再審査請求とは(全体像)
再審査請求とは、処分についての審査請求の裁決を経たあと、なお不服のある人が、個別の法律に定めがあるときに、その法律が定める行政庁に申し立てる二段階目の不服申立てのこと。
押さえどころは、つねに使えるわけではないこと。かつては一般に認められていたが、改正で個別の法律に明文の定めがある場合だけに限定された。いまは社会保険・労働保険などの分野に残っている。
つまり、「審査請求 → (個別法に定めがあれば)再審査請求」という、二段階目の救済、と押さえる。
詳しく:個別法限定と対象の選択
ここが心臓部。個別法限定と、対象の選べる範囲を押さえる。
再審査請求のポイント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 位置づけ | 審査請求の裁決を経たあとの二段階目 |
| できる場合 | 個別の法律に定めがあるときだけ |
| 対象 | 原裁決か原処分か、請求人が選べる |
| 請求期間 | 原則として原裁決を知った日の翌日から1か月以内 |
まず個別法限定。再審査請求は、個別の法律に明文の定めがある場合だけにできる。「どんな処分でも、審査請求のあとに再審査請求ができる」わけではない。
次に対象の選択。
再審査請求の対象
| 選べる対象 | 内容 |
|---|---|
| 原裁決 | 審査請求に対する裁決そのもの |
| 原処分 | もとの処分 |
再審査請求では、対象を「原裁決」か「原処分」かのどちらか、請求人が選べる。「二段階目だから原裁決しか対象にできない」と思いがちだが、もとの処分(原処分)を対象にすることもできる。
わかりやすく言い換えると
つまり再審査請求は「審査請求のあとに、もう一段だけ用意された不服申立て」。使えるのは法律に定めがある場合だけで、対象は原裁決か原処分かを選べる。
要するに押さえどころは2つ。①個別の法律に定めがある場合だけの二段階目、②対象は原裁決か原処分かを請求人が選べる。
試験のツボ
🔴 一番出る:個別法限定の二段階目
①審査請求の裁決を経たあとの二段階目の不服申立て
②できるのは、個別の法律に定めがある場合だけ(全分野ではない)
🔴 次に出る:対象の選択
対象は、原裁決か原処分かを請求人が選べる。
🟡 押さえると安定:請求期間
請求期間は原則として、原裁決を知った日の翌日から1か月以内。
よくある間違い
①「再審査請求は、すべての処分でできる」→ ✗ 個別の法律に定めがある場合だけ。明文がなければできない。
②「再審査請求の対象は、原裁決だけ」→ ✗ 原裁決か原処分かを、請求人が選べる。
③「再審査請求は、審査請求をしていなくてもできる」→ ✗ 審査請求の裁決を経たあとの、二段階目の不服申立て。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(再審査請求の意味)
再審査請求に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 再審査請求とは、審査請求をする前に処分庁に再考を求める手続をいうものとされる
- 再審査請求とは、処分の取消しを裁判所に求める訴訟をいうものとされている
- 再審査請求とは、命令等の案について意見を募る手続をいうものとされている
- 再審査請求とは、審査請求の裁決の後、個別法の定めで行う二段階目の不服申立て
解答は 4 です。
再審査請求とは、審査請求の裁決を経たあと、個別の法律に定めがあるときに行う、二段階目の不服申立てです。社会保険・労働保険などの分野に残っています。
選択肢1は再調査の請求に近い説明、選択肢2は訴訟、選択肢3はパブコメであって、いずれも誤りです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 審査請求の前の手続ではない |
| 2 | ✗ | 裁判所への訴訟とは別 |
| 3 | ✗ | パブコメとは別 |
| 4 | ✓ | 裁決後の二段階目の不服申立てで正しい |
オリジナル問題2(対象の選択)
再審査請求の対象に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 再審査請求の対象は、原裁決に限られ、原処分を対象にはできないものとされる
- 再審査請求の対象は、原裁決か原処分かのいずれかを請求人が選べる
- 再審査請求の対象は、原処分に限られ、原裁決を対象にはできないものとされる
- 再審査請求の対象は、行政庁が一方的に決めるものとされている
解答は 2 です。
再審査請求の対象は、原裁決か原処分か、請求人が選べます。「二段階目だから原裁決だけ」ではなく、もとの処分も対象にできる点に注意しましょう。
選択肢1の「原裁決だけ」、選択肢3の「原処分だけ」、選択肢4の「行政庁が決める」は、いずれも誤りです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 原処分も対象にできる |
| 2 | ✓ | 原裁決か原処分かを請求人が選べるで正しい |
| 3 | ✗ | 原裁決も対象にできる |
| 4 | ✗ | 対象は請求人が選ぶ |
オリジナル問題3(個別法限定)
再審査請求ができる場合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 再審査請求は、すべての処分についてつねにできるものとされている
- 再審査請求は、審査請求を経なくても自由にできるものとされている
- 再審査請求ができるのは、個別の法律に定めがある場合に限られる
- 再審査請求は、いかなる場合も認められないものとされている
解答は 3 です。
再審査請求ができるのは、個別の法律に定めがある場合に限られます。かつては一般に認められていましたが、改正で限定されました。
選択肢1の「すべての処分で」、選択肢2の「審査請求を経なくても」、選択肢4の「いかなる場合も認められない」は、いずれも誤りです。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 個別法に定めがある場合だけ |
| 2 | ✗ | 審査請求の裁決を経たあとの手続 |
| 3 | ✓ | 個別法に定めがある場合に限るで正しい |
| 4 | ✗ | 定めがあれば認められる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 意味 = 審査請求の裁決を経たあと、個別法の定めがあるときに行う二段階目の不服申立て。
- 🔴 個別法限定 = 個別の法律に定めがある場合だけ(全分野ではない)。
- 🟡 対象と期間 = 対象は原裁決か原処分かを請求人が選べる。請求期間は原則1か月以内。
次に学ぶ
- 審査請求 ── 再審査請求の前段にあたる、不服申立ての基本。
- 再調査の請求 ── 処分庁に再考を求める、もうひとつの不服申立て。対比で押さえる。
- 行政行為(行政処分) ── 不服申立ての対象となる「処分」とは何かを押さえる。
執筆: SikakuQuest編集部