損害賠償とは(全体像)
損害賠償とは、約束が守られずに損をしたとき、その損をお金で埋め合わせてもらうしくみのこと。原則は金銭賠償——物を直す・元に戻すのではなく、お金で解決するのが基本だ。
カギになるのが、どこまでの損害を賠償するか(範囲)。
- 通常損害 … その債務不履行から、ふつうに生じる損害。
- 特別損害 … 特別な事情によって生じた損害。ただし、当事者がその事情を「予見すべきであった」場合にかぎって賠償される。
ここで「特別損害の基準」と「金銭賠償が原則」が試験で狙われる。
詳しく:賠償の範囲と原則をこの表で押さえる
ここが記事の心臓部。損害賠償は、「特別損害は予見すべきであった(客観)」と「金銭賠償が原則」が問われやすい。
損害賠償のポイント
| 論点 | 結論 | 引っかけ |
|---|---|---|
| 通常損害 | ふつうに生じる損害は賠償される | — |
| 特別損害 | 当事者が予見すべきであった場合に賠償 | 「予見していた」という主観ではない |
| 賠償の方法 | 金銭賠償が原則 | つねに現物賠償できる、ではない |
いちばん引っかかるのが特別損害の基準。特別な事情による損害は、当事者がその事情を「予見すべきであった」ときにかぎって賠償される。2020年改正で、「予見していた」という主観的な表現から、「予見すべきであった」という客観的な評価に整理された。「特別損害は『予見していた』ことが必要」と読むのは、改正前の知識で誤りだ。
次に賠償の方法。損害賠償は金銭で行うのが原則。物を直したり元に戻したり(現物賠償)するのは、当事者の合意や特別の規定がある場合に限られる。「つねに現物賠償できる」と読むのは誤りになる。
わかりやすく言い換えると
つまり、損害賠償は「約束を破られて出た損を、お金で埋めてもらう」しくみとイメージするとつかみやすい。直してもらうのではなく、お金で解決するのが基本(金銭賠償)だ。
要するに、埋めてもらえるのはふつうに出る損(通常損害)に加え、特別な事情による損(特別損害)まで。ただし特別損害は、その事情を「当然わかっておくべきだった(予見すべきであった)」ときに限られる。「実際にわかっていた」かどうかではない——ここが2020年改正の勘どころだ。
試験のツボ
🔴 一番出る:特別損害は予見すべきであった(客観)
①特別損害は、当事者が予見すべきであった場合に賠償される
②2020年改正で「予見していた」という主観から客観的な基準に整理された
🔴 次に出る:金銭賠償が原則
①損害賠償は金銭で行うのが原則
②現物賠償は合意や特別の規定がある場合に限られる
🟡 押さえると安定:賠償の範囲
①通常損害(ふつうに生じる損害)
②特別損害(予見すべきであった特別事情による損害)
よくある間違い
①「特別損害は、当事者が『予見していた』ことが必要だ」→ ✗ 2020年改正で「予見すべきであった」という客観的な基準になった。
②「損害賠償は、つねに現物賠償(元に戻すこと)ができる」→ ✗ 金銭賠償が原則。現物賠償は合意や特別の規定がある場合に限られる。
③「賠償されるのは通常損害だけで、特別損害は一切賠償されない」→ ✗ 予見すべきであった特別損害も賠償される。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(賠償の方法)
損害賠償の方法について、正しいものはどれか。
- 損害賠償は金銭でするのが原則で、現物賠償は合意などがある場合に限られる
- 損害賠償は、つねに現物賠償(元に戻すこと)でしなければならないとされている
- 損害賠償は、債務者が望む方法で自由にできるものとされているのである
- 損害賠償は、債権者が損害を受けても請求できないものとされているのである
解答は 1 である。
損害賠償は金銭でするのが原則で、現物賠償は当事者の合意や特別の規定がある場合に限られるのだ。
選択肢2「つねに現物賠償」、選択肢3「債務者が望む方法で自由に」、選択肢4「請求できない」は、いずれも誤りであろう。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 金銭賠償が原則で正しい |
| 2 | ✗ | 金銭賠償が原則 |
| 3 | ✗ | 債務者の希望によるのではない |
| 4 | ✗ | 損害は賠償の対象になる |
オリジナル問題2(賠償の範囲)
損害賠償の範囲について、正しいものはどれか。
- 賠償されるのは通常損害だけで、特別損害は一切賠償されないとされている
- 賠償されるのは通常損害と、当事者が予見すべきであった特別損害である
- 賠償されるのは特別損害だけで、通常損害は賠償されないとされているのである
- 賠償の範囲には、いっさいの限定がないものとされているのである
解答は 2 である。
賠償されるのは通常損害と、当事者が予見すべきであった特別損害なのだ。
選択肢1「通常損害だけ」、選択肢3「特別損害だけ」、選択肢4「いっさいの限定がない」は、いずれも誤りであろう。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 特別損害も賠償されうる |
| 2 | ✓ | 通常損害+予見すべき特別損害で正しい |
| 3 | ✗ | 通常損害も賠償される |
| 4 | ✗ | 予見すべきという限定がある |
オリジナル問題3(特別損害の基準)
特別損害の予見の基準について、2020年改正後の正しいものはどれか。
- 特別損害は、当事者が実際に予見していたことが必要だとされているのである
- 特別損害は、当事者の予見とはまったく関係なく賠償されるとされている
- 特別損害は、当事者が予見すべきであった場合に賠償されるものとされている
- 特別損害は、いかなる場合も賠償されないものとされているのである
解答は 3 である。
特別損害は、当事者が予見すべきであった場合に賠償されるのだ。2020年改正で「予見していた」という主観から、客観的な基準に整理された。
選択肢1「実際に予見していたことが必要」、選択肢2「予見とは関係なく賠償」、選択肢4「いかなる場合も賠償されない」は、いずれも誤りであろう。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 改正で「予見すべきであった」に整理 |
| 2 | ✗ | 予見すべきであったことが必要 |
| 3 | ✓ | 予見すべきであった場合に賠償で正しい |
| 4 | ✗ | 予見すべきなら賠償される |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 特別損害の基準 = 当事者が予見すべきであった場合に賠償(2020年改正で客観化)。
- 🔴 金銭賠償が原則 = 現物賠償は合意や特別の規定がある場合に限られる。
- 🟡 賠償の範囲 = 通常損害+予見すべきであった特別損害。
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執筆: SikakuQuest編集部