国家賠償法1条とは?請求の相手と、求償の要件

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

国家賠償法1条とは(全体像)

国家賠償法1条は、公権力の行使にあたる公務員が、その職務を行うについて故意または過失によって、違法に他人に損害を加えたとき、国または公共団体が賠償責任を負うことを定めた規定だ。憲法の保障する国家賠償を、具体化したものだ。

要件を分解すると、こうなる。

これらがそろうと、国や公共団体が賠償する。


詳しく:請求の相手と、求償の要件

ここが心臓部。誰に請求するか、国がいつ公務員に求償できるかを押さえる。

誰に損害賠償を請求するか

区分請求先
原則国や公共団体(公務員個人ではない)
公務員個人への直接請求できない

まず請求の相手。被害者は、加害をした公務員個人に直接請求するのではなく、国や公共団体に対して損害賠償を請求する。「悪いことをした公務員本人を訴える」のではない、という点が、民事の不法行為と違うところだ。

次に求償だ。

国などから公務員への求償

公務員の状態求償
故意または重大な過失があるできる
軽い過失にとどまるできない

国や公共団体が、被害者に賠償した後、その分を公務員本人に求償(取り戻すこと)できるのは、公務員に故意または重大な過失があったときに限られる。軽い過失にとどまるなら、求償はできない。「過失があれば常に求償できる」わけではない、という点が引っかけだ。

わかりやすく言い換えると

つまり国家賠償法1条は「公務員の違法な加害は、まず国や公共団体が賠償する」という仕組み。被害者は公務員個人ではなく国などに請求し、国などが公務員に求償できるのは、故意または重大な過失があるときだけだ。

要するに押さえどころは2つ。①被害者は公務員個人ではなく、国や公共団体に損害賠償を請求する②国などが公務員に求償できるのは、故意または重大な過失があるときに限られる


試験のツボ

🔴 一番出る:請求の相手は国・公共団体

①被害者は、公務員個人ではなく国や公共団体に請求する

②公務員個人への直接請求はできない

🔴 次に出る:求償の要件

国などが公務員に求償できるのは、故意または重大な過失があるときに限られる。

🟡 押さえると安定:5つの要件

公権力の行使・職務上・故意または過失・違法・損害がそろうと、国などが賠償する。


よくある間違い

「被害者は、加害をした公務員個人に直接、損害賠償を請求できる」→ ✗  請求の相手は国や公共団体。公務員個人への直接請求はできない。

「国などは、公務員に過失があれば常に求償できる」→ ✗  求償できるのは、故意または重大な過失があるときに限られる。

「国家賠償法1条は、私人どうしの損害賠償を定めた規定である」→ ✗  公権力の行使にあたる公務員の違法な加害について、国などが賠償する規定。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(国家賠償法1条の意味)

📝 オリジナル問題 1 国家賠償法1条の意味

国家賠償法1条に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 国家賠償法1条は、私人どうしの損害賠償について定めるものとされる
  2. 国家賠償法1条は、公務員の違法な加害を国などが賠償する責任を定める
  3. 国家賠償法1条は、契約上の債務不履行の責任を定めるものとされる
  4. 国家賠償法1条は、公務員が個人で全額を支払う責任を定めるものとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 2 だ。

国家賠償法1条は、公権力の行使にあたる公務員の違法な加害について、国や公共団体が賠償する責任を定めた規定だ。

選択肢1の「私人どうし」、選択肢3の「債務不履行」、選択肢4の「公務員が個人で全額」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1私人間の賠償ではない
2公務員の違法な加害を国などが賠償で正しい
3債務不履行の規定ではない
4賠償するのは国や公共団体

オリジナル問題2(請求の相手)

📝 オリジナル問題 2 損害賠償の請求先

国家賠償の請求先に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 被害者は、加害をした公務員個人に対して直接、損害賠償を請求できる
  2. 被害者は、国や公共団体には損害賠償を請求できないとされる
  3. 被害者は、公務員個人と国の両方に必ず同時に請求しなければならない
  4. 被害者は、公務員個人ではなく国や公共団体に損害賠償を請求する
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 4 だ。

被害者は、加害をした公務員個人ではなく、国や公共団体に損害賠償を請求する。公務員個人への直接請求はできないぞ。

選択肢1の「公務員個人に直接」、選択肢2の「国などに請求できない」、選択肢3の「両方に同時に」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1公務員個人への直接請求はできない
2請求先は国や公共団体
3同時請求が必要なわけではない
4国や公共団体に請求するで正しい

オリジナル問題3(求償の要件)

📝 オリジナル問題 3 公務員への求償

国などから公務員への求償に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 国などが公務員に求償できるのは、故意または重大な過失があるとき
  2. 国などは、公務員に軽い過失があれば必ず求償できるものとされる
  3. 国などは、公務員にまったく過失がなくても求償できるものとされる
  4. 国などは、公務員に対して求償することは一切できないものとされている
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 1 だ。

国などが公務員に求償できるのは、公務員に故意または重大な過失があるときに限られる。軽い過失では求償できないぞ。

選択肢2の「軽い過失でも必ず」、選択肢3の「過失がなくても」、選択肢4の「一切できない」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1故意または重大な過失のときに求償でき正しい
2軽い過失では求償できない
3過失がなければ求償できない
4故意・重過失なら求償できる

まとめ

押さえどころ

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執筆: SikakuQuest編集部

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