条例制定権とは?罰則の上限と、法律との抵触の判断

公開: 更新: カテゴリ: 行政法

30秒で結論

条例制定権とは(全体像)

上から見渡そう。条例制定権とは、地方公共団体が、自分の区域に適用される条例を制定する権限のことだ。憲法は「法律の範囲内で条例を制定できる」と保障し、地方自治法も「法令に違反しない限り」条例を制定できると定める。

ポイントは、条例が法令の枠の中にあること。法律に正面から反する条例は作れない。ただし、その枠内であれば、地方公共団体は自分の判断でルール(条例)を作れる。これが自治立法権の中心だ。

つまり、「法令に違反しない範囲で、地域のルールを自分で作れる」のが条例制定権だ、とまず俯瞰しよう。


詳しく:罰則の上限と、法律との抵触の判断

ここが心臓部。罰則を定められること(上限つき)と、抵触の実質判断を見渡す。

条例の罰則

区分内容
罰則を定められるか定められる(一切不可ではない)
上限懲役2年以下・罰金100万円以下など

まず罰則。条例にも、罰則を定めることができる。ただし、上限がある(懲役2年以下・罰金100万円以下など)。「条例に罰則は一切定められない」わけでも、「上限なく自由に定められる」わけでもない、という両方向の引っかけに注意する。

次に、よく問われる法律との抵触の判断だ。

法律と条例の抵触の判断

考え方判断
形式的にみる(目的が同じなら一律に違法)とらない
実質的にみる(目的・規律対象などを比較)こちらで判断する

法律と条例が抵触するかは、形式だけで一律に決めない。両者の目的や規律対象などを比べて、実質的に判断する。だから、法律と同じ目的の条例でも、法律が全国一律を意図せず地方に委ねている場合は、合法になることがある(より厳しい基準を定める「上乗せ条例」など)。「同じ目的なら全部違法」と思い込まないことが大切だ。

わかりやすく言い換えると

つまり条例制定権は「法令の枠内で、地域のルールを自分で作れる権限」。罰則も上限つきで定められる。法律と同じ目的でも、実質判断で合法のことがある。

要するに押さえどころは2つ。①条例には罰則を定められるが、懲役2年以下などの上限がある(一切不可でも、無制限でもない)②法律との抵触は形式でなく、目的や規律対象を比べて実質的に判断する


試験のツボ

🔴 一番出る:法律との抵触は実質判断

①形式だけで一律に決めない

②目的や規律対象を比べて実質的に判断する(同じ目的でも合法のことがある)

🔴 次に出る:罰則の上限

条例にも罰則を定められるが、懲役2年以下・罰金100万円以下などの上限がある。

🟡 押さえると安定:法令の範囲内

条例は法令に違反しない範囲で制定できる。憲法が保障している。


よくある間違い

「法律と同じ目的の条例は、つねに違法で無効になる」→ ✗  目的や規律対象を比べて実質的に判断する。同じ目的でも合法のことがある。

「条例には、罰則を一切定められない」→ ✗  懲役2年以下・罰金100万円以下などの上限の範囲で、罰則を定められる。

「条例の罰則には、上限がまったくない」→ ✗  懲役2年以下などの上限がある。無制限ではない。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(条例制定権の意味)

📝 オリジナル問題 1 条例制定権の意味

条例制定権に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 条例制定権とは、法律に反する条例でも自由に制定できる権限をいう
  2. 条例制定権とは、国だけがもつ立法権をいうものとされる
  3. 条例制定権とは、私人が自由にルールをつくる権限をいうものとされる
  4. 条例制定権は、法令に違反しない範囲で条例を制定する地方の権限
コートイーグル
コートイーグル 解答・解説

解答は 4 だ。

上から見渡せば、条例制定権は、法令に違反しない範囲で条例を制定する、地方公共団体の権限だ。

選択肢1の「法律に反しても自由」、選択肢2の「国だけ」、選択肢3の「私人が自由に」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1法令の枠内に限られる
2地方公共団体の権限
3私人のルールづくりではない
4法令の範囲内で制定する地方の権限で正しい

オリジナル問題2(罰則の上限)

📝 オリジナル問題 2 条例の罰則

条例の罰則に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 条例には、罰則を一切定められないものとされている
  2. 条例にも罰則を定められるが、懲役2年以下などの上限がある
  3. 条例の罰則には、上限がまったくなく自由に定められるとされる
  4. 条例の罰則は、国の許可がなければ定められないものとされている
コートイーグル
コートイーグル 解答・解説

解答は 2 だ。

条例にも罰則を定められるが、懲役2年以下・罰金100万円以下などの上限がある。一切不可でも、無制限でもないぞ。

選択肢1の「一切定められない」、選択肢3の「上限がない」、選択肢4の「国の許可が必要」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1上限の範囲で定められる
2罰則は定められるが上限ありで正しい
3上限がある
4国の許可は要件ではない

オリジナル問題3(法律との抵触の判断)

📝 オリジナル問題 3 法律と条例の抵触

法律と条例の抵触の判断に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 法律と同じ目的をもつ条例は、つねに違法で無効になるものとされている
  2. 法律と条例が抵触するかは、形式だけで一律に判断されるとされる
  3. 法律と条例の抵触は、両者の目的や規律対象を比べて実質的に判断する
  4. 条例は、法律より厳しい基準を定めることは一切できないとされる
コートイーグル
コートイーグル 解答・解説

解答は 3 だ。

法律と条例の抵触は、形式だけで決めず、両者の目的や規律対象を比べて実質的に判断する。同じ目的でも合法のことがあるぞ。

選択肢1の「つねに違法」、選択肢2の「形式だけで一律」、選択肢4の「厳しい基準は一切不可」は、いずれも誤りだ。

選択肢判定理由
1同じ目的でも合法のことがある
2形式だけでは判断しない
3目的・規律対象を比べ実質判断で正しい
4上乗せ条例など厳しい基準も可の場合がある

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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