行政書士試験の記述式対策|配点60点をどう取る?

公開: 更新: カテゴリ: 学習法・キャリア

結論——記述式は、恐れず備えれば得点源になる

まず、いちばん気になるところから。行政書士試験の記述式は、配点が大きく、合否を左右します。でも、正しく準備すれば、決して「捨て問」ではなく、むしろ頼れる得点源になります。

記述式は、3問で合計60点。試験全体の合格点が180点なので、記述式だけで、その3分の1にあたる配点を占めます。ここを白紙で出してしまうと、合格はぐっと遠のく。だからこそ、避けて通るのではなく、しっかり向き合う価値があります。

とはいえ、身構えすぎる必要はありません。記述式といっても、問われるのは1問あたり40字程度。長い論文を書くわけではなく、学んだ知識を、短くまとめて答えるだけです。しかも、部分点があるので、完璧でなくても点は入ります。

つまり、記述式は「正しく恐れる」のがコツ。むやみに怖がるのでも、軽く見るのでもなく、中身を知って、必要な準備をする。それさえできれば、記述式はあなたの味方になります。では、その中身から見ていきましょう。


記述式とは、どんな問題か

まず、記述式がどんな問題なのかを、具体的につかんでおきます。

行政書士試験の記述式は、3問出題されます。内訳は、行政法から1問、民法から2問。択一式のように選択肢から選ぶのではなく、設問に対して、自分の言葉で40字程度の文章を書いて答えます。

問われるのは、知識そのものです。たとえば、ある事例を示して「この場合、誰が、どんな請求をできるか」「どういう要件で認められるか」といった形で、学んだ法律の知識を、事例に当てはめて答えさせます。行政法なら、行政が法律に基づいて判断する行政行為や、その取消しを求める取消訴訟の仕組みが、よく題材になります。

民法の2問は、契約や債権、物権、家族法など、幅広い分野から出題されます。いずれも、択一式で問われる知識と地続きなので、まったく別の勉強が必要になるわけではありません。

各問の配点は20点で、3問で60点。1問の中でも、「誰が」「何を」「どういう要件で」といった要素ごとに、部分点が割り振られていると考えられています。だから、要素を一つでも多く正しく書ければ、その分だけ点が積み上がる仕組みです。

3問・各20点・合計60点。行政法から1問、民法から2問。問われるのは40字ほどの短い記述である。完璧な一文ではなく、要素を一つずつ拾うことが、点につながると心得よ。

要するに、記述式は「短い文で、知識の要素を並べる」問題。文章のうまさではなく、知識の正確さが問われているんです。


部分点を、こぼさず拾う

記述式で大切なのは、「満点を狙うより、部分点を確実に拾う」という発想です。ここを理解すると、ぐっと気が楽になります。

記述式は、答えにいくつかの要素が含まれます。たとえば「誰が」「誰に対して」「何を」「どんな要件で」といった具合です。採点では、こうした要素が正しく書けているかが見られると考えられています。

だから、たとえ完璧な答案でなくても、要素を一つでも多く正しく書ければ、その分の点はもらえます。逆に、「うまく書けないから」と白紙で出すのが、いちばんもったいない。思いつく要素を、とにかく書き出すことが、得点への近道です。

わかりやすく言い換えると、記述式は「全部書けないと0点」ではなく、「書いた分だけ点が入る」問題。この理解があるだけで、本番で手が止まりにくくなります。

正直なところ、本番では、緊張で頭が真っ白になることもあります。そんなときも、キーワードだけでも書き出す。覚えている要素を、一つずつ並べる。その姿勢が、1点でも多くを拾うことにつながります。


記述式の答えを、要素に分けてみる

「要素ごとに点が入る」と言われても、ピンとこないかもしれません。具体的に、どう分かれるのかをイメージしてみましょう。

たとえば、「ある行政処分に不満があるとき、誰が、どんな訴えを起こせるか」を40字で書く、という形の問題があったとします。このとき、答えには「処分を受けた人が(誰が)」「その取消しを求めて(何を)」「取消訴訟を起こす(どんな手段で)」といった要素が含まれます。採点では、こうした要素が押さえられているかが見られると考えられています。

だから、勉強のときも、模範解答を丸暗記するのではなく、「この問題で問われている要素は何か」を分解してつかむクセをつけると、応用がききます。少し設定を変えられても、要素さえ押さえていれば、落ち着いて対応できるからです。

書く練習を始めると、つまずきやすい点もあります。よくあるのが、字数の使い方です。40字という制限の中で、聞かれていないことまで書こうとすると、肝心の要素が入りきりません。まず「何を問われているか」を見極め、答えの中心からコンパクトに書くことが大切です。

もうひとつは、結論だけを書いてしまうこと。「取消訴訟を起こす」とだけ書いても、「誰が」「何を求めて」が抜けていれば、拾える点は限られます。要素を意識して、もれなく盛り込む。これが、部分点を最大化するコツなんです。


「書いて覚える」が、記述式に効く理由

ここで、学習面の大事なヒントを。記述式の対策は、「読むだけ」より「書いて思い出す」練習が、ずっと効果的です。これには、記憶のしくみが関わっています。

人の記憶は、ただ眺めるよりも、自分の頭から「思い出す」ときに強く定着します。テキストを読んで「分かったつもり」になっても、いざ何も見ずに書こうとすると、意外と出てこない。この「出てこなさ」に気づき、思い出す練習を重ねることで、知識は使える形で身についていきます。

