遺贈とは?放棄のしかたと死因贈与との違い

公開: 更新: カテゴリ: 民法

30秒で結論

遺贈とは(全体像)

遺贈とは、遺言によって、自分の財産を無償で他人に譲ること。遺言で行う単独行為なので、相手の合意はいらず、効力が生じるのは亡くなったとき。

2種類を押さえる。

包括遺贈は「まるごと・割合で譲る」、特定遺贈は「この財産だけ譲る」とイメージすると整理しやすい。


詳しく:放棄のしかたと死因贈与との違い

ここが心臓部。2つの遺贈で放棄のしかたが違うこと、そして死因贈与との区別が問われる。

包括遺贈と特定遺贈の放棄

種類受遺者の立場放棄のしかた
包括遺贈相続人と同じような権利義務知った時から3か月以内(相続と同じ)
特定遺贈特定の財産を受け取る時期を問わず放棄できる

包括遺贈の受遺者は相続人に近い立場なので、放棄も相続と同じく知った時から3か月以内にする必要がある。一方、特定遺贈は、時期を問わず自由に放棄できる。この放棄のしかたの違いがよく問われる。

次に、よく似た「死因贈与」との違い。

遺贈と死因贈与の違い

観点遺贈死因贈与
性質遺言による単独行為契約(あげる人ともらう人の合意)
効力が生じる時亡くなったとき亡くなったとき

どちらも「亡くなったときに効力が生じる」点は同じだが、遺贈は遺言による単独行為死因贈与は契約(合意が必要)という違いがある。

わかりやすく言い換えると

つまり、遺贈は「遺言で財産を人に譲る」しくみ。全部や割合で譲るのが包括遺贈、特定の物を譲るのが特定遺贈。

放棄は「包括は3か月以内・特定は時期を問わず」。死因贈与との違いは「遺贈は一人で決める遺言、死因贈与は二人の合意」。要するに、合意がいるかどうかで見分ける、と覚えるとラク。


試験のツボ

🔴 一番出る:包括遺贈と特定遺贈

①包括遺贈 = 全部や一定割合を譲る(相続人と同じような権利義務、借金も承継)

②特定遺贈 = 特定の財産を譲る

🔴 次に出る:放棄のしかたの違い

包括遺贈は知った時から3か月以内、特定遺贈は時期を問わず放棄できる。

🟡 押さえると安定:死因贈与との違い

遺贈は遺言による単独行為、死因贈与は契約。どちらも死亡時に効力が生じる。


よくある間違い

「遺贈と死因贈与はまったく同じもの」→ ✗  遺贈は単独行為(遺言)、死因贈与は契約。合意がいるかどうかが違う。

「包括遺贈の受遺者は、借金(マイナスの財産)は引き継がない」→ ✗  包括受遺者は相続人と同じような立場で、借金も引き継ぐ。

「特定遺贈も、放棄は3か月以内にしなければならない」→ ✗  3か月以内なのは包括遺贈。特定遺贈は時期を問わず放棄できる。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(遺贈の意義)

📝 オリジナル問題 1 遺贈の意義

遺贈に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 遺贈は、あげる人ともらう人の合意によって成立する契約とされている
  2. 遺贈は、遺言によって自分の財産を無償で他人に譲る単独行為とされる
  3. 遺贈は、遺言者が生きている間に効力が生じるものとされている
  4. 遺贈は、有償で財産を譲る契約の一種とされている
シビヒュドラ
シビヒュドラ 解答・解説

解答は 2 である。

遺贈は、遺言によって自分の財産を無償で他人に譲る単独行為なのだ。相手の合意はいらず、亡くなったときに効力が生じるのだよ。

選択肢1は「合意による契約」とする点が誤りだ。選択肢3の「生きている間に効力」、選択肢4の「有償の契約」も誤り。

選択肢判定理由
1遺贈は単独行為で合意は不要
2遺言で無償で譲る単独行為で正しい
3効力が生じるのは亡くなったとき
4遺贈は無償

オリジナル問題2(包括遺贈と特定遺贈)

📝 オリジナル問題 2 包括遺贈と特定遺贈

包括遺贈と特定遺贈に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 包括遺贈の受遺者は、プラスの財産だけを受け取り、借金は引き継がないものとされる
  2. 特定遺贈は財産の全部や割合を譲るもので、特定の財産を譲ることはできないとされる
  3. 包括遺贈は全部や一定割合を譲るもので、受遺者は相続人と同じような権利義務を負う
  4. 包括遺贈も特定遺贈も、放棄のしかたにはまったく違いがないものとされている
シビヒュドラ
シビヒュドラ 解答・解説

解答は 3 だ。

包括遺贈は全部や一定割合を譲るもので、受遺者は相続人と同じような権利義務を負うのだ。だから借金も引き継ぐのだよ。

選択肢1は「借金は引き継がない」とする点が誤りだ。選択肢2は包括と特定の説明が逆。選択肢4の「放棄に違いがない」も誤り。

選択肢判定理由
1包括受遺者は借金も引き継ぐ
2包括と特定の説明が逆
3包括は全部や割合・相続人類似で正しい
4放棄のしかたに違いがある

オリジナル問題3(死因贈与との違い)

📝 オリジナル問題 3 死因贈与との違い

遺贈と死因贈与の違いに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 遺贈は遺言による単独行為で、死因贈与は当事者の合意による契約とされる
  2. 遺贈も死因贈与も、どちらも当事者の合意による契約とされている
  3. 遺贈は契約で、死因贈与は遺言による単独行為とされている
  4. 遺贈も死因贈与も、遺言者が生きている間に効力が生じるものとされている
シビヒュドラ
シビヒュドラ 解答・解説

解答は 1 である。

遺贈は遺言による単独行為で、死因贈与は当事者の合意による契約なのだ。どちらも亡くなったときに効力が生じる点は同じだが、合意がいるかどうかが違うのだよ。

選択肢2は「どちらも契約」とする点が誤りだ。選択肢3は遺贈と死因贈与が逆。選択肢4の「生きている間に効力」も誤り。

選択肢判定理由
1遺贈は単独行為・死因贈与は契約で正しい
2遺贈は単独行為
3遺贈と死因贈与の説明が逆
4効力が生じるのは亡くなったとき

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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