議決事件とは(全体像)
上から見渡そう。議決事件とは、地方公共団体の意思決定のうち、議会の議決を経ることが必要とされる事項のことだ。長が単独で決めてよいのではなく、議会の議決がいる、重要な事柄が並ぶ。
法律は、議会が必ず議決すべき事項を列挙している(法定議決事件)。おもなものは次のとおり。
- 条例の制定改廃
- 予算の決定
- 決算の認定
- 地方税・使用料などの賦課徴収
- 重要な契約の締結
- 財産の取得・処分
- 公の施設の設置廃止 など
こうした重要事項は、議会の議決を経なければ進められない、と俯瞰しておこう。
詳しく:二段構造と、範囲の限定
ここが心臓部。法定+条例追加の二段構造と、契約の限定を見渡す。
議決事件の二段構造
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 法定議決事件 | 法律が列挙する、必ず議決すべき事項(条例・予算など) |
| 条例追加議決事件 | 条例によって、法定以外の事項を議決事件に追加できる |
まず二段構造。議決事件は、法律で定められた法定議決事件だけではない。条例によって、法定の事項以外を議決事件に追加することもできる。これにより、その地方公共団体の判断で、議会の関与する範囲を広げられる。「議決事件=法律の列挙だけ」と思い込まないこと。
次に、範囲の限定だ。
契約は「重要な契約」だけ
| 区分 | 議決事件か |
|---|---|
| 重要な契約 | なる |
| すべての契約 | ならない(重要なものに限る) |
法定議決事件のなかには「重要な契約の締結」があるが、これはすべての契約を意味しない。重要な契約に限られる。日常の細かな契約まで、いちいち議会の議決が必要になるわけではない、という点を押さえておこう。
わかりやすく言い換えると
つまり議決事件は「議会の議決がいる重要事項」。法律が定める法定議決事件に加え、条例で追加もできる二段構造。契約は重要なものだけが対象になる。
要するに押さえどころは2つ。①議決事件は、法定議決事件(条例・予算など)と条例追加議決事件の二段構造、②契約は「重要な契約」に限られ、すべての契約が議決事件になるわけではない。
試験のツボ
🔴 一番出る:二段構造
①法律が列挙する法定議決事件(条例・予算・決算など)
②条例によって、法定以外の事項を議決事件に追加できる
🔴 次に出る:契約は「重要な契約」だけ
すべての契約ではなく、重要な契約の締結が議決事件になる。
🟡 押さえると安定:主な法定議決事件
条例の制定改廃・予算・決算・税の賦課徴収・財産の取得処分など。
よくある間違い
①「議決事件は、法律が定める事項だけである」→ ✗ 条例によって、法定以外の事項を議決事件に追加できる。
②「すべての契約が、当然に議決事件となる」→ ✗ 議決事件となる契約は「重要な契約」に限られる。
③「議決事件は、長が単独で自由に決められる事項である」→ ✗ 議決事件は、議会の議決を経ることが必要な事項。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(議決事件の意味)
議決事件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 議決事件とは、長が単独で自由に決められる事項をいうものとされている
- 議決事件は、議会の議決が必要な事項で、法定と条例追加からなる
- 議決事件とは、住民投票が必要な事項だけをいうものとされる
- 議決事件とは、国の承認が必要な事項をいうものとされている
解答は 2 だ。
上から見渡せば、議決事件は、議会の議決が必要な事項で、法定議決事件と条例追加議決事件からなる二段構造だ。
選択肢1の「長が単独で」、選択肢3の「住民投票だけ」、選択肢4の「国の承認」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 議会の議決が必要 |
| 2 | ✓ | 議会の議決が必要・二段構造で正しい |
| 3 | ✗ | 住民投票が要件ではない |
| 4 | ✗ | 国の承認の話ではない |
オリジナル問題2(条例による追加)
議決事件の追加に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 議決事件は、法律で定められた事項に限られ、追加はできないとされる
- 議決事件は、長の判断で自由に追加できるものとされている
- 議決事件は、条例によって法定の事項以外を追加することができる
- 議決事件は、住民の請求がなければ追加できないものとされている
解答は 3 だ。
議決事件は、条例によって、法定の事項以外を追加することができる。法律の列挙だけではないぞ。
選択肢1の「追加できない」、選択肢2の「長が自由に追加」、選択肢4の「住民の請求が必要」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 条例で追加できる |
| 2 | ✗ | 長が自由に追加するのではない |
| 3 | ✓ | 条例で法定以外を追加でき正しい |
| 4 | ✗ | 住民の請求は要件ではない |
オリジナル問題3(契約の限定)
契約と議決事件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 議決事件となる契約は、重要な契約に限られ、すべてではない
- ありとあらゆる契約が、当然に議決事件となるものとされている
- 契約は、金額に関係なくすべて議決事件となるものとされる
- 契約は、議決事件にはまったく含まれないものとされている
解答は 1 だ。
議決事件となる契約は、重要な契約に限られ、すべての契約ではない。日常の細かな契約まで議決が必要になるわけではないぞ。
選択肢2の「ありとあらゆる契約」、選択肢3の「金額に関係なくすべて」、選択肢4の「まったく含まれない」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 重要な契約に限られ正しい |
| 2 | ✗ | すべての契約ではない |
| 3 | ✗ | 重要な契約に限られる |
| 4 | ✗ | 重要な契約は議決事件になる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 意味 = 議会の議決を経ることが必要な事項。条例・予算・決算など。
- 🔴 二段構造 = 法定議決事件と、条例で追加できる議決事件からなる。
- 🟡 契約の限定 = 議決事件となる契約は「重要な契約」に限られる。
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執筆: SikakuQuest編集部