最低賃金改定率とは(全体像)
最低賃金(地域別最低賃金)は毎年度見直され、その「前年からの上がり幅(率・額)」が改定率。厚生労働省が「地域別最低賃金改定状況」で公表する。
押さえるのは2点。
- ⭐決め方(国が一律ではない) … 中央最低賃金審議会が引上げの目安を答申し、各都道府県の地方最低賃金審議会の審議を経て各労働局長が改定。毎年10月前後に適用。都道府県ごとに額が違うのはこの仕組みによる。
- 近年の動き … 政府目標「全国加重平均1,000円」を2023年度(1,004円)に達成。物価上昇・賃上げ機運・人手不足の3要因が重なり、近年は過去最大級の引上げが続く。
具体的な改定率・額は毎年度変わるので、受験年度の最新を確認する。
詳しく:改定の手続きと近年の動きを表でつかむ
ここが心臓部。「誰がどう決め、近年どう動いてきたか」は次の表に全部つまっている。
最低賃金改定の手続き(国が一律に決めるのではない)
| ステップ | 主体・内容 |
|---|---|
| 目安答申 | 中央最低賃金審議会が引上げの目安を答申 |
| 地域審議 | 地方最低賃金審議会が地域ごとに審議・答申 |
| 改定 | 各都道府県労働局長が改定額を決定・公示 |
| 適用 | 毎年10月前後から新しい額が適用される |
| 公表 | 厚生労働省「地域別最低賃金改定状況」で公表 |
近年の動き(全国加重平均・受験年度の最新を確認)
| 年度 | 内容 |
|---|---|
| 2022年度 | 961円(まだ1,000円に届かず) |
| 2023年度(令和5年度) | 1,004円で政府目標「全国加重平均1,000円」を達成 |
| 2024年度(令和6年度) | 1,055円・51円・約5.1%(過去最大級) |
| 2025年度(令和7年度) | 1,121円・66円・約6.3% |
押さえどころは、①改定は目安答申→都道府県改定→10月前後適用(大臣が全国一律に決めるのではない)、②政府目標1,000円の達成は2023年度(1,004円)で2022年度(961円)ではない、③改定率・額は毎年度変わるので受験年度の最新を確認、の3つ。
近年の急騰は、物価上昇・賃上げ機運・人手不足の3要因が重なった結果。
わかりやすく言い換えると
要するに「最低賃金が『去年より何円・何%上がったか』を示す数字」。
つまり、引っかけられやすいのは2つ。1つ目は「国(大臣)が全国一律に決める」と思い込むこと。実際は中央最低賃金審議会が目安を答申し、各都道府県が地域の額を決める(だから地域差がある)。適用は毎年10月前後。2つ目は「1,000円突破は2022年度」と思い込むこと。実際は2023年度(1,004円)に達成、2022年度は961円。
試験のツボ
🔴 一番出る:改定の手続き(国が一律に決めるのではない)
①中央最低賃金審議会が引上げの目安を答申 → 各都道府県が改定
②毎年10月前後に適用(大臣が全国一律・4月適用ではない)
🔴 次に出る:1,000円達成の年度
①政府目標「全国加重平均1,000円」は2023年度(令和5年度・1,004円)に達成
②2022年度は961円でまだ届いていなかった(達成年度を取り違えない)
🟡 押さえると安定:最新値は受験年度確認
①改定率・額は毎年度変わる(2024年度は1,055円・約5.1%、2025年度は1,121円・約6.3%)
②近年の急騰は物価上昇・賃上げ機運・人手不足の3要因
よくある間違い
①「最低賃金は厚生労働大臣が全国一律に決める」→ ✗ 中央最低賃金審議会の目安答申を経て各都道府県が改定する。だから都道府県ごとに額が違う。
②「全国加重平均1,000円は2022年度に突破した」→ ✗ 突破は2023年度(1,004円)。2022年度は961円でまだ届いていなかった。
③「最新の改定率は約5.1%だと覚えておけばよい」→ ✗ 約5.1%は2024年度の値。改定率・額は毎年度変わるので、受験年度の最新を確認する。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(改定の手続き)
最低賃金の改定手続きに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 最低賃金の改定は、厚生労働大臣が全国一律の額として決定し、毎年4月1日から全国で一斉に適用が始まるものとされる
- 最低賃金の改定は、地方公共団体の議会が地域ごとに独自に議決して行うものとして定められているものである
- 最低賃金の改定は、中央最低賃金審議会の目安答申を経て各都道府県が行い、毎年10月前後に適用が始まるものとされる
