普通借家・定期借家とは?建物を借りる契約の2タイプ

公開: 更新: カテゴリ: 不動産

30秒で結論

普通借家・定期借家とは(全体像)

建物を借りる契約には、更新が原則ある「普通借家」と、更新がなく期限で終わる「定期借家」の2つがある。どちらも借りる人を守る借地借家法が土台。

押さえるのは、この2つの違い。

もう1つ、家賃が相場に合わなくなったとき「上げて/下げて」と言える賃料増減請求も、両方に関わる論点としてよく出る。


詳しく:この表だけ覚えれば戦える

ここが記事の心臓部。普通借家と定期借家の違いは、次の表に全部つまっている。

普通借家・定期借家の対比

普通借家定期借家
更新できる(住み続けられる)なし(期限で終わる)
期間1年以上(1年未満は「期間の定めなし」扱い)1年未満でもOK
契約のしかた口頭でもOK書面契約+事前説明書面が必要
地主が断るには「正当事由」が必要(更新がないので不要)

普通借家の中身を順に見る。期間は1年以上で、6か月などと短く定めても「期間の定めなし」として扱われる(借りる人を守るしくみ)。更新については、期間満了の1年前から6か月前までに「更新しない」という通知がないと、自動的に法定更新される(更新後は期間の定めなしに)。そして地主が更新を断ったり解約を申し入れるには「正当事由」が必要。これは、建物を使う必要性・これまでの経緯・立退料の申し出などを総合して判断される。

定期借家の3つの特徴を押さえる。

定期借家の3つの特徴

特徴内容
書面契約書面で契約しないと無効(電子契約でも可)。口頭だと普通借家扱いになる
事前説明書面契約前に「更新なく期限で終わる」と書いた別の書面を渡して説明。怠ると「更新なし」が無効になり普通借家扱い
賃料の特約「家賃を見直す」特約があれば、賃料増減請求は使えない(家賃を契約で固定できる)

定期借家は、期限が来たら確実に終わる。地主の正当事由はいらない。つまり、転勤中の自宅やサブリースなど「期限が来たら必ず返してほしい」場面で使われる。

そして両方に関わるのが賃料増減請求。税金や地価、相場が動いて家賃が不相当になったとき、貸主・借主のどちらからでも「上げて/下げて」と将来に向かって請求できる。ただし「一定期間は増額しない」という特約があれば、それに従う。

わかりやすく言い換えると

要するに、こう覚えるとラク。

普通借家は「更新できるふつうの賃貸」、定期借家は「期限が来たら必ず終わる契約」。

定期借家でいちばん大事なのは「入口が厳しい」こと。

書面で契約する(口頭はダメ)

契約前に「更新なしです」と別紙で説明する(これを忘れると更新なしが効かない)

この2つをやらないと、せっかくの定期借家が普通借家になってしまう。


試験のツボ

🔴 一番出る:普通と定期の対比

①普通借家 = 更新できる・期間1年以上・地主が断るには正当事由

②定期借家 = 更新なし・期限で終わる・書面契約+事前説明書面が必要

🔴 次に出る:定期借家の入口の手続き

①書面で契約する(口頭は無効=普通借家扱い)

②契約前に「更新なし」と別紙で説明する(怠ると更新なしが無効)

③期間は1年未満でもOK

🟡 押さえると安定:賃料増減請求

相場が動いて家賃が不相当になったら、貸主・借主どちらからでも将来に向かって増減を請求できる。「増額しない」特約があればそれに従う。


よくある間違い

「定期借家は口頭契約でも有効」→ ✗  書面契約が必要。口頭だと無効になり、普通借家として扱われる。

「普通借家の期間は3年以上で、1年未満は無効」→ ✗  1年以上でよく、1年未満を定めると「期間の定めなし」になるだけ。3年以上の要件はない。

「賃料増減請求はどんなときも必ず使える」→ ✗  「増額しない」特約や、定期借家で家賃を見直す特約があると使えない。


試験での出題パターン

実際の問題でたしかめてみよう。

オリジナル問題1(普通借家の期間と更新)

