サービス運用とは(全体像)
サービス運用とは、できあがったITサービスを、日々、提供・維持していく段階のことだ。
ITサービスの一生の流れ(ライフサイクル)でいうと、企画 → 設計 → 移行(本番化)と進んだあと、実際に毎日サービスを動かし続けるのが、この「運用」の段階。お店でいえば、開店したあと、毎日営業してお客さまに対応していくところにあたる。
ここで一番のポイント。サービス運用には、「インシデント管理」と「問題管理」という、よく似ているが別の活動がある。試験では、この2つの違いがとてもよく問われる。次でやさしく見ていこう。
詳しく:インシデント管理と問題管理
ここが心臓部。インシデント管理と問題管理を、表で区別しよう。
インシデント管理と問題管理の違い
| 活動 | 何をするか | ねらい |
|---|---|---|
| インシデント管理 | 止まったサービスを、まず早く元に戻す | とにかく早く復旧する |
| 問題管理 | なぜ起きたか、根本の原因を調べてつぶす | 再発を防ぐ |
- インシデント管理 … サービスが止まる・困りごとが起きたとき、まず早く元に戻す(復旧する)こと。原因究明よりも、今すぐ使える状態に戻すことを優先する。
- 問題管理 … その困りごとがなぜ起きたのか、根本の原因を調べてつぶすこと。同じことが二度と起きないようにするのがねらいだ。
「インシデント管理=問題管理」と思い込むと誤りになる。復旧を急ぐのがインシデント、根本原因をつぶすのが問題、と区別しよう。
なお、運用にはサービスデスクという窓口がある。これは、利用者からの連絡を受け付ける「単一の窓口」。困ったらまずここに連絡する、というまとめ役だ。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
サービス運用は、「お店を開店したあと、毎日営業してお客さまに対応していく段階」のイメージ。つまり、作るより前ではなく、動かし続けるところだ。
インシデント管理と問題管理の違いは、「水もれを、まずバケツで止める(インシデント)」と「もれた配管そのものを直す(問題)」の違い。要するに、急いで戻すか、原因をつぶすか、だ。
サービスデスクは、「困ったらまず連絡する受付窓口」。つまり、利用者からの連絡をひとつにまとめる入口だ。
試験のツボ
🔴 一番出る:インシデントと問題の違い
①インシデント管理=止まったサービスを早く復旧する
②問題管理=根本原因を調べてつぶし、再発を防ぐ
🔴 次に出る:サービス運用の正体
①日常的にITサービスを提供・維持する段階
②サービスを実際に動かし続ける中核
🟡 押さえると安定:サービスデスク
①利用者からの連絡を受け付ける単一の窓口
②困ったらまず連絡する、まとめ役
よくある間違い
①「インシデント管理と問題管理は、まったく同じものだ」→ ✗ インシデント管理は早く復旧する、問題管理は根本原因をつぶす。ねらいが違う。
②「インシデント管理では、まず根本原因の究明を優先する」→ ✗ インシデント管理は、まず早く復旧することを優先する。根本原因は問題管理。
③「サービスデスクは、複数の窓口に分かれているのが基本だ」→ ✗ サービスデスクは、利用者からの連絡を受ける単一の窓口(まとめ役)。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(サービス運用の正体)
サービス運用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみである
- 日常的に、ITサービスを提供し、維持していく段階のことである
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
解答は 2 だ。
サービス運用は、日常的にITサービスを提供・維持していく段階である。サービスを動かし続ける中核なのだ。
選択肢1は給与計算、選択肢3は請求書の事務、選択肢4は広告で、どれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✓ | 日常的に提供・維持する段階で正しい |
| 3 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 4 | ✗ | 広告活動ではない |
オリジナル問題2(インシデントと問題の違い)
インシデント管理と問題管理の違いに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- インシデント管理は根本原因をつぶし、問題管理は早く復旧する活動である
- インシデント管理も問題管理も、社員の給与を計算するための活動である
- インシデント管理は早く復旧し、問題管理は根本原因をつぶす活動である
- インシデント管理も問題管理も同じで、呼び名が違うだけだとされている
解答は 3 だ。
インシデント管理は早く復旧し、問題管理は根本原因をつぶす活動である。急いで戻すか、原因をつぶすか、の違いなのだ。
選択肢1は説明が逆、選択肢2は給与計算、選択肢4は「同じ」が誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 説明が逆になっている |
| 2 | ✗ | 給与計算の活動ではない |
| 3 | ✓ | 早く復旧と根本原因で正しい |
| 4 | ✗ | 両者には違いがある |
オリジナル問題3(サービスデスク)
サービスデスクに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 利用者からの連絡を受け付ける、ただ1つの窓口のことである
- 社員の給与を計算するためだけに使う、経理専用の窓口である
- 取引先へ請求書を郵送する事務だけを行う窓口のことである
- 完成したシステムを宣伝して売る、広告のための窓口である
解答は 1 だ。
サービスデスクは、利用者からの連絡を受け付ける、単一の窓口である。困ったらまず連絡する、まとめ役なのだ。
選択肢2の給与計算、選択肢3の請求書の事務、選択肢4の広告は、いずれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 利用者の単一窓口で正しい |
| 2 | ✗ | 給与計算の窓口ではない |
| 3 | ✗ | 請求書の事務の窓口ではない |
| 4 | ✗ | 広告の窓口ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 サービス運用 = 日常的にITサービスを提供・維持する段階。動かし続ける中核。
- 🔴 インシデントと問題 = インシデント管理は早く復旧、問題管理は根本原因をつぶして再発を防ぐ。
- 🟡 サービスデスク = 利用者からの連絡を受け付ける、単一の窓口(まとめ役)。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部