居住用財産3000万円特別控除とは?|FP3級で押さえる本質をシンプルに解説

公開: 更新: カテゴリ: 不動産

30秒で結論

居住用財産3000万円特別控除とは(全体像)

居住用財産3000万円特別控除は、自分が住んでいた家(マイホーム)を売って利益(譲渡所得)が出たとき、その利益から最高3,000万円を差し引ける特例のこと。

たとえば2,000万円で買った自宅が5,000万円で売れて3,000万円の利益が出ても、ちょうど3,000万円を引けるので税金はゼロになる。マイホームの売却税負担を大きく軽くする、不動産税金の中心論点だ。

押さえる柱は3つ。


詳しく:この表だけ覚えれば戦える

ここが記事の心臓部。中身はこの表に全部つまっている。

居住用財産3000万円特別控除の全体像

項目内容
控除額利益(譲渡所得)から最高3,000万円
所有期間長期(5年超)・短期(5年以下)どちらもOK
期限なし(いつまでも使える)
対象今住んでいる家/前に住んでいた家/その敷地
使える回数前年・前々年に使っていたら今年は不可(3年に1度)

対象になる家は次の3つ。とくに②の「引っ越した後いつまで使えるか」の数え方が問われる。

対象になる家(3類型)

中身
①今の家現に自分が住んでいる家屋
②前の家住まなくなった日から3年後の年の12月31日までに売る家
③敷地①②の家とともに売る土地・借地権など

②は、たとえば2021年6月に引っ越して空き家になったら、3年後の2024年の12月31日までに売れば使える。つまり引っ越してから最長3年半ほどの余裕がある。

そして、家族など身内に売ると使えない。これは「身内に安く売って控除だけ得する」のを防ぐためのしくみ。

この相手に売ると使えない(譲受人除外)

相手
配偶者・直系血族夫・妻/父母・祖父母・子・孫
生計を一にする親族同じ財布で暮らす親族(別居でも)
売却後に同居する親族売った後その家に一緒に住む予定の親族
内縁関係者・特殊関係法人事実婚の相手/自分が支配する会社など

ほかの特例との関係も整理しておく。

ほかの特例との関係

相手の特例関係
10年超の軽減税率併用OK。3,000万円を引いた残りのうち6,000万円以下は14.21%に下がる
買換え特例どちらか一方だけ(選択適用)
住宅ローン控除実質いっしょに使えない(後述)

住宅ローン控除との関係は、新居に入った年・その前2年・後3年の計6年間にこの3,000万円控除を使っていると、住宅ローン控除のほうが使えなくなる、というもの。だから実質、両方は使えない。

わかりやすく言い換えると

要するに、こう覚えるとラク。

期限のあり・なし … 自分が住んでいた家を売るこの控除は「ずっと使える」。名前のそっくりな空き家用は「期限つき」。逆に覚えると失点する。

おいしい組合せ … 「3,000万円控除+10年超の軽減税率」はセットで使える。先に3,000万円を引いて、残った利益のうち6,000万円までは税率が14.21%まで下がる。

両取りはダメ … 「家を売る得」と「家を買う得」は両取りさせない。だから住宅ローン控除とは実質いっしょに使えない。


試験のツボ

🔴 一番出る:期限がない(恒久的)

①この控除(自分が住んでいた家)=期限なし

②空き家用の3,000万円控除=期限つき(別の制度)

🔴 次に出る:所有期間は関係ない

①長期(5年超)でもOK

②短期(5年以下)でもOK

🟡 押さえると安定:ほかの特例との関係

①10年超の軽減税率 = 併用OK(残り6,000万以下14.21%)

②住宅ローン控除 = 計6年間は実質併用不可

③買換え特例 = どちらか一方だけ


よくある間違い

「この控除は期限つき」→ ✗  自分が住んでいた家を売るこの控除は期限なし。期限つきは空き家用のほう。

「今住んでいる家だけが対象」→ ✗  前に住んでいた家も、引っ越しから3年後の年の12月31日まで売れば対象。

「住宅ローン控除と無条件で併用できる」→ ✗  計6年間は実質いっしょに使えない。10年超の軽減税率となら併用できる。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(控除額・所有期間・期限)

