当事者訴訟とは?2類型の区別と被告

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

当事者訴訟とは(全体像)

当事者訴訟とは、公法上の法律関係に関する訴訟のうち、抗告訴訟以外のもののこと。行政庁の処分を「取り消せ」「やめろ」と攻める抗告訴訟と違い、対等な当事者どうしが、公法上の権利義務そのものを争うイメージだ。

押さえるのは、当事者訴訟が2つの類型に分かれること。

この形式的・実質的の区別が、試験のポイントになる。


詳しく:2類型の区別と被告

ここが心臓部。2類型のちがいと、誰を被告にするかを押さえる。

形式的当事者訴訟と実質的当事者訴訟

形式的当事者訴訟実質的当事者訴訟
争う対象処分を前提に当事者間で争う公法上の法律関係そのもの
典型例土地収用の補償額をめぐる訴訟公務員の地位確認の訴訟
被告起業者など、法令で定められた当事者国や公共団体

まず形式的当事者訴訟。処分そのものの効力ではなく、処分を前提とした当事者間の争いを扱う。たとえば、土地収用で補償額に不満があるとき、収用裁決を攻めるのではなく、起業者を相手に補償額を争う。被告は、法令で定められた当事者の一方になる。

次に実質的当事者訴訟。公法上の法律関係そのものの確認などを求めるもの。たとえば、公務員の地位の確認を求めるケースだ。この場合、被告は国や公共団体になるのが典型。

抗告訴訟との違い

抗告訴訟当事者訴訟
争い方行政庁の処分を攻める対等な当事者間で争う
被告(典型)処分をした行政庁の側国・公共団体や法令上の当事者

当事者訴訟は、抗告訴訟とは別の類型。「当事者訴訟も抗告訴訟の一種だ」と思い込まないことが大切だ。

わかりやすく言い換えると

つまり当事者訴訟は「処分を攻めるのではなく、対等な立場で公法上の権利を争う訴訟」。形式的(補償額が典型)と実質的(地位確認が典型)の2つに分かれ、実質的では国や公共団体が被告になる。

要するに押さえどころは2つ。①当事者訴訟は抗告訴訟以外の類型で、形式的・実質的の2つに分かれる②実質的当事者訴訟では国や公共団体が被告になるのが典型


試験のツボ

🔴 一番出る:形式的・実質的の区別

①形式的当事者訴訟 = 処分を前提に当事者間で争う。土地収用の補償額が典型

②実質的当事者訴訟 = 公法上の法律関係そのものを争う。公務員の地位確認が典型

🔴 次に出る:抗告訴訟との違い

当事者訴訟は抗告訴訟以外の類型。処分を攻めるのではなく、対等な当事者間で争う。

🟡 押さえると安定:被告

実質的当事者訴訟では国や公共団体が被告。形式的では法令で定められた当事者。


よくある間違い

「当事者訴訟も、抗告訴訟の一種である」→ ✗  当事者訴訟は抗告訴訟以外の別類型。対等な当事者間で争う点が異なる。

「形式的当事者訴訟と実質的当事者訴訟を、区別する必要はない」→ ✗  要件も典型例も異なり、明確に区別される。

「実質的当事者訴訟でも、被告は処分をした行政庁である」→ ✗  実質的当事者訴訟では、国や公共団体が被告になるのが典型。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(当事者訴訟の意味)

📝 オリジナル問題 1 当事者訴訟の意味

当事者訴訟に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 当事者訴訟とは、公法上の法律関係を、対等な当事者の間で争う訴訟をいう
  2. 当事者訴訟とは、行政庁の処分の取消しを求める抗告訴訟をいうものとされる
  3. 当事者訴訟とは、行政機関に不服を申し立てる審査請求をいうものとされる
  4. 当事者訴訟とは、命令等の案について意見を募る手続をいうものとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 1 だ。

当事者訴訟とは、公法上の法律関係を、対等な当事者の間で争う訴訟だ。抗告訴訟以外のタイプで、処分を攻めるのではない点が特徴だ。

選択肢2は抗告訴訟(取消訴訟)、選択肢3は審査請求、選択肢4はパブコメであって、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1対等な当事者間で公法上の関係を争う訴訟で正しい
2それは抗告訴訟
3審査請求は訴訟ではない
4パブコメとは別

オリジナル問題2(2つの類型)

📝 オリジナル問題 2 当事者訴訟の類型

当事者訴訟の類型に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 当事者訴訟は、形式的当事者訴訟のただ1つの類型だけからなるとされる
  2. 当事者訴訟は、すべて抗告訴訟の一種に分類されるものとされている
  3. 当事者訴訟には、形式的・実質的という区別はないものとされている
  4. 当事者訴訟は、形式的当事者訴訟と実質的当事者訴訟の2つに分かれる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 4 だ。

当事者訴訟は、形式的当事者訴訟と実質的当事者訴訟の2つに分かれる。形式的は補償額、実質的は地位確認が典型だと覚えよう。

選択肢1の「1つだけ」、選択肢2の「抗告訴訟の一種」、選択肢3の「区別はない」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
12つの類型がある
2抗告訴訟以外の別類型
3形式的・実質的に区別される
4形式的・実質的の2類型で正しい

オリジナル問題3(被告)

📝 オリジナル問題 3 当事者訴訟の被告

当事者訴訟の被告に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 実質的当事者訴訟では、行政庁が被告となるのが原則とされる
  2. 実質的当事者訴訟では、国や公共団体が被告となるのが典型である
  3. 当事者訴訟は、つねに行政庁を被告として提起するものとされている
  4. 当事者訴訟は、抗告訴訟と被告の決め方がまったく同じであるとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 2 だ。

実質的当事者訴訟では、国や公共団体が被告になるのが典型だ。処分をした行政庁を相手にする抗告訴訟とは、ここが違うぞ。

選択肢1の「行政庁が原則」、選択肢3の「つねに行政庁」、選択肢4の「抗告訴訟と同じ」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1国や公共団体が被告
2国や公共団体が被告となるのが典型で正しい
3行政庁を被告とするとは限らない
4抗告訴訟とは被告の決め方が異なる

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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