キャパシティ管理とは(全体像)
キャパシティ管理とは、ITサービスに必要な「能力(リソース)」を、需要に合わせて、過不足なく備える活動のことだ。
ここでいう「能力(リソース)」とは、CPU(計算する力)・メモリ(作業スペース)・保存容量・通信の太さ(帯域)などのこと。利用者が増えれば、その分だけ能力が必要になる。
ねらいは、ちょうどよく備えること。足りないとサービスが遅くなったり止まったりするし、逆に余らせすぎるとお金のムダになる。だから、需要を見ながら、ちょうどよい量にととのえるわけだ。
詳しく:「容量だけ」ではないこととオートスケーリング
ここが心臓部。まず、よくある勘違いを正そう。
キャパシティ管理のポイント
| ポイント | やさしい意味 |
|---|---|
| 対象は容量だけではない | CPU・メモリ・保存容量・通信の太さなどを含む |
| 過不足なく | 足りないと遅い、余ると無駄。ちょうどよく備える |
| 継続的に見直す | 一度決めて終わりではなく、需要を見て調整し続ける |
| オートスケーリング | クラウドでは、使われ方に合わせ自動で増減できる |
まず、キャパシティ管理は「保存容量」だけの話ではない。CPUやメモリ、通信の太さなど、いろいろな能力をまとめて見る。「キャパシティ=保存容量だけ」と思い込むと誤りだ。
そして、一度決めて終わりではない。需要は変わるので、くり返し見直して調整する。「最初に決めたら固定」と思い込むのも誤りだ。
クラウドでは、便利なしくみがある。オートスケーリングだ。これは、使われ方(負荷)に合わせて、能力を自動で増やしたり減らしたりするしくみ。混んできたら自動で増やし、すいたら減らせるので、柔軟に対応できる。
わかりやすく言い換えると
身近なたとえで整理しよう。
キャパシティ管理は、「飲食店で、お客さんの入りに合わせて、席数や仕込みの量を調整すること」のイメージ。つまり、混む時間に足りるよう、でも余らせすぎないようにととのえる。
「容量だけではない」というのは、席数だけでなく、コンロの数や店員の人数なども含めて考えること。要するに、いろいろな能力をまとめて見る。
オートスケーリングは、「混んできたら自動で席を増やし、すいたら減らす」こと。つまり、使われ方に合わせて自動で能力を増減する、ということだ。
試験のツボ
🔴 一番出る:キャパシティ管理の正体
①需要に応じて、ITの能力を過不足なく計画・調整する活動
②足りないと遅い、余ると無駄。ちょうどよく備える
🔴 次に出る:容量だけではない
①CPU・メモリ・保存容量・通信の太さなどを含む
②一度決めて終わりではなく、くり返し見直す
🟡 押さえると安定:オートスケーリング
①クラウドでは、使われ方に合わせて能力を自動で増減できる
②混んだら増やし、すいたら減らせる
よくある間違い
①「キャパシティ管理とは、保存容量だけを管理することだ」→ ✗ 保存容量だけでなく、CPU・メモリ・通信の太さなども含めて見る。
②「キャパシティは、一度決めたら見直さず、固定でよい」→ ✗ 需要は変わるので、くり返し見直して調整する。
③「オートスケーリングとは、能力を増やすことだけを指す」→ ✗ 使われ方に合わせ、増やすだけでなく減らすこともできる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(キャパシティ管理の正体)
キャパシティ管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 社員の出退勤を記録して、毎月の給与を計算するためのしくみである
- 取引先へ毎月の請求書を郵送する、決まった事務作業のことを指す
- 完成したシステムを宣伝して、より多く売るための広告活動である
- 需要に応じて、ITの能力を過不足なく備えていく活動のことである
解答は 4 だ。
キャパシティ管理は、需要に応じて、ITの能力を過不足なく備える活動である。足りなくて遅くならず、余らせてムダにもしないのだ。
選択肢1は給与計算、選択肢2は請求書の事務、選択肢3は広告で、どれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 給与計算のしくみではない |
| 2 | ✗ | 請求書の事務の話 |
| 3 | ✗ | 広告活動ではない |
| 4 | ✓ | 能力を過不足なく備える活動で正しい |
オリジナル問題2(容量だけではない)
キャパシティ管理が見る対象として、最も適切なものはどれか。
- 保存容量だけを見て、ほかの能力はいっさい見ないものだとされている
- CPU・メモリ・保存容量・通信の太さなどをまとめて見るものだ
- 社員の給与を計算する処理だけを見るものだとされているものだ
- 取引先へ請求書を郵送する件数だけを見るものだとされている
解答は 2 だ。
キャパシティ管理は、CPU・メモリ・保存容量・通信の太さなどをまとめて見るものである。保存容量だけの話ではないのだ。
選択肢1の「保存容量だけ」、選択肢3の給与計算、選択肢4の請求書の件数は、いずれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 保存容量だけではない |
| 2 | ✓ | CPU・メモリなども含むで正しい |
| 3 | ✗ | 給与計算の処理ではない |
| 4 | ✗ | 請求書の件数ではない |
オリジナル問題3(オートスケーリング)
クラウドのオートスケーリングに関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 能力を、いつも手作業で増やすことだけを指すとされているものだ
- 社員の給与を計算することだけを自動で行うものだとされている
- 使われ方に合わせて、能力を自動で増やしたり減らしたりできる
- 取引先へ請求書を郵送することだけを自動で行うものだとされる
解答は 3 だ。
オートスケーリングは、使われ方に合わせて、能力を自動で増やしたり減らしたりできるしくみである。混んだら増やし、すいたら減らせるのだ。
選択肢1の「手作業で増やすだけ」、選択肢2の給与計算、選択肢4の請求書の事務は、いずれも違う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 手作業で増やすだけではない |
| 2 | ✗ | 給与計算のことではない |
| 3 | ✓ | 自動で増減できるで正しい |
| 4 | ✗ | 請求書の事務ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 キャパシティ管理 = 需要に応じて、ITの能力を過不足なく計画・調整する活動。
- 🔴 容量だけではない = CPU・メモリ・保存容量・通信の太さなどを含み、くり返し見直す。
- 🟡 オートスケーリング = クラウドでは、使われ方に合わせて能力を自動で増減できる。
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執筆: SikakuQuest編集部