投資と税金の関係とは(全体像)
同じ投資でも、どの入れ物(口座・制度)で運用するかで、かかる税金が大きく変わる。FP3で押さえるのは次の3つ。
- 特定口座(や一般口座) … ふつうに投資する入れ物。運用益(値上がり益・配当)に約20%(20.315%)課税される。
- NISA … 運用益が非課税になる入れ物。ただし入れるお金は所得控除にならない。
- iDeCo … 老後資金づくりの入れ物。税の優遇が3段階ある代わりに、原則60歳まで引き出せない。
つまり「税を一番取られるのが特定口座、運用益が非課税なのがNISA、入口から優遇されるのがiDeCo」と並べて押さえるとよい。
詳しく:3つの入れ物の税のちがい
ここが記事の心臓部。3つの税のしくみは、次の表にまとまっている。
NISA・iDeCo・特定口座の税
| 入れ物 | 入れるとき | 運用中の利益 | 受け取るとき |
|---|---|---|---|
| 特定口座 | 控除なし | 約20%(20.315%)課税 | (課税済み) |
| NISA | 控除なし | 非課税 | 非課税 |
| iDeCo | 全額が所得控除 | 非課税 | 課税(退職所得控除などあり) |
iDeCoの優遇は3段階。①入れたお金が全額所得控除になり、②運用中の利益が非課税、③受け取るときは課税されるが、退職所得控除などで負担をやわらげる。その代わり、原則60歳まで引き出せないのが大きな制約。
NISAは運用益が非課税で、必要なときに引き出せるのが強み。ただしiDeCoのような拠出時の所得控除はない。
わかりやすく言い換えると
要するに、こう並べると覚えやすい。
つまり「特定口座=利益に約20%課税/NISA=利益が非課税/iDeCo=入口で控除+運用非課税(でも60歳まで出せない)」。
①特定口座 … 運用益に約20%(20.315%)
②NISA … 運用益が非課税・必要なときに引き出せる・拠出は控除なし
③iDeCo … 拠出が全額所得控除・運用非課税・原則60歳まで引き出せない
試験のツボ
🔴 一番出る:3つの税の違い
①特定口座 = 運用益に約20%(20.315%)課税
②NISA = 運用益が非課税
🔴 次に出る:iDeCoの3段階と制約
①拠出は全額所得控除・運用は非課税・受給時は課税
②原則60歳まで引き出せない
🟡 押さえると安定:NISAの注意点
①運用益は非課税だが、拠出時の所得控除はない
よくある間違い
①「NISAは入れたお金も所得控除になる」→ ✗ NISAの非課税は運用益。拠出時に所得控除があるのはiDeCo。
②「iDeCoは必要なときに引き出せる」→ ✗ iDeCoは原則60歳まで引き出せない。代わりに拠出時の所得控除が大きい。
③「特定口座の運用益も非課税」→ ✗ 特定口座の運用益には約20%(20.315%)課税される。非課税なのはNISA。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(特定口座の課税)
特定口座での投資にかかる税金に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 特定口座で得た運用益は、金額の大小にかかわらずすべて非課税になるものとされている
- 特定口座で得た運用益には、所得税だけがかかり住民税はいっさいかからないものとされる
- 特定口座で得た運用益には、原則として約20%(20.315%)の税金がかかるものだ
- 特定口座で得た運用益は、受け取るときではなく入れるときに課税されるものとされている
解答は 3 だよ。
特定口座で得た運用益(値上がり益や配当)には、原則として約20%(20.315%)の税金がかかる。つまり、利益が出たら2割ほど税で持っていかれる、というのが基本だよ。
選択肢1の「すべて非課税」、選択肢2の「所得税だけ」、選択肢4の「入れるときに課税」はどれも誤り。非課税になるのはNISAだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 非課税になるのはNISA |
| 2 | ✗ | 所得税と住民税などがかかる |
| 3 | ✓ | 約20%(20.315%)課税で正しい |
| 4 | ✗ | 利益が出たときに課税される |
オリジナル問題2(NISAの非課税)
NISAの税のしくみに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- NISAは入れたお金が全額所得控除になり、運用益にも税金がかかるものとされている
- NISAは運用益が非課税になる制度で、入れるお金は所得控除にはならないものである
- NISAは運用益に約20%課税されるが、そのぶん入れたお金が所得控除になるとされている
- NISAは原則60歳まで引き出せず、受け取るときに課税される制度とされている
解答は 2 だっ。
NISAは、運用で出た利益が非課税になる制度だよっ。そのかわり、入れるお金は所得控除にはならないんだっ。「運用益が非課税・でも拠出は控除なし」とセットで覚えてねっ。
選択肢1の「入れたお金が控除+運用益に課税」、選択肢3の「運用益に課税」、選択肢4の「60歳まで引き出せない」は、どれも誤りだよっ。控除や60歳の制約はiDeCoの話だっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 運用益は非課税で、拠出は控除なし |
| 2 | ✓ | 運用益非課税・拠出は控除なしで正しい |
| 3 | ✗ | 運用益は非課税 |
| 4 | ✗ | 60歳の制約はiDeCoの話 |
オリジナル問題3(iDeCoの特徴)
iDeCoの特徴に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- iDeCoは入れたお金が所得控除にならず、運用益にも課税される制度とされている
- iDeCoは好きなときに自由に引き出せて、受け取るときも課税されない制度とされる
- iDeCoは運用益にだけ課税され、入れるときや受け取るときは無関係とされている
- iDeCoは拠出が全額所得控除・運用は非課税で、原則60歳まで引き出せない制度だ
解答は 4 である。
iDeCoは、入れたお金が全額所得控除になり、運用中の利益は非課税、受け取るときは課税されるが退職所得控除などで負担をやわらげる。その代わり、原則60歳まで引き出せないのが大きな特徴である。
選択肢1の「控除にならない」、選択肢2の「好きなときに引き出せる」、選択肢3の「運用益にだけ課税」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 拠出は全額所得控除になる |
| 2 | ✗ | 原則60歳まで引き出せない |
| 3 | ✗ | 運用益はむしろ非課税 |
| 4 | ✓ | 全額所得控除・運用非課税・60歳までで正しい |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 3つの税の違い。特定口座=運用益に約20%(20.315%)課税、NISA=運用益が非課税、iDeCo=拠出時控除+運用非課税+受給時課税。
- 🔴 iDeCoは原則60歳まで引き出せない。そのかわり拠出時の所得控除が大きい。
- 🟡 NISAは拠出時の所得控除がない。非課税になるのは運用益のほう。
次に学ぶ
- 新NISA ── 運用益が非課税になる制度のしくみ。投資枠や非課税のルールを掘り下げる。
- iDeCo ── 拠出時控除・運用非課税・受給時課税の3段階優遇と60歳までの制約。
- 金融商品の税金 ── 特定口座などでかかる約20%課税のしくみ。税の土台。
執筆: SikakuQuest編集部