標準賞与額(厚年)とは(全体像)
標準賞与額(厚年)は、ボーナス(賞与)から1000円未満を切り捨てた額のこと。月々の給料だけでなくボーナスにも保険料をかけるための、計算のものさしになる。
押さえるのは、上限の数え方。
- 厚生年金 … 1か月あたり150万円が上限(同じ月の複数回は合算)。
- 健康保険 … 年度(4月〜翌3月)の累計で573万円が上限。
同じ「標準賞与額」でも、厚生年金は支給月ごと、健康保険は1年度の合計で区切る。つまり、額だけでなく数え方が違う。ここが対比の軸になる。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。標準賞与額の中身は、次の表に全部つまっている。
標準賞与額(厚年)の算定
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 算定 | 賞与額から1000円未満を切り捨て |
| 上限 | 1か月あたり150万円 |
| 同じ月に複数回 | 合算して150万円が上限 |
そして、試験の本命は健康保険との上限の対比。
厚生年金と健康保険の上限のちがい
| 項目 | 厚生年金 | 健康保険 |
|---|---|---|
| 上限の単位 | 1か月ごと | 年度の累計 |
| 上限額 | 150万円 | 573万円 |
| 区切り方 | 支給された月単位 | 4月〜翌3月の合計 |
もうひとつが2003年4月の総報酬制。それ以前のボーナスは低率の保険料がかかるだけで将来の年金には反映されなかったが、2003年4月から、ボーナスにも月々の給料と同率の保険料がかかり、その分が将来の年金(老齢厚生年金の報酬比例部分)にも反映されるようになった。
具体例で確かめる。賞与が152万3500円なら、まず1000円未満を切り捨てて152万3000円。ただし1か月150万円が上限なので、標準賞与額は150万円になる。
わかりやすく言い換えると
要するに、こう覚えるとラク。
「ボーナスも給料の一種だから、保険料の計算に入れる」。そのとき1000円未満は切り捨て。
上限の数え方は厚生年金=1か月150万/健康保険=1年で573万と、ものさしが違う。
そして2003年4月から、ボーナスにも保険料がかかり、将来の年金にも反映されるようになった。
試験のツボ
🔴 一番出る:厚年と健保の上限のちがい
①厚生年金 = 1か月あたり150万円(支給月ごと)
②健康保険 = 年度累計573万円(4月〜翌3月)
🔴 次に出る:算定のしかた
①賞与から1000円未満を切り捨て
②同じ月に複数回あれば合算して150万円が上限
🟡 押さえると安定:2003年4月の総報酬制
①それ以前は給付に反映されなかった
②2003年4月以後は賞与も保険料・給付に反映
よくある間違い
①「賞与には保険料がかからない」→ ✗ 賞与も標準賞与額として保険料の計算に入る。
②「厚年の上限も年度累計573万円」→ ✗ 厚年は1か月150万円。573万円は健康保険の年度累計。
③「賞与の保険料は年金額に反映されない」→ ✗ 2003年4月の総報酬制以後は、将来の年金にも反映される。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(算定論点)
厚生年金の標準賞与額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 標準賞与額は賞与の額に1000円未満を加算したうえ端数を切り上げた額とされる
- 標準賞与額は賞与から1000円未満を切り捨てた額で1か月150万円が上限とされる
- 賞与には保険料が一切かからず標準賞与額という概念はまったく設けられていないとされる
- 標準賞与額は賞与の額をそのまま用い上限や端数処理はまったく設けられていないとされる
解答は 2 だよ。
標準賞与額は、賞与から1000円未満を切り捨てた額で、1か月あたり150万円が上限。賞与にも保険料がかかる点と、150万円で頭打ちになる点をセットで押さえてね。
選択肢1の「切り上げ」は逆で、正しくは切り捨て。3の「保険料がかからない」も誤りで、賞与も保険料の対象。4の「上限なし」も誤りで、1か月150万円の上限があるよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 切り上げでなく切り捨て |
| 2 | ✓ | 1000円未満切り捨て・150万上限 |
| 3 | ✗ | 賞与も保険料の対象 |
| 4 | ✗ | 上限と端数処理がある |
オリジナル問題2(総報酬制論点)
賞与にかかる保険料と給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 賞与にかかる保険料は2003年4月以後も将来の給付には一切反映されないとされている
- 総報酬制は2003年4月に廃止され賞与には保険料がかからなくなったものとされている
- 賞与は制度ができてからずっと月々の報酬と全く同じ扱いを受けてきたものとされる
- 2003年4月の総報酬制により賞与も保険料がかかり将来の給付にも反映されるとされる
解答は 4 である。
2003年4月の総報酬制により、賞与にも月々の報酬と同率の保険料がかかり、その分が将来の年金(報酬比例部分)にも反映されるようになった。
選択肢1の「給付に反映されない」は2003年3月以前の話で、現在は反映される。2の「廃止」は逆で、2003年4月は導入の年。3の「ずっと同じ扱い」も誤りで、2003年4月に改められたよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 2003年4月以後は給付に反映 |
| 2 | ✗ | 廃止でなく導入 |
| 3 | ✗ | 2003年4月に改められた |
| 4 | ✓ | 2003年4月総報酬制で反映 |
オリジナル問題3(比較論点)
厚生年金と健康保険の標準賞与額の上限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 厚生年金は1か月150万円が上限で健康保険は年度累計573万円が上限とされている
- 厚生年金も健康保険も標準賞与額の上限は1か月150万円で全く同じ取扱いとされる
- 厚生年金も健康保険も標準賞与額の上限は年度累計573万円で全く同じとされる
- 厚生年金は年度累計573万円が上限で健康保険は1か月150万円が上限とされている
解答は 1 だっ。
厚生年金は1か月あたり150万円、健康保険は年度の累計で573万円が上限。上限の単位が「月」か「年度」かで違うのが要だっ!
選択肢2・3のように「両方とも同じ」は誤りで、額も数え方も違う。4は厚年と健保が逆になっているっ。厚年が月150万、健保が年度573万だっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 厚年月150・健保年度573 |
| 2 | ✗ | 健保は年度累計573万 |
| 3 | ✗ | 厚年は1か月150万 |
| 4 | ✗ | 厚年と健保が逆 |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 算定:標準賞与額(厚年)=賞与から1000円未満を切り捨てた額。1か月150万円が上限(同月複数回は合算)。
- 🔴 健保との対比:厚生年金は1か月150万円、健康保険は年度累計573万円。数え方が違う。
- 🟡 総報酬制:2003年4月から、賞与にも保険料がかかり、将来の年金にも反映される。
次に学ぶ
- 標準賞与額(健保) ── 健康保険の賞与のルール。年度累計573万円が上限。厚年(1か月150万円)との数え方の違いで押さえると混ざらない。
- 標準報酬月額(32等級) ── 月々の報酬の側を区分するしくみ。賞与とセットで保険料の土台になる。
- 厚生年金保険の被保険者 ── 標準賞与額が定まる対象は誰か、という土台。
執筆: SikakuQuest編集部