雇用保険とは(全体像)
雇用保険は、働く人が仕事を失ったときや、育児・介護で働き続けにくくなったときに給付を行う社会保険のこと。運営しているのは政府(国)。
中心となるのが、失業して求職活動をする人に支給される基本手当(いわゆる失業給付)。つまり在職中に毎月もらうものではなく、仕事を探している間の生活を支える給付、という点が大事。
押さえるのは次の3本柱。
- 基本手当 … 失業して求職活動をする人への給付。金額は賃金日額×給付率。
- 所定給付日数 … 何日分もらえるか。加入期間と離職理由で変わる。
- 育児休業給付などの両立支援 … 育児休業中などの所得を支える給付。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。雇用保険の中身は、次の2つの表でほぼ片付く。
基本手当のしくみ
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 失業して求職活動をする人(在職中の支給ではない) |
| 金額の出し方 | 賃金日額 × 給付率 |
| 給付率 | おおむね45〜80%(賃金が低かった人ほど高め) |
| 所定給付日数 | 被保険者であった期間と離職理由で決まる(一律ではない) |
所定給付日数は、加入期間が長いほど、また自己都合より会社都合などのほうが手厚くなる傾向。誰でも同じ日数ではない点がよく問われる。
育児休業給付(両立支援)
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 内容 | 育児休業中の所得を支える給付 |
| 給付率 | 休業開始後180日までが67%、その後は50%が基本 |
| 目的 | 育児と仕事の両立を後押しする |
育児休業給付は、期間によって給付率が段階的に変わるのがポイント。全期間ずっと同じ率ではない。なお給付率は見直されることがあるので、受験年度の最新仕様で確認しておくとよい。
わかりやすく言い換えると
要するに、雇用保険は「仕事を失ったときと、育児で休むときに、生活を支えてくれる保険」。
仕事を探している間は基本手当が出る。金額は辞める前の給料のだいたい45〜80%で、給料が低かった人ほど割合は高め。何日分もらえるかは、加入していた期間と、辞めた理由(自己都合か会社都合か)で変わる。
育児で休むときは育児休業給付。最初の180日までが67%、そのあとは50%が基本、と段階で下がる。
試験のツボ
🔴 一番出る:基本手当の対象と金額
①対象 = 失業して求職活動をする人(在職中ではない)
②金額 = 賃金日額 × 給付率(おおむね45〜80%・低賃金ほど高め)
🟡 次に出る:所定給付日数の決まり方
①被保険者であった期間と離職理由で決まる
②一律ではない(自己都合・会社都合で変わる)
🟡 押さえると安定:育児休業給付の段差
①休業開始後180日までが67%
②その後は50%が基本(全期間同じ率ではない)
よくある間違い
①「基本手当は在職中に毎月もらえる」→ ✗ 基本手当は失業して求職活動をする人への給付。在職中の支給ではない。
②「所定給付日数は離職理由に関係なく一律」→ ✗ 被保険者期間と離職理由で変わる。誰でも同じ日数ではない。
③「育児休業給付は全期間ずっと同じ率」→ ✗ 180日までが67%、その後は50%が基本。期間で段階的に変わる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(基本手当の対象)
雇用保険の基本手当に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 雇用保険の基本手当は、在職中の労働者に対して毎月にわたり支給される手当である
- 雇用保険の基本手当は、失業して求職活動を行う者に対し支給される給付である
- 雇用保険の基本手当は、定年退職した後に年金として終身にわたり支給される給付である
- 雇用保険の基本手当は、労働者ではなく事業主に対して支給される助成金である
解答は 2 だよ。
つまり基本手当は、失業して求職活動をする人への給付なんだ。在職中に毎月もらうものでも、年金でも、事業主向けの助成金でもないよ。「失業して・求職中の人への給付」と押さえてね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 在職中に毎月支給されるものではない |
| 2 | ✓ | 失業して求職活動を行う者への給付で正しい |
| 3 | ✗ | 年金として終身支給される給付ではない |
| 4 | ✗ | 事業主向けの助成金ではない |
オリジナル問題2(所定給付日数の決まり方)
雇用保険の基本手当の所定給付日数に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 基本手当の所定給付日数は、離職理由にかかわらず一律で90日に固定されている
- 基本手当の所定給付日数は、被保険者本人の年収の額のみによって決まるものである
- 基本手当の所定給付日数は、勤務先の会社の業種のみによって決まるものである
- 基本手当の所定給付日数は、被保険者であった期間と離職理由などによって決まる
解答は 4 だっ。
要するに所定給付日数は、加入していた期間と辞めた理由で決まるんだっ。一律90日でも、年収の額だけでも、業種だけでもないっ。「加入期間と離職理由で変わる」を押さえておけっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 離職理由にかかわらず一律ではない |
| 2 | ✗ | 年収の額のみで決まるわけではない |
| 3 | ✗ | 勤務先の業種のみで決まるわけではない |
| 4 | ✓ | 被保険者期間と離職理由などで決まるで正しい |
オリジナル問題3(育児休業給付の給付率)
雇用保険の育児休業給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 雇用保険には、育児休業給付という名称の給付の仕組みはそもそも存在していない
- 雇用保険の育児休業給付は、休業の全期間を通じてつねに同じ給付率で支給される
- 雇用保険の育児休業給付は、休業開始後180日までが67%、その後は50%である
- 雇用保険の育児休業給付は、被保険者ではなく事業主に対してのみ支給される給付である
解答は 3 である。
わかりやすく言うと育児休業給付は、休業開始後180日までが67%、その後は50%が基本で、期間によって段階的に変わる。全期間一律の率でも、仕組みがないわけでも、事業主のみへの給付でもない(給付率は見直されることがあるため最新を確認する)。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 育児休業給付の仕組みは存在する |
| 2 | ✗ | 全期間一律ではなく段階的に変わる |
| 3 | ✓ | 180日までが67%・その後は50%が基本で正しい |
| 4 | ✗ | 事業主のみに支給される給付ではない |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 基本手当 = 失業して求職活動をする人への給付。賃金日額×給付率(おおむね45〜80%・低賃金ほど高め)。在職中の支給ではない。
- 🟡 所定給付日数 = 被保険者であった期間と離職理由で決まる。一律ではない。
- 🟡 育児休業給付 = 休業開始後180日までが67%、その後は50%が基本(率は見直しあり、最新を確認)。運営は政府(国)。
次に学ぶ
- 健康保険 ── 会社員などの「医療」を支える社会保険。雇用保険とは別制度という対比で押さえると混ざらない。
- 介護保険 ── 老後の介護を支える社会保険。
- ライフプランニング ── 失業や育児休業に備える前提となる基礎概念。
執筆: SikakuQuest編集部