📝 オリジナル問題 1 普通借家の期間と更新

普通借家に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 普通借家の存続期間は最低3年以上とされ、1年未満を定めた契約はすべて無効になる取扱いである
  2. 普通借家は更新拒絶の通知がなくても、期間満了によって当然に終了し更新されない取扱いである
  3. 普通借家は期間1年以上で、決められた期間内に通知がなければ法定更新される取扱いとされている
  4. 普通借家の更新拒絶は、賃貸人が正当事由なく随時自由に行えるものとして整理される取扱いである
インスキメ
インスキメ 解答・解説

解答は 3 だよ。

わかりやすく言い換えると、普通借家は期間1年以上で、期間満了の1年前から6か月前までに「更新しない」という通知がないと、自動的に法定更新されるんだ。⭐期間を6か月などと短く定めても「期間の定めなし」として扱われるよ。⭐地主が更新を断ったり解約するには正当事由(建物を使う必要性・これまでの経緯・立退料の申し出などを総合)が必要なんだ。つまり、3年以上でもなく、通知不要で当然終了するのでもなく、正当事由なしに自由に拒絶できるのでもないよ。

選択肢判定理由
1普通借家は1年以上で、1年未満は期間の定めなし扱い。3年以上の要件はない
2通知がないと従前と同じ条件で法定更新される
3期間1年以上+所定の期間内に通知がないと法定更新で正しい
4更新拒絶・解約には正当事由が必要で、自由には行えない

オリジナル問題2(定期借家の要件)

📝 オリジナル問題 2 定期借家の要件

定期借家に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 定期借家は口頭契約でも有効で、事前の説明も不要、かつ期間は1年以上必要とする取扱いである
  2. 定期借家は期間満了後も法定更新され、賃貸人の正当事由がなければ終了できない取扱いである
  3. 定期借家は普通借家と同じく更新が原則とされ、書面によらず口頭でも更新拒絶できる取扱いである
  4. 定期借家は書面契約と事前説明書面が必要とされ、1年未満の期間設定も可能とする取扱いである
プランリス
プランリス 解答・解説

解答は 4 だっ。

要するに、定期借家は書面で契約し、契約前に「更新なく期限で終わる」と別紙で説明する必要があるんだっ!⭐口頭契約だと無効で、普通借家として扱われるよ。⭐事前説明書面を渡して説明しないと「更新なし」が無効になり、やっぱり普通借家扱いになるっ。⭐期間は1年未満(6か月や3か月など)でもOKだっ。だから、口頭で有効でも、法定更新されるのでも、口頭で更新拒絶できるのでもないっ。

選択肢判定理由
1書面契約+事前説明書面が必要で、1年未満も可。1年以上は不要
2定期借家は更新なし・期限で確定終了。賃貸人の正当事由は不要
3定期借家は更新なしの類型で、書面契約+事前説明書面が必要
4書面契約+事前説明書面が必要+1年未満も可で正しい

オリジナル問題3(賃料増減請求)

📝 オリジナル問題 3 賃料増減請求

賃料増減請求に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 賃料増減請求は経済事情等で不相当になったとき請求でき、増額しない特約があればそれに従う取扱いである
  2. 賃料増減請求は、いかなる特約があってもすべての借家契約で一律に強制適用される取扱いとして整理される
  3. 賃料増減請求は、請求した瞬間から過去の賃料にさかのぼって増減の効力が及ぶ取扱いとして整理される
  4. 賃料増減請求は賃貸人のみが行使でき、賃借人からの減額請求は一切認められない取扱いとして整理される
マネケンジャ
マネケンジャ 解答・解説

解答は 1 である。

つまり、賃料増減請求は、税金や地価・相場が動いて家賃が不相当になったとき、将来に向かって増減を請求できる仕組みである。⭐「一定期間は増額しない」という特約があれば、その定めに従う。⭐効力は将来に向かってだけで、過去の家賃にはさかのぼらない。⭐貸主・借主のどちらからでも行使でき、借主からの減額請求も認められる。だから、どんな特約でも強制適用されるのでも、過去に遡及するのでも、貸主だけが行使できるのでもない。

選択肢判定理由
1不相当時に請求でき、増額しない特約があればそれに従う取扱いで正しい
2増額しない特約や定期借家の賃料特約があれば使えず、強制適用ではない
3効力は将来に向かってだけで、過去の家賃には遡及しない
4貸主・借主の双方が行使でき、借主からの減額請求も認められる

まとめ

押さえどころ

次に学ぶ


執筆: SikakuQuest編集部

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