記述式の勉強は、まさにこの「思い出して書く」を繰り返す作業です。問題を見て、何も見ずに、自分の言葉で答えを書いてみる。書けなかったら、確認して、また書く。この往復が、知識を深く根づかせます。

しかも、この力は記述式だけでなく、択一式にも効きます。書いて思い出せるレベルまで理解した知識は、選択肢を見たときにも、自信を持って判断できる。つまり、記述対策は、試験全体の土台を底上げしてくれるんです。

読んで分かった気になるだけでは、知識は根づかぬ。何も見ずに思い出し、書いてみる――この「再生」の苦しさこそ、記憶を鍛える鍛冶の火なのだ。書けぬところが見えたなら、それは伸びしろが見えたということである。

個人的には、記述式の練習は「自分の理解度を測る鏡」だと思います。書けない部分は、まだ曖昧な部分。そこが分かるだけでも、勉強の効率は大きく変わります。


いつから、どう備えるか

最後に、記述式対策を、いつから、どう進めるかの目安を。

おすすめは、択一式の学習と、切り離さないこと。記述式のためだけに特別な勉強をするというより、ふだんの学習で得た知識を、「書いて答える」形でも確認していく。そんな進め方が、無理がありません。

時期としては、基礎がある程度かたまってから、過去問や問題集で、実際に書く練習を始めるとよいでしょう。早すぎると知識が足りず手が止まりますが、直前に回しすぎると、書く感覚が育ちません。学習の後半に、少しずつ書く量を増やしていくイメージです。

そして、書いたら必ず、模範解答と見比べること。どの要素が抜けたか、どう書けば伝わるかを確認し、次に活かす。この振り返りが、記述式の力を伸ばします。一度書いた問題も、しばらく経ってからもう一度、何も見ずに書いてみる。同じ問題を間隔をあけてくり返すことで、知識はいっそう定着していきます。

要するに、記述式は、特別扱いせず、日々の学習に「書く練習」を混ぜていくのが王道です。恐れず、こつこつと。40字を積み重ねた先に、60点という大きな得点源が待っています。最初は一行も書けなくても、心配はいりません。書けない自分に気づくことが、もう対策の第一歩になっているのですから。



理解度チェック

ここまでの内容、どれくらい身についたかチェックしてみよう。

📝 オリジナル問題 1 記述式の配点

行政書士試験の記述式について、正しいものはどれか。

  1. 配点はごくわずかで合否に関係しないとされる
  2. 3問で合計60点を占める大きな配点である
  3. すべて長い論文を書かせる形式となっている
  4. 記述式は択一の選択肢から選ぶだけでよい
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 2 である。

記述式は3問で合計60点。つまり、合格点180点の3分の1を占める、合否を左右する大きな配点なのだ。

選択肢判定理由
1✗ 誤り配点は大きい
2✓ 正解3問で60点
3✗ 誤り40字程度で答える
4✗ 誤り自分の言葉で書く

要するに、記述式は避けて通れない、大きな得点源なのである。

📝 オリジナル問題 2 部分点の考え方

記述式の部分点について、正しいものはどれか。

  1. 完璧に書けなければ点はいっさいもらえない
  2. 白紙で出しても一定の点が必ずもらえる
  3. 答えの要素を拾えた分だけ点が積み上がる
  4. 文章の美しさだけで点数が決められる
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 3 である。

記述式は、答えの要素ごとに部分点があると考えられている。わかりやすく言い換えると、要素を一つでも多く正しく書けば、その分だけ点が積み上がるのだ。

選択肢判定理由
1✗ 誤り部分点がある
2✗ 誤り白紙では入らない
3✓ 正解要素ごとに加点
4✗ 誤り問われるのは知識

つまり、書いた分だけ点が入るので、白紙はもっとも惜しいのである。

📝 オリジナル問題 3 記述式に効く学習

記述式の対策として効果的な学習は、次のどれか。

  1. 何も見ずに思い出して書く練習を重ねる
  2. テキストをただ繰り返し眺めるだけにする
  3. 記述式は直前にまとめて詰め込めばよい
  4. 択一の勉強とは完全に切り離して進める
ロアマスター
ロアマスター 解答・解説

解答は 1 である。

記憶は、眺めるより「思い出す」ときに強く定着する。つまり、何も見ずに書いてみる練習こそが、知識を使える形で根づかせるのだ。

選択肢判定理由
1✓ 正解思い出して書く
2✗ 誤り眺めるだけでは弱い
3✗ 誤り書く感覚が育たない
4✗ 誤り択一の学習と地続き

要するに、書いて思い出す練習が、記述式の力を育てるのである。


「記述式は、恐れず備えれば得点源になる」と感じてもらえたなら、編集部としてはとても嬉しいです。

記述式は、配点こそ大きいものの、問われるのは40字ほどの短い記述。完璧を目指さず、要素を一つずつ拾い、ふだんの学習に「書いて思い出す」練習を混ぜていけば、着実に力はついていきます。なお、出題数や配点などの細かい点は、受験する年度の公式案内で確認しておくと安心です。

その「書いて思い出す」練習に、4択でくり返し知識を確かめられるシカクエのアプリも選択肢の一つです。スキマ時間に、5分から試せます。

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もちろん、市販の記述式問題集で、自分のペースで進めるのも、まったく問題ありません。

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