議決権とは?株主が株主総会で議案に賛成・反対の意思を示す権利

公開: 更新: カテゴリ: 商法

30秒で結論

議決権とは(全体像)

議決権は、株主が株主総会で「賛成」「反対」を表明できる権利である。株主が会社の意思決定に参加する、もっとも中心的な手段といえる。

押さえる軸は2つ。

「1株=1票で、重い議案ほど多くの賛成が要る」と押さえると、全体像がつかめる。


詳しく:この表で決議の重さをつかむ

ここが記事の心臓部。議決権でいちばん問われるのは、普通決議と特別決議の要件の差である。

普通決議と特別決議(ここが最重要)

普通決議特別決議
可決ライン出席株主の議決権の過半数出席株主の議決権の3分の2以上
主な対象役員の選任など通常の事項定款変更・合併・解散・事業譲渡など重要事項
定足数(出席の目安)議決権の過半数の株主が出席(定款で軽減・排除可)同じ(定款で3分の1まで軽減可)

特別決議が使われるのは、会社のかたちを大きく変える場面だとイメージすると覚えやすい。定款変更・合併・解散・事業譲渡など、会社の根幹にかかわるものほど、より多くの賛成(3分の2以上)が要る。

そして、議決権の数は原則1株につき1個だが、これには例外がある。

「原則1株1議決権、ただし例外あり」——この形でセットにして覚えると、引っかけに強くなる。

議決権の行使のしかたも狙われる。総会の会場に出席して行使するほか、書面(書面投票)・電磁的方法(インターネット等)・代理人による行使も認められている。遠くに住む株主でも参加できるようにする工夫である。

わかりやすく言い換えると

要するに、議決権は会社の議題に対する「持ち票」だと考えるとわかりやすい。

①1株1議決権 … 株を1株持てば1票。10株なら10票。つまり、出資した分だけ声が大きくなる。

②普通決議と特別決議 … 軽い議題は過半数でOK、会社の根幹を変える重い議題は3分の2以上という、より高いハードル。

③行使のしかた … 会場に行けなくても、書面ネット代理人を立てて投票できる。


試験のツボ

🔴 一番出る:普通決議と特別決議の差

①普通決議 = 出席株主の議決権の過半数

②特別決議 = 出席株主の議決権の3分の2以上(定款変更・合併・解散・事業譲渡など)

🔴 次に出る:1株1議決権の原則と例外

①原則 = 1株につき1議決権

②例外 = 議決権制限株式・単元未満株式には議決権がない(または制限される)

🟡 押さえると安定:議決権の行使は出席だけでなく、書面・電磁的方法・代理人でもできる


よくある間違い

「決議はぜんぶ過半数で決まる」→ ✗  普通決議は過半数だが、特別決議は3分の2以上が必要。

「議決権は必ず1株1個」→ ✗  原則は1株1議決権だが、議決権制限株式や単元未満株式という例外がある。

「議決権は会場に出席しないと行使できない」→ ✗  書面・電磁的方法・代理人でも行使できる。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(1株1議決権の原則と例外)

📝 オリジナル問題 1 1株1議決権の原則と例外

議決権の数に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 議決権は、保有する株式の価格に応じて与えられ、価格の高い株式ほど多くの議決権をもつのが原則である
  2. 議決権は原則として1株につき1個だが、議決権が制限される株式や単元未満株式などの例外もある
  3. 議決権は、保有する株式の数にかかわらず、1人につき1個だけ与えられるのが原則である
  4. 議決権は、株式の数に関係なく、会社が株主ごとに個数を自由に割り当てられるのが原則であるとされる
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 2 である。

議決権は原則として1株につき1個(1株1議決権)である。ただし、議決権制限株式や単元未満株式のように、議決権がない、または制限される例外もある。

選択肢1の「株式の価格に応じる」は誤りで、基準は株式の数である。選択肢3の「1人につき1個」も誤りで、株式の数だけ議決権をもつ。選択肢4の「会社が自由に割り当てる」も原則ではない。

選択肢判定理由
1基準は株式の価格ではなく株式の数である
2原則1株1議決権、例外として制限株式・単元未満株式がある
31人1個ではなく、株式の数だけ議決権をもつ
4会社が自由に割り当てるものではない

オリジナル問題2(普通決議と特別決議)

📝 オリジナル問題 2 普通決議と特別決議の要件

株主総会の決議要件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 普通決議も特別決議も、可決には出席株主の議決権の過半数があれば足りるとされている
  2. 特別決議は出席株主の議決権の過半数だけで可決でき、普通決議のほうは3分の2以上が必要とされている
  3. 定款変更や合併などの重要事項も、普通決議の過半数だけで決めることができるとされている
  4. 普通決議は出席株主の議決権の過半数、特別決議は3分の2以上で可決し、定款変更などに使う
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 4 である。

普通決議は出席株主の議決権の過半数、特別決議は3分の2以上で可決する。定款変更・合併・解散・事業譲渡など、会社の根幹にかかわる重要事項には特別決議が必要である。

選択肢1の「どちらも過半数」は誤りで、特別決議は3分の2以上が要る。選択肢2は普通と特別の要件を入れ替えた誤りである。選択肢3の「重要事項も過半数だけ」も誤りである。

選択肢判定理由
1特別決議は過半数では足りず、3分の2以上が必要
2普通と特別の要件が入れ替わっている
3重要事項は特別決議(3分の2以上)が必要
4普通は過半数・特別は3分の2以上で、重要事項に使う

オリジナル問題3(議決権の行使方法)

📝 オリジナル問題 3 議決権の行使方法

議決権の行使方法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 議決権は、総会の会場に出席して行使するほか、書面や電磁的方法、また代理人によっても行使できる
  2. 議決権は株主本人が総会の会場に出席したときに限り行使でき、書面や代理人は認められないとされる
  3. 議決権の行使は代理人によるものだけが認められ、株主本人が直接行使することはできないとされている
  4. 議決権は書面によってのみ行使でき、会場に出席して行使することは認められないとされる
ホウケンジャ
ホウケンジャ 解答・解説

解答は 1 である。

議決権は、総会の会場に出席して行使するほか、書面(書面投票)・電磁的方法代理人によっても行使できる。遠くに住む株主でも参加できるようにするためである。

選択肢2の「出席したときに限る」は誤り。選択肢3の「代理人だけ」も誤りで、本人も直接行使できる。選択肢4の「書面のみ」も誤りで、出席による行使も当然できる。

選択肢判定理由
1出席・書面・電磁的方法・代理人で行使できる
2書面・電磁的方法・代理人による行使も認められる
3株主本人も直接行使できる
4出席による行使も当然できる

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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