投資信託の分類とは(全体像)
投資信託の分類は、たくさんある投資信託を仕分けるための3つの物差しのこと。FP3級では、この3つをセットで押さえる。
- 購入時期 … いつ買えるか。追加型と単位型に分かれる。
- 内容 … 中身に株式を入れられるか。株式投信と公社債投信に分かれる。
- 募集形態 … 誰に売るか。公募と私募に分かれる。
要するに、1つの商品がこの3軸の組み合わせで決まること。たとえばMMFは「公社債投信(内容)・追加型(購入時期)・公募(募集形態)」という組み合わせになる。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。3軸の中身は、次の表に全部つまっている。
投資信託の3軸の分類
| 軸 | 区分 | 中身 |
|---|---|---|
| 購入時期 | 追加型 | 設定後も随時買える(MMF・多くのインデックスファンド等) |
| 単位型 | 最初の募集期間中だけ買える(設定後は新規購入できない) | |
| 内容 | 株式投資信託 | 約款で株式を組み入れることが「できる」 |
| 公社債投資信託 | 約款で株式を組み入れることが「できない」(公社債のみで運用) | |
| 募集形態 | 公募 | 不特定多数の投資家に広く売る |
| 私募 | 少人数または適格機関投資家にだけ売る |
いちばん間違えやすいのが内容の区分。つまり、株式投信か公社債投信かは、約款で株式を入れられるかどうかで決まる。だから、株式投信に分類されていても、実際には株式をまったく組み入れていないこともある。「中身の実物」ではなく「約款のルール」で見分けるのがコツ。
なお、MMF(マネー・マネージメント・ファンド)は公社債投資信託の代表例。よく問われるので押さえておく。
わかりやすく言い換えると
要するに、こう覚えるとラク。
①購入時期 … 追加型は「営業中はずっと入れるお店」、単位型は「開店セールのときだけ入れるお店」。
②内容 … 株式投信は「株を入れてもOKのカゴ」、公社債投信は「株は入れちゃダメのカゴ」。判定は約款のルールで決まる。
③募集形態 … 公募は「みんなに売る」、私募は「身内だけに売る」。
試験のツボ
🔴 一番出る:内容の区分は「約款」で決まる
①株式投資信託 = 約款で株式を入れられる
②公社債投資信託 = 約款で株式を入れられない(株を1株も入れなくても、入れられるなら株式投信)
🔴 次に出る:購入時期の対比
①追加型 = 設定後も随時買える(MMF等)
②単位型 = 最初の募集期間中だけ
🟡 押さえると安定:募集形態とMMF
①公募 = 不特定多数/私募 = 少人数または適格機関投資家
②MMF = 公社債投信・追加型・公募の代表例
よくある間違い
①「投資信託はぜんぶ追加型」→ ✗ 追加型と単位型の2区分がある。単位型は募集期間中しか買えない。
②「株式投信かどうかは、実際に株を入れているかで決まる」→ ✗ 決め手は約款。株を入れられる定めなら、実際に入れていなくても株式投信。
③「公募と私募は同じもの」→ ✗ 公募は不特定多数、私募は少人数または適格機関投資家。売る相手が違う。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(内容による分類)
投資信託の内容による分類に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 投資信託の株式投信と公社債投信は実際の株式の組入状況だけで決まり、約款の定めとは無関係に区別されるとされている
- 投資信託は株式投資信託(約款で株式の組入ができる)と公社債投資信託(約款で株式の組入ができない)に分かれる
- 投資信託の内容はすべて公社債投資信託に統一され、株式投資信託という区分は存在しないものとされている
- 投資信託の内容は契約者の自動車保険の保険料水準と連動して自動的に決まる仕組みになっているとされる
解答は 2 だよ。
つまり、内容の区分は約款の定めで決まるんだ。約款で株式の組入ができれば株式投資信託、できなければ公社債投資信託だよ。実際に株を入れているかどうかでは決まらないし、すべて公社債投信に統一されているわけでも、自動車保険と連動するわけでもないんだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 区別の基準は約款の定めで、実際の組入状況ではない |
| 2 | ✓ | 株式投信=約款で株式組入可/公社債投信=約款で株式組入不可で正しい |
| 3 | ✗ | 株式投資信託という区分は存在する |
| 4 | ✗ | 自動車保険と連動して内容が決まる仕組みではない |
オリジナル問題2(購入時期による分類)
投資信託の購入時期による分類に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 投資信託はどれもすべて単位型で、設定された後はどの商品も新規には購入できないものとされている
- 投資信託の購入時期は契約者の火災保険の補償内容と連動して自動的に決まるものとされている
- 投資信託の購入時期はすべて追加型に統一され、単位型という区分はそもそも存在しないとされる
- 投資信託は追加型(設定後も随時購入可)と単位型(最初の募集期間中だけ購入可)に分かれる
解答は 4 だっ。
要するに、購入時期は追加型と単位型の2つに分かれるんだっ!追加型はMMFのように設定後も随時買えるタイプ、単位型は最初の募集期間中だけ買えるタイプだっ。すべて単位型でも、すべて追加型でもないし、火災保険と連動するわけでもないっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 追加型は設定後も購入でき、すべて単位型ではない |
| 2 | ✗ | 火災保険と連動して購入時期が決まる仕組みではない |
| 3 | ✗ | 単位型という区分は存在する |
| 4 | ✓ | 追加型=設定後も随時/単位型=募集期間中のみで正しい |
オリジナル問題3(募集形態による分類)
投資信託の募集形態による分類に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 投資信託は公募(不特定多数への勧誘)と私募(少人数または適格機関投資家への勧誘)に分かれる
- 投資信託の募集形態は契約者の自動車保険の保険料水準と連動して自動的に決まるものとされている
- 投資信託の公募と私募は売る相手も開示の扱いもまったく同じで、両者を区別する意味はないとされる
- 投資信託の募集形態はすべて私募に統一され、不特定多数に広く売る公募は存在しないものとされる
解答は 1 である。
つまり、募集形態は公募と私募の2つに分かれる。公募は不特定多数の投資家に広く売り、私募は少人数または適格機関投資家にだけ売る。売る相手が違うので、同じものではない。自動車保険と連動するわけでも、すべて私募に統一されるわけでもない。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 公募=不特定多数/私募=少人数or適格機関投資家で正しい |
| 2 | ✗ | 自動車保険と連動して募集形態が決まる仕組みではない |
| 3 | ✗ | 売る相手が異なる別区分である |
| 4 | ✗ | 公募は存在し、すべて私募ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 内容 = 株式投信(約款で株式組入可)/公社債投信(約款で株式組入不可)。判定は約款のルールで決まる。
- 🔴 購入時期 = 追加型(設定後も随時)/単位型(募集期間中だけ)。MMFは追加型。
- 🟡 募集形態 = 公募(不特定多数)/私募(少人数または適格機関投資家)。MMFは「公社債投信・追加型・公募」の組み合わせ。
次に学ぶ
- 株価指数 ── 日経平均・TOPIXの市場全体の動きを見る指標。投資信託の分類は個別商品の整理軸という対比で押さえる。
- 株式(売買) ── 100株単位の現物株売買のルール。投資信託は別の運用手段という対比で混ざらない。
- PER ── 株価÷EPSで割安/割高を見る個別銘柄の指標。投資信託は商品性の整理軸。
執筆: SikakuQuest編集部