議会の権限とは(全体像)
上から議会の権限を見渡そう。地方議会は、住民の代表として、地方公共団体の意思を決定する機関だ。その権限は多様で、おもに次のものがある。
- ①議決権 … 条例の制定・予算など、重要事項を決定する。
- ②選挙権 … 議長・副議長などを選挙する。
- ③検査権 … 事務の執行を検査する。
- ④調査権(百条調査権) … 関係人の出頭・証言・記録提出を求める。
- ⑤意見書提出権 … 国会や関係行政庁に意見書を出す。
「議会の権限=議決だけ」と思い込まないこと。議決はあくまで権限の一つで、検査・調査などの統制の権限も広くもっている。
詳しく:調査権(百条調査権)の強制力と、議決権
ここが心臓部。百条調査権の強さと、議決権の中身を見渡す。
議会の主な権限
| 権限 | 内容 |
|---|---|
| 議決権 | 条例・予算など重要事項の決定 |
| 検査権 | 事務執行の検査 |
| 調査権(百条調査権) | 関係人の出頭・証言・記録提出を求める |
| 意見書提出権 | 国会・関係行政庁への意見書提出 |
まず、よく問われる調査権(百条調査権)。これは、議会が事務を調査するために、関係人に出頭・証言・記録の提出を求めることができる、強制力のある権限だ。出頭や証言を拒否すると罰則がある。「単なる任意の協力依頼」ではない、という強さを押さえておこう。
次に議決権。
議決権の対象(例)
| 対象 | 例 |
|---|---|
| 条例 | 条例の制定・改廃 |
| 予算 | 予算の議決 |
議決権は、条例の制定や予算など、地方公共団体の重要事項を決定する中核の権限だ。軽い事務だけを扱うわけではなく、まさに団体の意思を決める重い権限だと捉えよう。
わかりやすく言い換えると
つまり議会の権限は「議決だけでなく、検査・調査・意見書など多様」。なかでも調査権(百条調査権)は出頭・証言を求める強制力をもち、議決権は条例・予算など重要事項を決める。
要するに押さえどころは2つ。①議会の権限は議決権のほか検査・調査・意見書提出など多様(議決だけではない)、②調査権(百条調査権)は出頭・証言などを求める強制力ある権限で、議決権は条例・予算など重要事項を決定する。
試験のツボ
🔴 一番出る:権限は多様(議決だけではない)
①議決権のほか、選挙・検査・調査・意見書提出など多様な権限がある
②「議会の権限=議決だけ」ではない
🔴 次に出る:調査権(百条調査権)の強制力
関係人の出頭・証言・記録提出を求める強制力をもつ。拒否には罰則がある。
🟡 押さえると安定:議決権
条例の制定や予算など、重要事項を決定する中核の権限。
よくある間違い
①「議会の権限は、議決だけである」→ ✗ 議決・選挙・検査・調査・意見書提出など、多様な権限がある。
②「百条調査権は、単なる任意の協力依頼にすぎない」→ ✗ 出頭・証言などを求める強制力があり、拒否には罰則がある。
③「議会の議決権は、予算については行使できない」→ ✗ 予算の議決も、議決権の重要な対象。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(権限の多様さ)
地方議会の権限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 議会は、議決のほか選挙・検査・調査・意見書提出など多様な権限をもつ
- 議会の権限は、条例を議決することのただ1つだけに限られるとされている
- 議会には、事務の検査や調査を行う権限はないものとされている
- 議会の権限は、すべて長の許可がなければ行使できないとされる
解答は 1 だ。
上から見渡せば、議会は、議決のほか選挙・検査・調査・意見書提出など多様な権限をもつ。議決だけではないぞ。
選択肢2の「議決1つだけ」、選択肢3の「検査・調査の権限なし」、選択肢4の「長の許可が必要」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 多様な権限をもち正しい |
| 2 | ✗ | 議決以外にも権限がある |
| 3 | ✗ | 検査権・調査権をもつ |
| 4 | ✗ | 長の許可は不要 |
オリジナル問題2(百条調査権の強制力)
議会の調査権に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 議会の調査権(百条調査権)は、単なる任意の協力依頼にすぎないとされる
- 議会の調査権では、関係人に出頭や証言を求めることはできないとされる
- 議会の調査権(百条調査権)は、出頭・証言などを求める強制力をもつ
- 議会の調査権は、長の同意がなければ行使できないものとされている
解答は 3 だ。
議会の調査権(百条調査権)は、関係人の出頭・証言などを求める強制力をもつ。拒否には罰則があり、単なるお願いではないぞ。
選択肢1の「任意の協力依頼」、選択肢2の「出頭を求められない」、選択肢4の「長の同意が必要」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 強制力のある権限 |
| 2 | ✗ | 出頭・証言を求められる |
| 3 | ✓ | 出頭・証言などを求める強制力で正しい |
| 4 | ✗ | 長の同意は不要 |
オリジナル問題3(議決権)
議会の議決権に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 議会の議決権は、ごく軽微な事務だけを対象とするものとされている
- 議会は議決権により、条例の制定や予算などの重要事項を決定する
- 議会の議決権は、予算については行使できないものとされている
- 議会の議決権は、住民の同意がなければ行使できないとされる
解答は 2 だ。
議会は議決権により、条例の制定や予算などの重要事項を決定する。軽い事務だけを扱うわけではないぞ。
選択肢1の「軽微な事務だけ」、選択肢3の「予算は行使できない」、選択肢4の「住民の同意が必要」は、いずれも誤りだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 重要事項を決定する |
| 2 | ✓ | 条例・予算など重要事項を決定で正しい |
| 3 | ✗ | 予算も議決の対象 |
| 4 | ✗ | 住民の同意は要件ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 権限は多様 = 議決権のほか選挙・検査・調査・意見書提出など。議決だけではない。
- 🔴 百条調査権の強制力 = 関係人の出頭・証言・記録提出を求める。拒否には罰則がある。
- 🟡 議決権 = 条例の制定や予算など、重要事項を決定する中核の権限。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部