円を超えている |
オリジナル問題2(地域差)
最低賃金の地域差に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 最低賃金は都道府県ごとに額が定められ、都市部で高く地方で低いという格差があるものとされている
- 最低賃金は全国一律の単一の額として定められ、地域による差はいっさい設けられないものとされている
- 最低賃金は市区町村ごとに住民投票で額を定めるものとして規定されているものとされているものである
- 最低賃金は、事業者が自社の判断で自由に額を定めてよいものとして運用されているものとされている
解答は 1 だっ。
最低賃金は都道府県ごとに額が定められ、都市部で高く地方で低いという格差があるんだっ。全国一律でも、住民投票でも、事業者の自由でもないっ。
選択肢2の「全国一律」、選択肢3の「住民投票」、選択肢4の「事業者の自由」は、いずれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 都道府県ごと・都市部高・地方低の格差がある |
| 2 | ✗ | 全国一律ではなく地域差がある |
| 3 | ✗ | 市区町村の住民投票で定める制度ではない |
| 4 | ✗ | 事業者が自由に定めるものではない |
オリジナル問題3(政府目標)
最低賃金に関する政府目標に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 政府目標「全国加重平均1,000円」は、いまだ達成されておらず、2024年度時点で未達であるものとされている
- 政府は最低賃金を引き下げる目標を掲げており、近年は段階的な引下げが続いているものとされているものである
- 政府目標は全国加重平均500円であり、現在の水準はその目標を大きく上回っているものとされているものである
- 2023年度に1,000円目標を達成し、「2020年代に全国平均1,500円」が掲げられているとされている
解答は 4 である。
政府目標「全国加重平均1,000円」は2023年度(1,004円)に達成され、さらに「2020年代に全国平均1,500円」が掲げられている。
選択肢1の「1,000円未達」、選択肢2の「引下げ目標」、選択肢3の「500円目標」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 1,000円目標は2023年度に達成済みである |
| 2 | ✗ | 引下げではなく引上げの目標である |
| 3 | ✗ | 500円という目標ではない |
| 4 | ✓ | 2023年度に1,000円達成・1,500円目標で正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 2024年度の改定内容 = 全国加重平均1,055円・51円・約5.1%(過去最大級)・2024年10月から順次適用(具体額は受験年度の最新を確認)。
- 🔴 地域差 = 都道府県ごとに額が異なり都市部で高く地方で低い。全体は全国加重平均額でみる。
- 🟡 政府目標 = 2023年度に1,000円を達成(1,004円)。さらに「2020年代に全国平均1,500円」(1,055円は実績・1,500円は目標)。
次に学ぶ
- 最低賃金改定率 ── 前年からどれだけ上がったかという「対前年引上げ率」の見方。
- 地域別最低賃金 ── 都道府県ごとに定められる額と全国加重平均額の関係。
- 最低賃金 ── 賃金の下限額という制度の基本。
執筆: SikakuQuest編集部