不動産譲渡所得とは?土地や建物を売って得たもうけにかかる税金

公開: 更新: カテゴリ: 不動産

30秒で結論

不動産譲渡所得とは(全体像)

不動産譲渡所得は、土地・建物を売って得たもうけにかかる税金のこと。給与などと合算する「総合課税」ではなく、不動産の売却益だけを別枠で計算する分離課税になる。

押さえるのは、税率が持っていた期間で2段階に分かれること。

ここで一番のひっかけが、期間の数え方。売った日ではなく、「売った年の1月1日時点」で5年を数える。だから「もうすぐ5年だから長期」と思っても、1月1日時点ではまだ短期、ということが起きる。


詳しく:この表だけ覚えれば戦える

ここが記事の心臓部。不動産譲渡所得の中身は、次の表に全部つまっている。

短期・長期の判定と税率

短期譲渡所得長期譲渡所得
所有期間5年以下5年超
税率39.63%20.315%
内訳所得税30% + 復興特別所得税0.63% + 住民税9%所得税15% + 復興特別所得税0.315% + 住民税5%
期間の数え方売った年の1月1日時点で判定(売った日ではない)同左

もうけ(課税譲渡所得)の計算式は次のとおり。

もうけの計算と概算取得費

項目中身
計算式譲渡価額 − (取得費 + 譲渡費用) − 特別控除額
取得費買った代金・購入手数料など(建物は減価償却した後)
譲渡費用仲介手数料・測量費・取り壊し費用など
概算取得費取得費が不明、または実際の取得費が売った金額の5%より少ないとき → 売った金額の5%を取得費にできる

そしてマイホームを売るときは、もうけから大きく差し引ける優遇がある。

居住用財産(マイホーム)の特例

特例中身
3000万円特別控除もうけから最高3000万円を差し引ける。今住んでいる家のほか、住まなくなってから約3年(住まなくなった日から3年経過日の属する年の12月31日まで)の売却も対象
10年超の軽減税率所有期間10年超のマイホームなら、残ったもうけの6000万円以下の部分が14.21%(所得税10% + 復興特別所得税0.21% + 住民税4%)、6000万円超の部分は20.315%
2つの関係この2つは同時に使える(3000万円控除した後、軽減税率を適用)

相続した古い空き家を売るときの特例もある。

空き家を売るときの3000万円控除

項目中身
対象の家昭和56年5月31日以前に建てられた、亡くなった人が住んでいた家(旧耐震)
条件耐震改修するか取り壊して更地で売る・売値は1億円以下
控除額原則最高3000万円。ただし令和6年以後は相続人が3人以上だと最高2000万円に減額
使える期間令和9年(2027年)12月31日までの売却

わかりやすく言い換えると

要するに、こう覚えるとラク。

不動産のもうけは、つまり「売った値段 − かかった費用 − 差し引ける額」。

税率は持っていた期間で決まり、短く持って売ると約4割(39.63%)、長く持って売ると約2割(20.315%)。「あと少し待てば税率が下がる」場面が出てくる。

そしてマイホームを売るなら3000万円まで差し引ける。利益が3000万円以内なら税金がかからないことも多い。


試験のツボ

🔴 一番出る:短期・長期の税率と期間の数え方

①短期(5年以下)= 39.63%

②長期(5年超)= 20.315%

③期間は「売った年の1月1日」で数える(売った日ではない)

🔴 次に出る:計算式と概算取得費5%

①もうけ = 譲渡価額 − (取得費 + 譲渡費用) − 特別控除額

②取得費が不明 or 売値の5%より少ないとき = 売値の5%を取得費にできる

🟡 押さえると安定:マイホームの特例

①3000万円特別控除(住まなくなって約3年以内の売却も対象)

②10年超なら6000万円以下の部分が14.21%・3000万円控除と同時に使える

③相続した空き家は令和6年以後、相続人3人以上だと2000万円に減額


よくある間違い

「所有期間は売った日で5年を数える」→ ✗  数えるのは「売った年の1月1日」時点。年末に買って年初に売る型は、まだ未経過=短期になる。

「概算取得費5%は取得費がわからないときだけ」→ ✗  わからないときに加え、実際の取得費が売値の5%より少ないときも5%を選べる。

「空き家の3000万円控除は人数に関係なく一律」→ ✗  令和6年以後は相続人が3人以上だと2000万円に下がる。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(短期・長期の判定と税率)