📝 オリジナル問題 1 控除額・所有期間・期限

居住用財産3000万円特別控除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 控除額は最高2,000万円で、所有期間が10年を超えていることが適用の絶対要件とされている
  2. 控除額は最高3,000万円で、所有期間の長短を問わず適用でき、期限のない制度として扱われる
  3. 控除額は最高3,000万円であるが、令和9年12月31日までに売却した場合に限り適用される制度である
  4. 控除額は最高5,000万円で、長期譲渡所得にのみ適用され、短期譲渡所得には適用されないとされる
マネケンジャ
マネケンジャ 解答・解説

解答は 2 である。

つまり、控除額は最高3,000万円、所有期間が長くても短くても使え、期限のない制度だ。令和9年12月31日までという期限がつくのは、名前のそっくりな空き家用の3,000万円控除のほうで、別の制度である。

選択肢判定理由
1控除額は3,000万円で、所有期間の要件はない
2最高3,000万円・所有期間問わず・期限なしで正しい
3期限つきは空き家用の控除。この控除は期限なし
4控除額は3,000万円で、短期譲渡にも適用できる

オリジナル問題2(対象になる家・売る相手)

📝 オリジナル問題 2 対象になる家・譲受人除外

居住用財産3000万円特別控除の対象や、控除を使えない相手に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 対象は今住んでいる家だけで、前に住んでいた家は一切対象にならず、配偶者へ売っても控除できる
  2. 対象は前に住んでいた家だけで今の家は対象外とされ、売った後に同居する親族へ売っても控除できる
  3. 対象は今の家のみだが、第三者へ売れば必ず控除でき、配偶者や子へ売った場合でも控除を受けられる
  4. 対象は今の家や前に住んでいた家などで、配偶者や売却後に同居する親族へ売った場合は控除できない
プランリス
プランリス 解答・解説

解答は 4 だっ。

要するに、対象は今の家・前に住んでいた家(引っ越しから3年後の年の12月31日まで)・その敷地だっ。そして配偶者や直系血族、売った後に同居する親族などへ売った場合は、身内への売却なので控除を使えないんだっ。

選択肢判定理由
1前に住んでいた家も対象。配偶者へ売ると控除できない
2今の家も対象。売却後同居する親族へ売ると控除できない
3配偶者や子(直系血族)へ売ると控除できない
4今の家・前の家などが対象で、身内への売却は除外で正しい

オリジナル問題3(ほかの特例との併用)

📝 オリジナル問題 3 ほかの特例との併用関係

居住用財産3000万円特別控除とほかの特例の併用に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. この控除と10年超の軽減税率は併用ができ、住宅ローン控除とは計6年間は実質いっしょに使えない
  2. この控除と10年超の軽減税率は重複するため併用できず、買換え特例とは無制限に併用できるとされる
  3. この控除と買換え特例は同時に使うことが要件で、10年超の軽減税率とはどちらか一方しか選べない
  4. この控除と住宅ローン控除は無条件で常に併用でき、買換え特例とも同時に使うことが要件とされる
インスキメ
インスキメ 解答・解説

解答は 1 だよ。

つまり、3,000万円控除と10年超の軽減税率は併用できて、残った利益のうち6,000万円以下は14.21%に下がる。一方、住宅ローン控除とは新居に入った年・前2年・後3年の計6年間が重なるので実質いっしょに使えず、買換え特例とはどちらか一方だけ(選択適用)だよ。

選択肢判定理由
1軽減税率と併用可・住宅ローン控除と実質併用不可で正しい
210年超の軽減税率とは併用でき、買換え特例とは一方だけ
3買換え特例とはどちらか一方だけで同時には使えない
4住宅ローン控除とは実質併用不可、買換え特例とは選択適用

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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