行政指導とは?任意性とそれを守るルール

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

行政指導とは(全体像)

行政指導とは、行政機関が、その任務の範囲で一定の目的を実現するため、特定の人に一定の行為(作為・不作為)を求める指導・勧告・助言などで、処分に当たらないもののこと。

いちばん大事なのは、処分ではないこと。相手の権利や義務を一方的に動かす力(権力)はなく、任意の協力を前提にした「お願い」にすぎない(非権力的な事実行為)。

そのため、行政指導に従う法的な義務はない。従わなくても、それだけで違法になることはない、という点を押さえる。


詳しく:任意性とそれを守るルール

ここが心臓部。任意性の原則と、それを実質的に守るためのルールを押さえる。

行政指導の基本ルール

ルール内容
任意の協力が前提相手に従う義務はなく、強制はできない
意に反する継続の禁止相手が従う意思がないのに続けてはいけない
不利益取扱いの示唆の禁止「従わないと別件で不許可」などの示唆は禁止
文書交付請求権口頭の行政指導でも、書面の交付を求められる

行政指導は任意が原則だが、形だけそう言って、実際には押し切ってしまえば意味がない。そこで、それを実質的に守るルールがある。

まず、相手の意に反して行政指導を続けることは禁止。とくに、相手が明確に拒否の意思を示したら、その行政指導はもう続けられない。

次に、従わない人に不利益な取扱いをほのめかすことも禁止。「指導に従わないなら、別の許可を出さない」といった示唆は、任意性を実質的に奪うからだ。

さらに、相手は書面の交付を求めることができる。口頭の行政指導でも、求めれば原則として趣旨などを書面でもらえる。

わかりやすく言い換えると

つまり行政指導は「強制力のないお願い」。従う義務はなく、嫌なら断ってよい。

要するに押さえどころは2つ。①行政指導は処分ではなく、任意の協力が前提(従う義務なし)②不利益な取扱いの示唆は禁止・明確に拒否されたら継続できない


試験のツボ

🔴 一番出る:処分ではない・任意が前提

①行政指導は処分に当たらない(非権力的な事実行為)

②相手の任意の協力が前提で、従う法的義務はない

🔴 次に出る:任意性を守るルール

不利益な取扱いの示唆は禁止。相手が明確に拒否すれば継続できない。

🟡 押さえると安定:文書交付請求権

口頭の行政指導でも、相手は書面の交付を求めることができる。


よくある間違い

「行政指導は、処分の一種である」→ ✗  行政指導は処分ではない。権力的に権利義務を動かす行為ではない。

「行政指導に従わないと、違法になる」→ ✗  任意の協力が前提で、従う義務はない。従わなくても違法ではない。

「従わない相手に、不利益な取扱いを示唆してもよい」→ ✗  不利益な取扱いの示唆は禁止。任意性を実質的に奪うため。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(行政指導の意味)

📝 オリジナル問題 1 行政指導の意味

行政指導に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 行政指導とは、相手の権利を制限し義務を課す、処分の一種であるとされている
  2. 行政指導とは、行政機関が相手に一定の行為を求める、処分には当たらない行為
  3. 行政指導とは、相手に法的な義務を生じさせる権力的な行為をいうものとされる
  4. 行政指導とは、申請に対して許可・不許可を応答する処分をいうものとされている
コンフォク
コンフォク 解答・解説

解答は 2 です。

行政指導とは、行政機関が相手に一定の行為を求める、処分に当たらない行為です。指導・勧告・助言などで、強制力のない「お願い」と考えるとわかりやすいです。

選択肢1の「処分の一種」、選択肢3の「権力的な行為」、選択肢4の「申請への応答(処分)」は、いずれも誤りです。

選択肢判定理由
1行政指導は処分ではない
2処分に当たらない行為で正しい
3非権力的な事実行為
4申請への処分とは別

オリジナル問題2(任意性)

📝 オリジナル問題 2 行政指導の任意性

行政指導の任意性に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 行政指導は相手の任意の協力が前提で、従わなくても直ちに違法ではない
  2. 行政指導には従う法的義務があり、従わないと違法になるものとされている
  3. 行政指導は、相手の意思に反しても強制的に従わせることができるとされる
  4. 行政指導に従わない者には、必ず罰則が科されるものとされている
コンフォク
コンフォク 解答・解説

解答は 1 です。

行政指導は、相手の任意の協力が前提で、従わなくても直ちに違法にはなりません。従う法的な義務はない、という点が大切です。

選択肢2の「従う義務がある」、選択肢3の「強制的に従わせる」、選択肢4の「必ず罰則」は、いずれも誤りです。

選択肢判定理由
1任意の協力が前提で正しい
2従う法的義務はない
3強制はできない
4従わなくても罰則はない

オリジナル問題3(任意性を守るルール)

📝 オリジナル問題 3 行政指導のルール

行政指導のルールに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 行政指導に従わない相手に、別の不利益な取扱いを示唆することも認められる
  2. 相手が明確に拒否しても、行政指導は自由に継続できるものとされている
  3. 行政指導が口頭でされた場合、相手は書面の交付を求めることはできない
  4. 不利益な取扱いの示唆は禁止され、相手が拒否すれば指導は継続できない
コンフォク
コンフォク 解答・解説

解答は 4 です。

行政指導では、不利益な取扱いの示唆は禁止され、相手が明確に拒否すれば、その指導は継続できません。任意性を実質的に守るためのルールです。

選択肢1の「示唆も認められる」、選択肢2の「拒否しても継続できる」、選択肢3の「書面交付を求められない」は、いずれも誤りです。

選択肢判定理由
1不利益取扱いの示唆は禁止
2明確な拒否後は継続できない
3口頭でも書面交付を求められる
4示唆は禁止・拒否後は継続不可で正しい

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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