管轄とは?取消訴訟をどの裁判所に提起すべきかという訴訟要件

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

管轄とは(全体像)

管轄とは、取消訴訟を、どの裁判所に提起すればよいかという訴訟要件のこと。「いつまでに訴えるか(出訴期間)」「誰が訴えるか(原告適格)」とは別で、訴える場所を決める問題だ。

原則を押さえる。

このどちらかの地方裁判所が、原則の管轄になる。


詳しく:原則と特例、そして特定管轄

ここが心臓部。原則の管轄、不動産の特例、そして特定管轄を押さえる。

管轄の原則と特例

区分どこの裁判所か
原則被告(国・公共団体)の所在地、または処分庁の所在地の地方裁判所
不動産の特例不動産や特定の場所に係る処分は、その所在地の裁判所にも提起できる

まず原則。たとえば県の処分を争うなら、被告である県の所在地(県庁所在地)の地方裁判所が原則だ。処分庁の所在地でもよい。

次に不動産の特例。土地収用のように、不動産や特定の場所に関わる処分なら、その不動産・場所の所在地の裁判所にも起こせる。

そして、試験でよく問われるのが特定管轄だ。

特定管轄(国が被告のとき)

区分内容
使える場面国を被告とする取消訴訟
どこに起こせるか原告の住所地に近い、高等裁判所の所在地の地方裁判所

国を被告とする取消訴訟では、原則の裁判所だけでなく、原告の住所地に近い裁判所にも起こせる。これが特定管轄だ。遠くに住む人が、わざわざ国の所在地(東京など)まで行かずに、近くの裁判所で訴えられるようにして、負担を軽くしている。ただし、これは国が被告のときに限られる点に注意する。

わかりやすく言い換えると

つまり管轄は「どの裁判所に起こすか」の問題。原則は被告(国・公共団体)や処分庁の所在地。さらに国が被告なら、原告の住所地に近い裁判所にも起こせる(特定管轄)。選べる場所は一つではない。

要するに押さえどころは2つ。①原則は、被告(国・公共団体)の所在地や処分庁の所在地の地方裁判所②国を被告とするときは、原告の住所地に近い裁判所にも起こせる(特定管轄)


試験のツボ

🔴 一番出る:原則の管轄

①被告(国・公共団体)の所在地の地方裁判所

②処分庁の所在地の地方裁判所

🔴 次に出る:特定管轄

国を被告とするときは、原告の住所地に近い裁判所にも提起できる。

🟡 押さえると安定:不動産の特例

不動産や特定の場所に係る処分は、その所在地の裁判所にも提起できる。


よくある間違い

「取消訴訟は、つねに被告の所在地の裁判所だけに起こす」→ ✗  処分庁の所在地、不動産の特例、特定管轄など、ほかにも起こせる裁判所がある。

「特定管轄は、すべての取消訴訟で使える」→ ✗  特定管轄が使えるのは、国を被告とする取消訴訟に限られる。

「管轄とは、いつまでに訴えるかという期間の要件である」→ ✗  管轄は「どこの裁判所に」起こすかの要件。期間は出訴期間の問題。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(管轄の意味)

📝 オリジナル問題 1 管轄の意味

管轄に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 管轄とは、取消訴訟をどの裁判所に提起すべきかという訴訟要件をいう
  2. 管轄とは、取消訴訟をいつまでに提起すべきかの期間制限をいう
  3. 管轄とは、誰が取消訴訟を提起できるかという資格をいうものとされる
  4. 管轄とは、取消訴訟で何を主張できるかという内容をいうものとされている
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 1 だ。

管轄とは、取消訴訟をどの裁判所に提起すべきかという訴訟要件だ。「訴える場所」を決める問題だぞ。

選択肢2は出訴期間、選択肢3は原告適格、選択肢4は訴訟の内容であって、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1どの裁判所に提起するかの要件で正しい
2それは出訴期間
3それは原告適格
4訴える場所の話ではない

オリジナル問題2(特定管轄)

📝 オリジナル問題 2 特定管轄

取消訴訟の管轄に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 取消訴訟は、つねに被告の所在地の裁判所だけに提起するものとされる
  2. 取消訴訟は、原告がどの裁判所でも自由に提起できるとされる
  3. 取消訴訟は、処分庁の所在地の裁判所には提起できないとされている
  4. 国を被告とするときは、原告の住所地に近い裁判所にも提起できる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 4 だ。

国を被告とするときは、原告の住所地に近い裁判所にも提起できる(特定管轄)。遠方の原告の負担を軽くする仕組みだぞ。

選択肢1の「被告所在地だけ」、選択肢2の「どの裁判所でも自由」、選択肢3の「処分庁には不可」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1ほかにも起こせる裁判所がある
2どの裁判所でも自由に、ではない
3処分庁の所在地にも提起できる
4国が被告なら住所地に近い裁判所にも可で正しい

オリジナル問題3(特定管轄の範囲)

📝 オリジナル問題 3 特定管轄の範囲

特定管轄が使える範囲に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 特定管轄は、すべての取消訴訟について当然に利用できるものとされている
  2. 特定管轄は、私人を被告とする訴訟だけで利用できるとされる
  3. 特定管轄は、国を被告とする取消訴訟について利用できるものである
  4. 特定管轄を使えば、原告は外国の裁判所にも提起できるものとされる
アドゴレ
アドゴレ 解答・解説

解答は 3 だ。

特定管轄が使えるのは、国を被告とする取消訴訟に限られる。すべての取消訴訟で使えるわけではないぞ。

選択肢1の「すべての取消訴訟」、選択肢2の「私人を被告」、選択肢4の「外国の裁判所」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1すべての取消訴訟ではない
2国を被告とする訴訟の話
3国を被告とする取消訴訟で使えて正しい
4外国の裁判所には起こせない

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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