区分所有法とは(全体像)
区分所有法は、分譲マンションのように1棟の建物を複数の人で区分して所有するときのルールを定めた法律。各人が単独で使う部分と、みんなで共同で使う部分が混ざるので、トラブルを防ぐために決まりを整えている。
押さえるのは、次の3本柱。
- 専有部分と共用部分の区分 … 自分の部屋と、みんなの場所を分ける。
- 集会の決議要件 … 何かを決めるときの賛成割合のルール。
- 管理組合 … 区分所有者は全員が自動的に加入する団体。
詳しく:この3つの表で戦える
ここが記事の心臓部。区分所有法の中身は、次の表に全部つまっている。
専有部分と共用部分
専有部分と共用部分の区分
| 区分 | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| 専有部分 | 構造上区切られ、独立して使える部分(所有権の対象) | 101号室・102号室などの各住戸 |
| 法定共用部分 | 構造上当然にみんなで使う部分 | 廊下・階段・エントランス・エレベーター |
| 規約共用部分 | 規約で「共用」と決めた部分(登記が必要) | 管理人室・集会室 |
つまり、共用部分は区分所有者全員の共有で、各人の持分は専有部分の床面積の割合で決まる。そして共用部分の持分だけを切り離して売ることはできない(専有部分と一体で扱う)。
集会の決議要件
集会の決議要件(重いことほど割合が高い)
| 決めること | 必要な賛成 |
|---|---|
| ふつうの事項(管理者の選任など) | 過半数 |
| 規約の変更 | 4分の3以上 |
| 共用部分の重大な変更(エレベーター新設など) | 4分の3以上 |
| 建替え | 5分の4以上 |
決めることの重さに応じて、必要な賛成割合が高くなるのがポイント。一番重い建替えだけ5分の4以上。
管理組合
管理組合のしくみ
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 加入 | 区分所有者は全員が自動で加入(当然加入・脱退できない) |
| 管理者 | 集会の決議で選任・解任(実務上の理事長など) |
| 集会 | 管理者が少なくとも毎年1回招集する |
マンションの一室を買った瞬間に、自動的に管理組合の一員になる。「入りません」とは言えないのが特徴。
わかりやすく言い換えると
要するに、むずかしく考えず、こう覚えるとラク。
専有部分は「自分の部屋」、共用部分は「みんなの場所」。みんなの場所をどう変えるかは、重いことほどたくさんの賛成が必要になる。
試験のツボ
🔴 一番出る:決議要件の割合の使い分け
①ふつうの事項 = 過半数
②規約変更・共用部分の重大変更 = 4分の3以上
③建替え = 5分の4以上
🔴 次に出る:共用部分の持分
①共用部分は区分所有者全員の共有
②持分は専有部分の床面積の割合で決まる
③持分だけ切り離して売れない
🟡 押さえると安定:管理組合は当然加入
区分所有者になると全員が自動で加入し、脱退できない。
よくある間違い
①「集会の決議はぜんぶ過半数で決まる」→ ✗ 重いことほど割合が高い。規約変更・共用変更は4分の3、建替えは5分の4。
②「建替えは過半数で決められる」→ ✗ 建替えは一番重いので5分の4以上が必要。
③「管理組合への加入は選べる」→ ✗ 区分所有者は全員が当然加入で、脱退もできない。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(集会の決議要件)
区分所有法の集会の決議要件に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 集会の決議は決める事項にかかわらず、すべて区分所有者全員の一致がなければ成立しないとされる
- 集会の決議は決める事項の重さに応じて、過半数・4分の3以上・5分の4以上と必要割合が変わる
- 集会の決議は決める事項にかかわらず、つねに出席者の過半数だけで成立する一律のしくみとされる
- 集会の決議は不要で、管理者の単独判断だけですべての事項を決定できるしくみとされているという
解答は 2 だっ。
つまり、集会の決議は決める事項の重さで必要割合が変わるんだっ!ふつうの事項は過半数、規約変更や共用部分の重大な変更は4分の3以上、建替えは5分の4以上だよっ。覚え方は「ハン・ヨンサン・ヨンサン・ゴヨン」だっ。要するに、重いことほど多くの賛成がいる、と押さえてねっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 全員一致ではない・事項の重さで割合が変わる |
| 2 | ✓ | 過半数・4分の3以上・5分の4以上の段階で正しい |
| 3 | ✗ | 一律過半数ではない・重い事項は割合が高くなる |
| 4 | ✗ | 集会の決議で決まる・管理者の単独判断ではない |
オリジナル問題2(管理組合)
区分所有法の管理組合に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 管理組合への加入は任意で、区分所有者は希望すれば自由に加入・脱退を選べるしくみとされている
- 管理組合は区分所有者の過半数が同意したときにだけ結成され、残りの人は加入しなくてよいとされる
- 管理組合は区分所有者全員の個別の合意書がそろわないかぎり結成できないしくみとされているという
- 区分所有者は全員が当然に管理組合の構成員となり、自分だけ脱退することはできないとされている
解答は 4 だよ。
わかりやすく言い換えると、マンションの一室を買った瞬間に、自動的に管理組合の一員になるんだ。これを当然加入というよ。要するに「入りません」「やめます」とは言えないしくみで、1棟をみんなで管理する必要があるからなんだ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 加入は任意ではない・当然加入で脱退できない |
| 2 | ✗ | 過半数の同意で結成ではない・全員が当然構成員 |
| 3 | ✗ | 個別の合意書は不要・全員が当然構成員となる |
| 4 | ✓ | 全員が当然に構成員となり脱退できないで正しい |
オリジナル問題3(共用部分の持分)
区分所有法の共用部分の持分に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 共用部分の各人の持分は、その人が持つ専有部分の床面積の割合によって決まるとされているという
- 共用部分の各人の持分は、専有部分とは切り離して、持分だけを自由に売ることができるとされている
- 共用部分の各人の持分は、区分所有者の人数で均等に分けると法律で必ず定められているとされている
- 共用部分の各人の持分は、廊下や階段の利用回数が多い人ほど大きくなるしくみとされているという
解答は 1 である。
要するに、共用部分は区分所有者全員の共有で、各人の持分は専有部分の床面積の割合で決まる。たとえば100戸×50㎡のマンションで自分の専有部分が50㎡なら、持分は50÷5,000=1%となる。なお、共用部分の持分だけを切り離して売ることはできず、専有部分と一体で扱う。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 持分は専有部分の床面積の割合で決まり正しい |
| 2 | ✗ | 持分だけ切り離して売れない・専有部分と一体 |
| 3 | ✗ | 人数で均等ではない・床面積の割合で決まる |
| 4 | ✗ | 利用回数では決まらない・床面積の割合で決まる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 集会の決議要件 = 重いことほど割合が高い。ふつう過半数/規約変更・共用変更4分の3以上/建替え5分の4以上。
- 🔴 共用部分 = 全員の共有。持分は専有部分の床面積の割合で決まり、持分だけ切り離して売れない。
- 🟡 管理組合 = 区分所有者は全員が当然加入で、脱退できない。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部