株主総会とは?この2つの表で全体

公開: 更新: カテゴリ: 商法

30秒で結論

株主総会とは(全体像)

株主総会は、会社の持ち主である株主が集まって、会社の大事なことを決める会議である。株式会社のなかで一番上の意思決定機関、つまり「最高意思決定機関」と呼ばれる。

ここで押さえる軸は、会社のかたちによって権限の広さが変わること。

大きな会社ほど、株主が日々の細かい経営まで決めるのは現実的でない。そこで「重要なことは株主総会、ふだんの経営は取締役会」と役割を分けている、と理解すると整理しやすい。


詳しく:この2つの表で全体をつかむ

ここが記事の心臓部。株主総会の中身は、次の2つの表にほぼ集約される。

権限の差(ここが最重要)

取締役会を置かない会社取締役会を置く会社
決められる範囲会社のあらゆる事項(万能機関)会社法・定款で定めた事項だけ(限定)
イメージなんでも決められる決められることが決まっている
ふだんの経営株主総会・取締役が担う取締役会が担う

種類と招集

定時総会臨時総会
開く時期毎年1回・決算期のあと必要があるときに、その都度
主な中身計算書類(決算)の承認など必要な議題を随時
招集を決める人原則は取締役(一定の少数株主も招集を求められる)同じ

権限の差は試験で何度も問われる。「取締役会を置く会社では、株主総会の権限はしぼられる」——この一点を取り違えないことが核心である。

開く回数も狙われやすい。定時総会は年1回で、それ以外に必要が生じたら臨時総会を開く。年2回が義務というわけではない。

招集について、原則は取締役が決めるが、一定の数の株式を持つ少数株主にも招集を請求する道が用意されている。持ち分の小さい株主の声も届くようにする、という配慮である。

なお、2019年の会社法改正で、株主総会の資料をインターネットで届ける電子提供制度が設けられ、上場企業では利用が義務づけられた。具体的な対象や手続きは受験年度の最新仕様で確認しておくとよい。

わかりやすく言い換えると

要するに、むずかしく考えず、こう置き換えると頭に入りやすい。

株主総会は、会社という乗り物の「持ち主たちの会議」。持ち主が集まって行き先を決める場である。

①取締役会を置かない会社は、持ち主の会議が「なんでも決められる」

②取締役会を置く会社は、ふだんの運転は運転手(取締役会)にまかせ、持ち主の会議は「決められることが決まっている」

③定時総会は毎年の決算報告会、臨時総会は急な議題が出たときの臨時の集まり、とイメージするとよい。


試験のツボ

🔴 一番出る:取締役会の有無で権限が変わる

①取締役会を置かない会社 = あらゆる事項を決議できる万能機関

②取締役会を置く会社 = 会社法・定款で定めた事項だけに限られる

🔴 次に出る:種類と開く回数

①定時総会 = 毎年1回・決算期のあと

②臨時総会 = 必要があるときに、その都度

🟡 押さえると安定:招集を決めるのは原則取締役。ただし一定の少数株主も招集を求められる


よくある間違い

「どんな株式会社でも株主総会は万能機関」→ ✗  万能なのは取締役会を置かない会社だけ。置く会社では権限が限られる。

「定時総会は毎年2回開く」→ ✗  定時総会は年1回。それ以外は臨時総会で対応する。

「株主総会を招集できるのは取締役だけ」→ ✗  原則は取締役だが、一定の少数株主も招集を求められる。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(取締役会の有無と権限)

📝 オリジナル問題 1 取締役会の有無と株主総会の権限

株主総会の権限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 株主総会は、取締役会を置くか置かないかにかかわらず、つねに会社のあらゆる事項を決議できる万能の機関である
  2. 株主総会は、取締役会を置く会社でも置かない会社でも、会社法で定めた事項しか決議できない
  3. 株主総会は、取締役会を置かない会社では権限が限られ、置く会社ではあらゆる事項を決議できる万能機関である
  4. 株主総会は、取締役会を置かない会社ではあらゆる事項を決議でき、置く会社では定めた事項だけに限られる
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 4 である。

株主総会の権限は、取締役会の有無で変わる。取締役会を置かない会社ではあらゆる事項を決議できる万能機関、置く会社では会社法・定款で定めた事項だけに限られる。大きな会社はふだんの経営を取締役会にゆだねるからである。

選択肢1の「つねに万能」は誤り。置く会社では権限が限られる。選択肢2の「どちらも限定」も誤りで、置かない会社は万能である。選択肢3は万能と限定を逆にした誤りである。

選択肢判定理由
1置く会社では権限が限られ、つねに万能ではない
2置かない会社は万能機関で、限定ではない
3万能と限定が逆になっている
4置かない会社は万能、置く会社は限定で正しい

オリジナル問題2(定時総会と臨時総会)

📝 オリジナル問題 2 定時総会と臨時総会の区別

定時総会と臨時総会に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 定時総会は毎年1回、決算期のあとに開かれ、臨時総会は必要があるときにその都度開かれる
  2. 定時総会は毎年2回、半年ごとに開かれ、臨時総会は原則として開かれることはないとされる
  3. 定時総会も臨時総会も、どちらも毎年1回ずつ必ず開くことが法律で義務づけられている
  4. 定時総会は必要があるときに開かれ、臨時総会が毎年1回決算期のあとに必ず開かれるとされる
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 1 である。

定時総会は毎年1回、決算期のあとに開き、計算書類(決算)の承認などを行う。臨時総会は、必要が生じたときにその都度開く会議である。

選択肢2の「年2回」は誤りで、定時総会は年1回である。選択肢3の「どちらも年1回ずつ義務」も誤りで、臨時総会は必要時に開くものである。選択肢4は定時総会と臨時総会の説明を入れ替えた誤りである。

選択肢判定理由
1定時は年1回・決算期後、臨時は必要時で正しい
2定時総会は年1回で、年2回ではない
3臨時総会は必要時に開くもので、年1回義務ではない
4定時と臨時の説明が入れ替わっている

オリジナル問題3(株主総会の招集)

📝 オリジナル問題 3 株主総会の招集

株主総会の招集に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 株主総会の招集は株主だけがおこなうことができ、取締役が招集を決めることはできないとされている
  2. 株主総会の招集は取締役だけがおこなえ、どんな株主であっても招集を求めることはできないとされる
  3. 株主総会の招集は原則として取締役が決めるが、一定の数の株式をもつ少数株主も招集を求められる
  4. 株主総会の招集は監査役が決めるのが原則で、取締役にも株主にも招集の権限はないとされている
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 3 である。

株主総会の招集は、原則として取締役が決める。ただし、一定の数の株式を持つ少数株主にも、招集を請求する道が開かれている。持ち分の小さい株主の声も会社に届くようにするためである。

選択肢1の「株主だけが招集」は誤り。選択肢2の「取締役だけで、株主は一切求められない」も誤りで、少数株主の招集請求が認められている。選択肢4の「監査役が原則」も誤りである。

選択肢判定理由
1招集を決めるのは原則として取締役である
2一定の少数株主は招集を求められる
3原則は取締役、一定の少数株主も招集を求められる
4監査役が原則ではない

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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