保険料率(厚年)とは(全体像)
厚生年金の保険料は、給料やボーナスを区切った「標準報酬月額・標準賞与額」に、決まった率をかけて計算する。その率が18.3%(1000分の183.00)。
ここで一番大事な対比が、国民年金との違い。
- 厚生年金 … 報酬に率(18.3%)を乗じる=報酬が高い人ほど保険料も高い(報酬比例)。
- 国民年金 … 全員が同じ定額を納める。
そしてもう一つの軸が負担の分け方。厚生年金の保険料は労使折半で、本人と会社が半分ずつ負担する。つまり、18.3%を2つに割った各9.15%がそれぞれの負担分になる。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。保険料率の中身は、次の表に全部つまっている。
厚生年金の保険料率
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 率 | 18.3%(1000分の183.00) |
| 乗じる対象 | 標準報酬月額・標準賞与額 |
| 性格 | 報酬比例(高い人ほど保険料も高い) |
| 負担 | 労使折半 → 本人9.15%・会社9.15% |
| 国年との違い | 厚年は率/国年は定額 |
率が18.3%で固定されたのには経緯がある。昔は年金財政の必要に応じて毎年率を引き上げていたが、上がり続ける不安を解消するため上限を決め、2017年9月に18.3%で打ち止めにした。以後は率を据え置き、足りない分は給付側の調整で財政の均衡を図る方式になっている。
なお細かい論点として、厚生年金基金の加入員には免除保険料率が適用され、子ども・子育て拠出金は事業主のみが別途負担する(本人は負担しない)。
わかりやすく言い換えると
要するに、こう覚えるとラク。
厚生年金は「給料に率をかける」、国民年金は「みんな同じ定額」。
そして払い方は会社と本人で半分こ。18.3%を2つに割るから、それぞれ9.15%。
試験のツボ
🔴 一番出る:率と乗じる対象
①率は18.3%(1000分の183.00)
②乗じる対象は標準報酬月額と標準賞与額(両方)
🔴 次に出る:負担の分け方
①労使折半=本人と会社が半分ずつ
②それぞれ9.15%
🟡 押さえると安定:国年との違いと固定の経緯
①厚年は率(報酬比例)/国年は定額
②率は2017年9月に18.3%で固定(今は据え置き)
よくある間違い
①「厚生年金の保険料も国民年金と同じ定額」→ ✗ 厚生年金は標準報酬月額・標準賞与額に18.3%を乗じる報酬比例。定額は国民年金。
②「保険料率は今も毎年上がり続けている」→ ✗ 2017年9月に18.3%で固定された。今は据え置き。
③「保険料は本人が全額負担」→ ✗ 労使折半で、本人と会社がそれぞれ9.15%ずつ。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(率と対象)
厚生年金の保険料率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 厚生年金の保険料は被保険者ごとに一律の定額で決まり報酬の額には一切左右されないものとされる
- 厚生年金の保険料率は1000分の183.00で標準報酬月額と標準賞与額に乗じるものとされる
- 厚生年金の保険料率は標準報酬月額にのみ乗じ標準賞与額には一切乗じないものとされている
- 厚生年金の保険料率は1000分の91.50で標準報酬月額のみに乗じるものとされている
解答は 2 だよ。
厚生年金の保険料率は18.3%(1000分の183.00)で、標準報酬月額と標準賞与額の両方に乗じるんだ。
選択肢1の「定額」は国民年金の話で、厚生年金は報酬比例だよ。選択肢3の「月額だけ」は誤りで、賞与にも乗じるんだ。選択肢4の「1000分の91.50」は本人の負担分(折半後の9.15%)で、保険料率そのものは183.00だよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 定額は国民年金。厚年は報酬比例 |
| 2 | ✓ | 183.00・両方に乗じるで正しい |
| 3 | ✗ | 標準賞与額にも乗じる |
| 4 | ✗ | 91.50は折半後の負担分。率は183.00 |
オリジナル問題2(負担の分け方)
厚生年金の保険料の負担に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 厚生年金の保険料は事業主が全額を負担し被保険者は一切これを負担しないものとされている
- 厚生年金の保険料は被保険者が全額を負担し事業主は一切これを負担しないものとされている
- 厚生年金の保険料は被保険者が3分の2を負担し事業主が残り3分の1を負担するものとされる
- 厚生年金の保険料は労使折半で被保険者と事業主がそれぞれ9.15%を負担するものとされる
解答は 4 である。
厚生年金の保険料は労使折半で、本人と会社がそれぞれ9.15%を負担する。18.3%を半分に割った数だ。
選択肢1の「会社が全額」、選択肢2の「本人が全額」、選択肢3の「3分の2と3分の1」はいずれも誤りである。負担は等しく半分ずつだ。本人の分は給与から控除され、会社が自分の分と合わせて納める。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 折半なので会社全額ではない |
| 2 | ✗ | 折半なので本人全額ではない |
| 3 | ✗ | 3分の2・3分の1ではなく半分ずつ |
| 4 | ✓ | 労使折半・各9.15%で正しい |
オリジナル問題3(率の経緯)
厚生年金の保険料率の推移に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 厚生年金の保険料率は段階的な引上げを経て2017年9月に18.3%で固定されたとされる
- 厚生年金の保険料率は制度の創設以来ただの一度も変更されたことがないものとされている
- 厚生年金の保険料率は2017年9月以後も毎年さらに引き上げられ続けているものとされている
- 厚生年金の保険料率は近年むしろ引下げが毎年延々と続く方式に改められたものとされている
解答は 1 だっ。
保険料率は昔は毎年引き上げられていたけど、段階的な引上げを経て2017年9月に18.3%で固定されたっ。今は据え置きだっ。
選択肢2の「一度も変更なし」は誤りで、過去は段階的に上がってきたっ。選択肢3の「今も毎年引上げ」も誤りで、2017年9月に止まったっ。選択肢4の「引下げが続く」も誤りで、固定であって引下げではないっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 2017年9月に18.3%固定で正しい |
| 2 | ✗ | 過去は段階的に引上げ |
| 3 | ✗ | 2017年9月に固定された |
| 4 | ✗ | 引下げではなく固定 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 率と対象 = 18.3%(1000分の183.00)を、標準報酬月額と標準賞与額に乗じる(報酬比例)。
- 🔴 負担 = 労使折半。本人と会社がそれぞれ9.15%ずつ。
- 🟡 国年との違いと経緯 = 厚年は率/国年は定額。率は2017年9月に18.3%で固定。
次に学ぶ
- 標準報酬月額(32等級) ── 保険料率を乗じる月々の基礎。給料をどう等級に区切るかが分かる。
- 標準賞与額(厚年) ── 保険料率を乗じるボーナスの基礎。月額とセットで押さえる。
- 保険料 ── 定額である国民年金の保険料。「定額か率か」で厚年と対比すると混ざらない。
執筆: SikakuQuest編集部