既判力・形成力とは?第三者効(対世効)と、民事訴訟との違い

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

既判力・形成力とは(全体像)

取消訴訟で原告が勝つ(認容判決)と、その判決にはいくつかの効力が生じる。まず、似ているようで違う2つを区別する。

この2つは混同しやすいが、既判力は「判決内容の拘束」形成力は「処分の遡及的消滅」と、役割が違う。


詳しく:第三者効(対世効)と、民事訴訟との違い

ここが心臓部。第三者効の意味と、民事訴訟の既判力との対比を押さえる。

既判力と形成力の区別

効力内容
既判力確定判決の内容が当事者と裁判所を拘束する
形成力取消判決により処分の効力が遡って消える

まず区別。既判力は「判決の内容を蒸し返せない」効力、形成力は「処分が遡って消える」効力。別の概念だと押さえる。

次に、試験で繰り返し問われる第三者効(対世効)だ。

取消判決の第三者効(対世効)

区分効力の及ぶ範囲
取消判決(行政訴訟)当事者だけでなく、第三者にも及ぶ(対世効)
民事訴訟の既判力原則として、当事者の間だけ

取消判決の効力は、訴訟の当事者だけでなく、当事者以外の第三者にも及ぶ。これを対世効という。たとえば、ある処分が取り消されると、その処分に関わる関係者みんなが、同じ法律関係に立つ。

これは、判決の効力が原則として当事者の間だけに及ぶ民事訴訟とは、大きく異なる特徴だ。取消訴訟が、個人の救済だけでなく、法律関係を画一的に整えるという性格をもつことの表れといえる。

わかりやすく言い換えると

つまり、既判力は「判決内容を蒸し返せない効力」、形成力は「処分が遡って消える効力」で別物。そして取消判決の効力は、当事者だけでなく第三者にも及ぶ(対世効)。当事者の間だけの民事訴訟とは違う。

要するに押さえどころは2つ。①既判力(判決内容の拘束)と形成力(処分の遡及的消滅)は別概念②取消判決には第三者効(対世効)があり、当事者以外にも効力が及ぶ(民事訴訟と異なる)


試験のツボ

🔴 一番出る:第三者効(対世効)

①取消判決の効力は、当事者だけでなく第三者にも及ぶ

②当事者の間だけの民事訴訟の既判力とは異なる

🔴 次に出る:既判力と形成力の区別

既判力は判決内容の拘束、形成力は処分の遡及的消滅。別の概念。

🟡 押さえると安定:取消訴訟の性格

法律関係を画一的に整える、取消訴訟の客観的な性格の表れ。


よくある間違い

「取消判決の効力は、訴訟の当事者の間だけに及ぶ」→ ✗  第三者効(対世効)があり、当事者以外の第三者にも及ぶ。

「既判力と形成力は、同じものである」→ ✗  既判力は判決内容の拘束、形成力は処分の遡及的消滅で、別の概念。

「取消判決の第三者効は、民事訴訟の既判力と同じである」→ ✗  民事訴訟の既判力は原則当事者間のみ。取消判決の対世効とは異なる。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(形成力の意味)

📝 オリジナル問題 1 形成力の意味

形成力に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 形成力とは、判決の内容が当事者と裁判所を拘束する効力をいうとされる
  2. 形成力とは、取消判決により処分の効力が遡って消える効力である
  3. 形成力とは、行政庁が判決に従う義務を負う効力をいうものとされる
  4. 形成力とは、私人間の契約を取り消す効力をいうものとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 2 だ。

形成力とは、取消判決によって処分の効力が遡って消える効力だ。処分が最初からなかったことになるぞ。

選択肢1は既判力、選択肢3は拘束力、選択肢4は私人間の契約であって、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1それは既判力
2処分が遡って消える効力で正しい
3それは拘束力
4私人間の契約とは別

オリジナル問題2(既判力の意味)

📝 オリジナル問題 2 既判力の意味

既判力に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 既判力とは、確定判決の内容が当事者と裁判所を拘束する効力である
  2. 既判力とは、処分の効力をはじめにさかのぼって消す効力であるとされる
  3. 既判力と形成力は、まったく同じ内容の効力であるとされている
  4. 既判力とは、原告だけを拘束し裁判所は拘束しないものとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 1 だ。

既判力とは、確定判決の内容が当事者と裁判所を拘束する効力だ。同じことを蒸し返せなくする、民事にも共通の効力だぞ。

選択肢2は形成力、選択肢3の「同じ内容」、選択肢4の「裁判所は拘束しない」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1判決内容が当事者と裁判所を拘束で正しい
2それは形成力
3既判力と形成力は別概念
4当事者と裁判所を拘束する

オリジナル問題3(第三者効)

📝 オリジナル問題 3 取消判決の第三者効

取消判決の効力が及ぶ範囲に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 取消判決の効力は、訴訟の当事者の間にだけ及ぶものとされる
  2. 取消判決には、第三者に効力が及ぶことはないものとされる
  3. 取消判決の効力は、当事者以外の第三者にも広く及ぶ(対世効)
  4. 取消判決の第三者効は、民事訴訟の既判力とまったく同じものとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 3 だ。

取消判決の効力は、当事者だけでなく第三者にも及ぶ(対世効)。当事者の間だけの民事訴訟の既判力とは違うぞ。

選択肢1の「当事者の間だけ」、選択肢2の「第三者に及ばない」、選択肢4の「民事の既判力と同じ」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1第三者にも及ぶ
2第三者効(対世効)がある
3当事者以外の第三者にも及ぶ対世効で正しい
4民事の既判力は当事者間のみで異なる

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

勉強は、クエストになった。

資格の勉強を、冒険に変えるRPG学習アプリ

App Storeで見る