年金の支給・受給権の保護とは(全体像)
年金は高齢期や障害・遺族の生活を支える命綱。だから、定期的に届き、第三者に取り上げられないことが大切。そこで支給の時期・方法と、受給権を守るルールが定められている。
押さえるのは2点。
- 支給は偶数月15日に前2か月分の後払い … 毎月でも当月分でもない。6月15日に4月・5月分、というイメージ。
- 受給権は譲渡・担保・差押が原則禁止 … 命綱を本人に確実に届けるための保護。ただし老齢基礎年金・付加年金は税の滞納処分では差押可という例外がある。
なお、後払いのため、受給権者が亡くなったときには未払い分(未支給年金)が残ることがあり、生計を同じくしていた一定の遺族(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹など)が自己の名で請求できる。
詳しく:支給・保護・例外を表でつかむ
ここが心臓部。「いつ支給され、どう守られ、どんな例外があるか」は次の表に全部つまっている。
年金の支給
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 支給月 | 偶数月(2・4・6・8・10・12月) |
| 支給日 | 各偶数月の15日 |
| 支給内容 | その前2か月分を後払い |
| 例 | 6月15日に4月分・5月分 |
受給権の保護と例外
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 保護の3原則 | 譲り渡し・担保に供すること・差押が原則禁止 |
| 差押の例外 | 老齢基礎年金・付加年金は国税滞納処分で差押可 |
| 公課 | 給付に公課を課せない(ただし老齢基礎年金・付加年金は課しうる) |
| 支給停止 | 所得制限・併給調整などで止まることがある |
押さえどころは、①支給は偶数月15日に前2か月分の後払い(毎月・当月分ではない)、②受給権は譲渡・担保・差押が原則禁止、③例外として老齢基礎年金・付加年金は国税滞納処分で差押可、の3つ。
差押禁止は「原則」で、税金の滞納処分という限定的な例外がある。例外が「一切ない」と思い込まないことが大事。
わかりやすく言い換えると
要するに「年金は2か月に1回(偶数月の15日)まとめて後払い。受け取る権利は人に譲ったり担保にしたり差し押さえられたりしないよう守られている」ということ。
つまり、引っかけられやすいのは2つ。1つ目は「毎月もらえる」「その月の分が出る」と思い込むこと。実際は偶数月に前2か月分。2つ目は「差押は絶対にされない」と思い込むこと。老齢基礎年金・付加年金は税の滞納処分では差し押さえられる例外がある。
試験のツボ
🔴 一番出る:偶数月15日に前2か月分の後払い
①支給は偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日
②その前2か月分を後払い(毎月・当月分ではない)
🔴 次に出る:受給権は譲渡・担保・差押が原則禁止
①譲り渡し・担保に供すること・差押が原則できない(保護の3原則)
②命綱を本人に確実に届けるための保護
🟡 押さえると安定:差押の例外
①老齢基礎年金・付加年金は国税滞納処分で差押可(例外あり)
②所得制限や併給調整による支給停止もある
よくある間違い
①「年金は毎月15日にその月の分が支給される」→ ✗ 偶数月の15日に、その前2か月分を後払い(毎月・当月分ではない)。
②「年金を受ける権利は担保に入れたり差し押さえたりできる」→ ✗ 受給権は譲渡・担保供与・差押が原則禁止で守られている。
③「受給権の差押禁止には一切例外がない」→ ✗ 老齢基礎年金・付加年金は国税滞納処分では差し押さえられる例外がある。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(支給の方法)
国民年金の年金の支給に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 年金は、毎月15日にその月の分が当月払いで支給される取扱いとされているものである
- 年金は、偶数月の15日に、それぞれその前2か月分が後払いで支給される取扱いとされている
- 年金は、毎年1回まとめて年額の全額が一括で支給される取扱いとされているものである
- 年金は、奇数月の末日に、その後の2か月分がまとめて前払いで支給される取扱いとされているものである
解答は 2 だよ。
年金は偶数月の15日に、その前2か月分を後払いで支給するんだ。6月15日なら4月・5月分だよ。
選択肢1の「毎月当月払い」、選択肢3の「年1回一括」、選択肢4の「奇数月前払い」は、いずれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 毎月・当月分ではなく偶数月の後払い |
| 2 | ✓ | 偶数月15日に前2か月分の後払いで正しい |
| 3 | ✗ | 年1回の一括支給ではない |
| 4 | ✗ | 奇数月末の前払いではない |
オリジナル問題2(受給権の保護)
年金を受ける権利の保護に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 年金を受ける権利は、自由に他人へ譲渡でき、借入れの担保にも供することができるものとされる
- 年金を受ける権利は、債権者が自由に差し押さえることができる取扱いとされているものである
- 年金を受ける権利は、本人の同意があれば、常に第三者へその全部を移転できる取扱いとされている
- 年金を受ける権利は、原則として譲り渡し・担保供与・差押をすることができないものとされている
解答は 4 だっ。
年金を受ける権利は、譲り渡し・担保に供すること・差押が原則禁止で守られているんだっ。生活の命綱を本人に確実に届けるためだっ。
選択肢1の「自由に譲渡・担保」、選択肢2の「自由に差押」、選択肢3の「全部を移転」は、いずれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 譲渡も担保供与も原則できない |
| 2 | ✗ | 差押は原則禁止である |
| 3 | ✗ | 受給権は第三者へ移転できない |
| 4 | ✓ | 譲渡・担保供与・差押が原則禁止で正しい |
オリジナル問題3(差押の例外)
受給権の差押の例外に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 老齢基礎年金や付加年金を受ける権利は、国税滞納処分により差し押さえられる例外があるものとされる
- 受給権の差押禁止には例外がいっさいなく、いかなる場合も差押は認められない取扱いとされている
- すべての年金給付は、債権者の請求さえあれば当然に差押の対象になる取扱いとされているものである
- 老齢基礎年金や付加年金も含め、受給権はそのすべてを譲渡も担保供与も自由にできる取扱いとされている
解答は 1 である。
差押禁止は原則で、老齢基礎年金・付加年金を受ける権利は国税滞納処分により差し押さえられるという限定的な例外がある。
選択肢2の「例外なし」、選択肢3の「すべて差押可」、選択肢4の「譲渡・担保も自由」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 老齢基礎・付加年金は滞納処分で差押可 |
| 2 | ✗ | 差押禁止には限定的な例外がある |
| 3 | ✗ | 受給権の差押は原則禁止である |
| 4 | ✗ | 譲渡も担保供与も原則できない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 支給の方法 = 偶数月(2・4・6・8・10・12月)の15日に、その前2か月分を後払い。
- 🔴 受給権の保護 = 譲り渡し・担保供与・差押が原則禁止(保護の3原則)。
- 🟡 差押の例外と支給停止 = 老齢基礎年金・付加年金は国税滞納処分で差押可。所得制限・併給調整などの支給停止もある。
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執筆: SikakuQuest編集部