📝 オリジナル問題 1 短期・長期の判定と税率

不動産譲渡所得の短期・長期の判定と税率に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 所有期間は実際に売った日を基準として数え、短期も長期も税率は一律20.315%でそろえる取扱いとされている
  2. 所有期間は売買契約を結んだ日を基準に数え、短期は10年以下で20%・長期は10年超で10%になるとされている
  3. 譲渡所得は給与などと合算する総合課税で、所有期間に関係なく一律の超過累進税率で課税されるとされている
  4. 短期(売った年の1月1日で5年以下)は39.63%・長期(同5年超)は20.315%で、分離課税となる
インスキメ
インスキメ 解答・解説

解答は 4 だよ。

わかりやすく言い換えると、不動産のもうけは他の所得と分けて計算する分離課税。短期(売った年の1月1日で5年以下)が39.63%、長期(5年超)が20.315%だよ。期間は「売った年の1月1日」で数えるのがポイント。

選択肢1の「売った日で数える・税率一律」、選択肢2の「10年で区切る」、選択肢3の「総合課税」はどれも誤りだよ。

選択肢判定理由
11月1日基準で数え、短期と長期は別税率
2区切りは10年でなく5年・税率も誤り
3総合課税でなく分離課税
4短期39.63%・長期20.315%・1月1日基準で正しい

オリジナル問題2(計算式と概算取得費)

📝 オリジナル問題 2 計算式と概算取得費

不動産譲渡所得の計算と概算取得費に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. もうけは売った金額そのものに課税され、買ったときの費用や売るときにかかった費用は一切差し引けないとされている
  2. もうけは「譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額」で計算し、取得費不明なら売値の5%を使える
  3. 概算取得費は取得費がわかっていても必ず売値の10%を取得費として使う決まりになっているとされる
  4. 取得費が不明なときは取得費をゼロとして計算するしかなく、概算で代用する制度はないものとされている
プランリス
プランリス 解答・解説

解答は 2 だっ。

つまり、もうけは「売った値段 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額」で計算するんだっ。取得費が不明、または実際の取得費が売値の5%より少ないときは、売値の5%を取得費にできるよっ。

選択肢1の「費用を差し引けない」、選択肢3の「一律10%」、選択肢4の「ゼロにするしかない」はどれも誤りだっ。

選択肢判定理由
1取得費・譲渡費用・特別控除を差し引ける
2計算式が正しく、概算取得費は売値の5%
3概算取得費は10%でなく5%・不明等が条件
4売値の5%を概算取得費にできる

オリジナル問題3(マイホームと空き家の特例)

📝 オリジナル問題 3 マイホームと空き家の特例

居住用財産と空き家の特別控除に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. マイホームを売ったときの特別控除は最高5000万円で、今住んでいる家しか対象にならないとされている
  2. 10年超のマイホームを売っても税率は軽くならず、3000万円控除との同時利用も認められないとされている
  3. マイホームの3000万円控除は住まなくなって約3年以内の売却も対象で、10年超なら軽減税率と同時に使える
  4. 相続した空き家の特別控除は相続人の人数に関係なく一律3000万円で、いつまでに売っても使えるとされている
マネケンジャ
マネケンジャ 解答・解説

解答は 3 である。

要するに、マイホームを売ると最高3000万円を差し引け、住まなくなって約3年以内の売却も対象。さらに10年超のマイホームなら軽減税率(6000万円以下の部分が14.21%)と同時に使えるのだ。

選択肢1の「5000万円・今住む家のみ」、選択肢2の「軽減なし・同時利用不可」、選択肢4の「人数無関係・期限なし」はいずれも誤りである。空き家控除は令和6年以後、相続人3人以上だと2000万円に下がる。

選択肢判定理由
1上限は3000万円・住まなくなって約3年も対象
210年超は軽減税率があり3000万円控除と併用可
3約3年以内も対象・軽減税率と同時利用で正しい
4令和6年以後3人以上で2000万・令和9年末まで

まとめ

押さえどころ

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執筆: SikakuQuest編集部

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