- 最低賃金の改定率は、内閣が予算編成と同時に全国一律の引上げ率として決定するものとされているものである
解答は 3 だよ。
改定は、中央最低賃金審議会の目安答申を経て各都道府県が行い、毎年10月前後に適用が始まるんだ。国が一律に決めるのではないよ。
選択肢1の「大臣が一律・4月適用」、選択肢2の「地方議会が議決」、選択肢4の「内閣が一律決定」は、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 大臣の一律決定・4月適用ではなく都道府県改定・10月前後 |
| 2 | ✗ | 地方議会が議決する制度ではない |
| 3 | ✓ | 目安答申→都道府県改定→毎年10月前後適用で正しい |
| 4 | ✗ | 内閣が予算と同時に一律決定する制度ではない |
オリジナル問題2(1,000円の達成年度)
政府目標「全国加重平均1,000円」の達成に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 2023年度(令和5年度)の改定で全国加重平均1,004円となり、政府目標を初めて達成したものとされている
- 2022年度に初めて全国加重平均額が1,000円台に到達し、政府目標を達成したものとされているものである
- 1,000円目標は2026年度以降に達成される見込みであり、いまだ達成には至っていないとされている
- 2024年度の改定で初めて1,000円台となり、2023年度は999円で目標に届かなかったものとされている
解答は 1 だっ。
政府目標「全国加重平均1,000円」は、2023年度(令和5年度)に1,004円で達成されたんだっ。2022年度は961円でまだ届いていなかったから、達成年度の取り違えに注意だっ。
選択肢2の「2022年度に達成」、選択肢3の「いまだ未達」、選択肢4の「2023年度は999円」は、いずれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 2023年度に全国加重平均1,004円で目標達成で正しい |
| 2 | ✗ | 2022年度は961円であり1,000円台ではない |
| 3 | ✗ | すでに2023年度に達成済みである |
| 4 | ✗ | 2023年度に1,004円で達成しており999円ではない |
オリジナル問題3(近年の改定内容)
近年の地域別最低賃金の改定内容に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 2024年度(令和6年度)の全国加重平均は1,004円・43円引上げで、これは目標達成年度の値であるとされる
- 近年の最低賃金の改定率は長く据え置かれた状態が続いており、引上げはほとんど行われていないとされる
- 近年の最低賃金はむしろ引き下げが続いており、全国加重平均は毎年度のように低下しているとされる
- 2024年度の全国加重平均は1,055円・51円・約5.1%で過去最大級の引上げ幅であったとされる
解答は 4 である。
2024年度(令和6年度)の全国加重平均は1,055円・51円・約5.1%で、過去最大級の引上げ幅であった(1,004円・43円は2023年度の値)。
選択肢1の「1,004円は2024年度」、選択肢2の「据え置き」、選択肢3の「引き下げ」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 1,004円・43円は2023年度の値で2024年度ではない |
| 2 | ✗ | 据え置きではなく近年は過去最大級の引上げが続く |
| 3 | ✗ | 引き下げではなく上昇している |
| 4 | ✓ | 2024年度は1,055円・51円・約5.1%・過去最大級で正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 改定の手続き = 中央最低賃金審議会の目安答申 → 各都道府県の改定 → 毎年10月前後適用(大臣が全国一律に決めるのではない)。
- 🔴 1,000円達成の年度 = 政府目標「全国加重平均1,000円」は2023年度(1,004円)に達成。2022年度(961円)ではない。
- 🟡 最新値は受験年度確認 = 改定率・額は毎年度変わる(2024年度1,055円・約5.1%、2025年度1,121円・約6.3%)。急騰は物価上昇・賃上げ機運・人手不足の3要因。
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執筆: SikakuQuest編集部