処分等の求めとは?「何人も」と応答義務

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

処分等の求めとは(全体像)

処分等の求めとは、何人も、法令に違反する事実を見つけ、その是正のためにされるべき処分や行政指導(法律を根拠とするもの)がされていないと思うとき、その権限を持つ行政庁などに、それをするよう申し出ることができる制度のこと。比較的新しく設けられた制度だ。

ポイントは、申し出られるのが「何人も」だということ。つまり、その問題に法律上の利益を持たない人でも申し出てよい。広く一般の人に、「役所に動いてほしい」と求める道を開いた制度だ。

中止等の求めが「やめさせてほしい」(指導を受けた相手)なのに対し、処分等の求めは「動いてほしい」(何人も)という、向きの違う制度、と押さえるとよい。


詳しく:「何人も」と応答義務

ここが心臓部。「何人も」できること、応答義務がないことを押さえる。

処分等の求めのポイント

項目内容
申し出られる人何人も(法律上の利益は不要)
求める内容されるべき処分・行政指導の発動
応答義務なし(発動を促すだけ)

まず「何人も」。これは、取消訴訟を起こせる人(法律上の利益が必要)とは違い、広く一般の人が申し出られるという意味だ。「自分に直接関係がなくても申し出てよい」と押さえる。

次に応答義務。申出を受けた行政機関には、それに応える義務(応答義務)はない。あくまで、行政機関が自分から動くことを促す制度で、求めたとおりの処分を必ずさせるものではない。だから、義務付け訴訟(裁判で処分を義務づける手続)とは別物だ。

そして、よく対比されるのが中止等の求め

中止等の求めとの対比

制度向き申し出られる人
処分等の求め動いてほしい(発動を求める)何人も
中止等の求めやめてほしい(中止を求める)指導を受けた相手方

わかりやすく言い換えると

つまり処分等の求めは「役所に動いてほしい、と誰でも申し出られる制度」。ただし、役所がそれに必ず応える義務はない

要するに押さえどころは2つ。①「何人も」できる(法律上の利益は不要)②応答義務はない(義務付け訴訟とは別)


試験のツボ

🔴 一番出る:「何人も」できる

①申し出られるのは何人も(法律上の利益は不要)

②取消訴訟の原告適格(法律上の利益が必要)とは違う

🔴 次に出る:応答義務はない

申出に応える義務はなく、発動を促すだけ。義務付け訴訟とは別の制度。

🟡 押さえると安定:中止等の求めとの対比

処分等の求めは「動いてほしい」(何人も)、中止等の求めは「やめてほしい」(指導の相手方)。


よくある間違い

「処分等の求めには、法律上の利益が必要」→ ✗  「何人も」申し出られる。取消訴訟の原告適格とは異なる。

「処分等の求めには、応答義務がある」→ ✗  応答義務はない。発動を促すだけで、義務付け訴訟とは別。

「処分等の求めは、受けた行政指導をやめさせる制度」→ ✗  それは中止等の求め。処分等の求めは「動いてほしい」と求めるもの。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(処分等の求めの意味)

📝 オリジナル問題 1 処分等の求めの意味

処分等の求めに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 処分等の求めとは、すべき処分や行政指導がされていないとき、それを求める制度
  2. 処分等の求めとは、自分が受けた行政指導の中止を求める制度をいうものとされる
  3. 処分等の求めとは、不利益処分の前に相手が意見を述べる機会をいうものとされる
  4. 処分等の求めとは、処分の取消しを裁判所に求める訴訟をいうものとされている
コンフォク
コンフォク 解答・解説

解答は 1 です。

処分等の求めとは、されるべき処分や行政指導がされていないと思うとき、それをするよう求められる制度です。「役所に動いてほしい」と申し出るしくみと考えるとわかりやすいです。

選択肢2は中止等の求め、選択肢3は不利益処分の事前手続、選択肢4は取消訴訟の説明であって、いずれも誤りです。

選択肢判定理由
1されるべき処分などの発動を求めるで正しい
2それは中止等の求め
3不利益処分の事前手続とは別
4裁判所への取消訴訟とは別

オリジナル問題2(「何人も」できる)

📝 オリジナル問題 2 処分等の求めの申出権者

処分等の求めを申し出られる人に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 処分等の求めは、取消訴訟と同じく、法律上の利益をもつ者だけができるとされる
  2. 処分等の求めは、その処分の相手方となる人だけが申し出られるものとされている
  3. 処分等の求めは「何人も」できる制度で、法律上の利益は必要とされない
  4. 処分等の求めは、行政機関の職員だけが内部で行えるものとされている
コンフォク
コンフォク 解答・解説

解答は 3 です。

処分等の求めは、「何人も」できる制度で、法律上の利益は必要とされません。取消訴訟の原告適格(法律上の利益が必要)とは違う点に注意しましょう。

選択肢1の「法律上の利益が必要」、選択肢2の「相手方だけ」、選択肢4の「職員だけ」は、いずれも誤りです。

選択肢判定理由
1法律上の利益は不要
2何人も申し出られる
3何人も・法律上の利益不要で正しい
4一般の人が申し出られる

オリジナル問題3(応答義務)

📝 オリジナル問題 3 処分等の求めと応答義務

処分等の求めの効果に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 処分等の求めをすると、行政機関は必ず求めどおりの処分をしなければならない
  2. 処分等の求めに応答する義務はなく、義務付け訴訟とは異なる別の制度である
  3. 処分等の求めには応答義務があり、無応答は直ちに違法になるものとされる
  4. 処分等の求めは、受けた行政指導をやめさせるための制度であるとされている
コンフォク
コンフォク 解答・解説

解答は 2 です。

処分等の求めには、応答する義務はなく、求めたとおりの処分を必ずさせるものでもありません。だから、義務付け訴訟とは別の制度です。

選択肢1の「必ず処分する」、選択肢3の「応答義務がある」、選択肢4の「指導をやめさせる」は、いずれも誤りです。

選択肢判定理由
1求めどおりの処分を義務づけるものではない
2応答義務なし・義務付け訴訟とは別で正しい
3応答義務はない
4それは中止等の求め

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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