更新拒絶(正当事由)とは?|FP3級で押さえる本質をシンプルに解説

公開: 更新: カテゴリ: 不動産

30秒で結論

更新拒絶(正当事由)とは(全体像)

更新拒絶(正当事由)とは、地主や家主が借地・借家の契約更新を断るときに、借地借家法が求める「もっともな理由」のこと。借りる人の住まいや生活基盤を守るため、貸す側が一方的に「出ていって」と言えないようにするしくみ。

押さえるのは、正当事由が必要になる場面は2つあること。

そして一番大事なのが、この正当事由が必要なのは「普通」のタイプだけということ。定期借地権・定期借家には更新そのものがないので、正当事由はいらない(期限が来たら確定的に終わる)。


詳しく:この表だけ覚えれば戦える

ここが記事の心臓部。正当事由の中身は、次の表に全部つまっている。

正当事由が必要な場面と考慮要素

借地の更新拒絶借家の更新拒絶
対象普通借地権普通借家
誰が断る地主が更新を拒絶するとき家主が更新拒絶・解約を申し入れるとき
考慮要素の数4つ5つ(借地より1つ多い)
考慮する内容①双方が土地を使う必要性 ②これまでの経過 ③土地の利用状況 ④立退料などの財産上の給付の申出①双方が建物を使う必要性 ②これまでの経過 ③建物の利用状況 ④建物の現況(老朽化・耐震性など) ⑤立退料などの財産上の給付の申出

借地と借家の考慮要素はほぼ同じで、借家だけ「建物の現況(老朽化・耐震性など)」が加わって5つになるのが最大の違い。古くなった建物を建て替えたい、という家主側の事情が考慮されるイメージ。

立退料については、覚えておきたい注意点がある。

立退料と定期タイプの扱い

論点結論
立退料の位置づけ正当事由を補う材料(補完的考慮要素)。立退料を払えば必ず断れる、というわけではない
判例の傾向正当事由は厳しく判断され、貸す側の事情だけで認められることは少ない
定期借地権・定期借家更新がないので、正当事由は不要。期限が来たら確定的に終了する

立退料は「お金を積めば追い出せる」ものではなく、他の事情(建物を使う必要性など)を後押しする役割。これだけで正当事由が認められることは、ふつうはない。

わかりやすく言い換えると

要するに、こう整理するとラク。

つまり、正当事由は「貸す側が更新を断るための通行手形」。普通借地・普通借家では、この手形(もっともな理由)がないと更新を断れない。

借地は4要素、借家は5要素で、借家だけ「建物が古いか」が1つ増える

そして、定期借地権・定期借家は「期限で必ず終わる」約束だから、通行手形はそもそもいらない。


試験のツボ

🔴 一番出る:正当事由が必要なのは「普通」だけ

①普通借地権・普通借家 = 更新拒絶に正当事由が必要

②定期借地権・定期借家 = 更新なし・正当事由は不要

🔴 次に出る:考慮要素の数の違い

①借地 = 4つ

②借家 = 5つ(建物の現況が増える)

🟡 押さえると安定:立退料は「補う」材料

①立退料だけで正当事由が認められるわけではない

②貸す側の他の事情をあと押しする位置づけ


よくある間違い

「貸す側は自由に更新を断れる」→ ✗  普通借地・普通借家では、断るのに正当事由が必要。

「定期借地権・定期借家でも正当事由がいる」→ ✗  定期タイプは更新がないので不要。期限で確定的に終わる。

「立退料を払えば必ず追い出せる」→ ✗  立退料は補う材料。これ単独では正当事由にならない。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(正当事由が必要な場面)

📝 オリジナル問題 1 正当事由が必要な場面

更新拒絶の正当事由に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 定期借地権であっても、地主が更新を断るときには常に正当の事由が必要となる
  2. 普通借地権・普通借家の更新を貸す側が断るには、正当の事由が必要である
  3. 普通借地権・普通借家は、貸す側がいつ更新を断っても理由はいらない
  4. 正当事由は借家だけの決まりで、借地の更新を断るときには関係ない
マネケンジャ
マネケンジャ 解答・解説

解答は 2 である。

要するに、普通借地権・普通借家の更新を貸す側(地主・家主)が断るには、「正当の事由」というもっともな理由が必要だ。「更新したくない」だけでは断れない。

選択肢1は誤り。定期借地権は更新がないので、正当事由は不要である。選択肢3も誤りで、普通タイプは正当事由がないと断れない。選択肢4も誤り。正当事由は借地・借家の両方で必要だ。

選択肢判定理由
1定期借地権は更新なしで正当事由は不要
2普通借地・普通借家の更新拒絶には正当事由が必要
3普通タイプは理由なしには断れない
4正当事由は借地・借家の両方で必要

オリジナル問題2(考慮要素の違い)

📝 オリジナル問題 2 正当事由の考慮要素

正当事由の考慮要素に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 借地も借家も考慮要素はまったく同じ数で、建物の老朽化が考えられることはない
  2. つまり考慮要素は借地が5つで借家が4つと、借地のほうが1つ多くなる
  3. 借家の考慮要素には、借地にはない「建物の現況(老朽化など)」が含まれる
  4. 考慮要素は立退料の額だけで決まり、ほかの事情はまったく見ない
インスキメ
インスキメ 解答・解説

解答は 3 だよ。

つまり、考慮要素は借地が4つ・借家が5つで、借家だけ「建物の現況(老朽化・耐震性など)」が加わる。古くなった建物を建て替えたい家主の事情が考えられる、というイメージだね。

選択肢1は誤りで、借家では建物の現況が考えられる。選択肢2は数が逆で、借家のほうが多い。選択肢4も誤りで、立退料の額だけでは決まらない。

選択肢判定理由
1借家では建物の現況(老朽化)が考慮される
2数が逆で、借家が5つ・借地が4つ
3借家だけ「建物の現況」が加わって5つになる
4立退料の額だけでは決まらない

オリジナル問題3(立退料の位置づけ)

📝 オリジナル問題 3 立退料の位置づけ

立退料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 立退料は、それだけ払えば正当事由が必ず認められる決め手になる
  2. 立退料を申し出ても、考慮要素にはまったく数えられないものとして扱う
  3. 立退料は普通借地だけの話で、普通借家の正当事由では一切考えない
  4. 立退料は正当事由を補う材料で、これ単独で認められるわけではない
プランリス
プランリス 解答・解説

解答は 4 だっ。

要するに、立退料は正当事由を“あと押し”する補完的な材料なんだっ。貸す側の他の事情(建物を使う必要性など)と合わせて考えられるもので、立退料を払えば必ず断れる、というわけではないっ。

選択肢1は誤りで、立退料だけが決め手ではないっ。選択肢2も誤りで、立退料は考慮要素の1つとして数えられるよっ。選択肢3も誤りで、立退料は借地・借家の両方で考えられるんだっ。

選択肢判定理由
1立退料だけでは正当事由の決め手にならない
2立退料は考慮要素の1つとして数えられる
3立退料は借地・借家の両方で考慮される
4立退料は補う材料で、単独では認められない

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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