株主平等原則とは(全体像)
株主平等原則は、会社は株主を、持っている株式の内容と数に応じて平等に扱わなければならないという考え方である。
ここで取り違えやすいのが「平等」の意味である。これは株式を単位とした平等であって、株主という人を一律に同じに扱うことではない。
- たくさん株式を持つ株主は、その分だけ大きく扱われる(配当も議決権も比例して大きい)。
- だから「1人1票」のような個人単位の平等とはまったく別物である。
つまり、株主平等原則は「株式の数だけ、比例して平等」と理解するのが核心になる。
詳しく:原則と例外を表でつかむ
ここが記事の心臓部。株主平等原則は、「株式単位の比例的平等」という原則と、それを崩せる例外をセットで押さえる。
原則と例外(ここが最重要)
| 中身 | |
|---|---|
| 原則 | 株式の内容と数に応じて平等(株式単位の比例的平等) |
| 例外①:種類株式 | 配当や議決権などで内容の違う株式を発行できる |
| 例外②:属人的な定め | 非公開会社で、株主ごとに異なる扱いを定款で定められる |
| 違反した行為 | 原則として無効 |
例外①の種類株式は、最初から「中身の違う株式」を作るしくみ。配当を多くもらえる株式や、議決権のない株式などを発行できる。
例外②の属人的な定めは、株式ではなく株主その人に着目して扱いを変えるもので、非公開会社に限って認められる。剰余金の配当・残余財産の分配・議決権について、株主ごとに違う扱いを定款で決められる。公開会社ではできない点が狙われやすい。
そして、株主平等原則に反する会社の行為は、原則として無効になる。少数の株主が不当に冷遇されないようにするためのしくみである。
わかりやすく言い換えると
要するに、株主平等原則は「株式の数に比例した、公平な分け前」のルールだと考えるとわかりやすい。
①平等の意味 … ケーキを「人数で等分」するのではなく、持っている株式の数で取り分が決まる。10切れ持つ人は1切れの人の10倍。つまり、出資した分だけ取り分が大きい。
②例外 … 最初から味の違うケーキを用意する(種類株式)、または身内だけの会(非公開会社)で特定の人に多めに配る取り決め(属人的な定め)は認められる。
③違反 … この公平さを無視した会社の行為は、原則としてなかったこと(無効)になる。
試験のツボ
🔴 一番出る:株式単位の比例的平等
①株式の内容と数に応じた平等(株式単位)
②個人を一律に同じ扱いにするのではない(1人1票ではない)
🔴 次に出る:例外②は非公開会社だけ
①種類株式 = 内容の違う株式を発行できる
②属人的な定め = 非公開会社に限り、株主ごとに異なる扱いを定款で定められる
🟡 押さえると安定:株主平等原則に反する会社の行為は、原則として無効
よくある間違い
①「株主平等は1人1票のように個人を同じに扱うこと」→ ✗ 株式を単位とした比例的平等。株式の数が多いほど扱いも大きい。
②「属人的な定めは公開会社でもできる」→ ✗ 非公開会社に限って認められる。
③「種類株式は株主平等原則に反するから許されない」→ ✗ 種類株式は法律が認めた例外で、適法に発行できる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(平等の意味)
株主平等原則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 株主平等原則は、株主を株式の内容と数に応じて平等に扱う原則であり、株式が多いほど扱いも大きくなる
- 株主平等原則は、保有する株式の数に関係なく、株主を1人につき一律に同じ扱いにする原則であるとされる
- 株主平等原則は、株式の数が多い株主ほど不利に扱い、少ない株主を手厚く保護する原則であるとされている
- 株主平等原則は、会社が好きな株主だけを選んで有利な扱いを与えてよいとする原則であるとされる
解答は 1 である。
株主平等原則の「平等」は、株式を単位とした比例的な平等である。株式の内容と数に応じて扱い、株式が多いほど配当も議決権も大きくなる。
選択肢2の「1人につき一律」は誤りで、個人単位の平等ではない。選択肢3の「多い株主ほど不利」も逆で誤り。選択肢4の「好きな株主だけ有利に」も平等原則に反する。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 株式の内容と数に応じた比例的平等で正しい |
| 2 | ✗ | 個人単位で一律に同じ扱いにするものではない |
| 3 | ✗ | 多い株主ほど不利に扱うものではない |
| 4 | ✗ | 特定の株主だけを自由に優遇できるわけではない |
オリジナル問題2(例外)
株主平等原則の例外に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 株主平等原則にはまったく例外がなく、種類株式の発行も株主ごとの異なる扱いも一切認められないとされている
- 株主ごとに異なる扱いを定款で定める属人的な定めは、公開会社でも非公開会社でも自由にできるとされる
- 株主平等原則には例外があり、種類株式の発行や、非公開会社で株主ごとに異なる扱いを定款で定められる
- 種類株式は株主平等原則に反するため発行できず、配当や議決権で差をつけることはできないとされている
解答は 3 である。
株主平等原則には例外がある。①内容の違う種類株式を発行でき、②非公開会社では株主ごとに異なる扱い(属人的な定め)を定款で定められる。
選択肢1の「例外がない」は誤り。選択肢2の「公開会社でも自由に」も誤りで、属人的な定めは非公開会社だけである。選択肢4の「種類株式は発行できない」も誤りで、種類株式は法律が認めた例外である。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 種類株式や属人的な定めという例外がある |
| 2 | ✗ | 属人的な定めは非公開会社に限られる |
| 3 | ✓ | 種類株式・非公開会社の属人的な定めが例外で正しい |
| 4 | ✗ | 種類株式は適法に発行できる |
オリジナル問題3(違反の効果)
株主平等原則に違反する会社の行為の効果について、正しいものはどれか。
- 株主平等原則に違反する会社の行為も、いったん行われた以上は有効なものとして扱われる
- 株主平等原則に違反する会社の行為は、不当に冷遇される株主を守るため、原則として無効となる
- 株主平等原則に違反する会社の行為は、株主全員が同意しない限り取り消すことができないとされている
- 株主平等原則に違反するかどうかは会社の自由な判断にゆだねられ、効果に影響することはないとされる
解答は 2 である。
株主平等原則に反する会社の行為は、原則として無効である。少数の株主が不当に冷遇されることを防ぐためである。
選択肢1の「有効として扱う」は誤り。選択肢3の「全員同意がなければ取り消せない」も誤りで、原則は無効である。選択肢4の「効果に影響しない」も誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 違反する行為は原則として無効である |
| 2 | ✓ | 原則として無効で正しい |
| 3 | ✗ | 全員同意がなければ取り消せないという扱いではない |
| 4 | ✗ | 違反は効果に影響し、原則無効となる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 平等の意味 = 株式の内容と数に応じた比例的平等。個人を一律に同じ扱いにするのではない。
- 🔴 例外 = 種類株式の発行と、非公開会社に限った属人的な定め。
- 🟡 違反の効果 = 株主平等原則に反する会社の行為は、原則として無効。
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執筆: SikakuQuest編集部