厚生年金とは(全体像)
厚生年金は、会社員・公務員などの被用者が、国民年金(基礎年金)に上乗せして加入する公的年金のこと。公的年金は「2階建て」と呼ばれ、みんな共通の1階が国民年金、その上に乗る2階が厚生年金になる。
押さえるのは、1階との関係。
- 厚生年金は国民年金とは別の独立した制度ではなく、1階の上に乗る2階部分。
- 厚生年金に入る人は、同時に国民年金の第2号被保険者にもなる。
つまり厚生年金だけに入る、という形はなく、必ず国民年金とセットで二階建てになる、ということ。
詳しく:この表だけ覚えれば戦える
ここが記事の心臓部。厚生年金の中身は、次の表に全部つまっている。
厚生年金の全体像
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 会社員・公務員などの被用者 |
| 位置づけ | 国民年金(1階)に上乗せする2階部分 |
| 適用 | 適用事業所に使われる原則70歳未満の人 |
| 保険料 | 会社と本人が半分ずつの労使折半 |
| 保険料・年金額 | 給料(報酬)が多いほど多くなる報酬比例 |
| 国民年金との関係 | 加入者は国民年金の第2号被保険者 |
給付(もらえる年金)は3種類。基礎年金の上に上乗せして支給されるのが基本となる。
厚生年金の3つの給付
| 給付 | いつ | 中身 |
|---|---|---|
| 老齢厚生年金 | 老後 | 老齢基礎年金に上乗せ |
| 障害厚生年金 | 障害になったとき | 障害基礎年金に上乗せ |
| 遺族厚生年金 | 死亡したとき | 遺族へ上乗せして支給 |
老齢厚生年金は老齢基礎年金の上に乗るのが基本。障害・遺族の厚生年金は、要件によって厚生年金が単独で支給される場合もある。
わかりやすく言い換えると
要するに、むずかしく考えず、こう覚えるとラク。
国民年金が全員共通の1階、厚生年金が会社員・公務員だけが乗る2階。会社に勤めると自動で2階に上がり、1階(第2号被保険者)と2階の両方に入っている状態になる。
試験のツボ
🔴 一番出る:位置づけと国民年金との関係
①厚生年金 = 国民年金(1階)に上乗せする2階部分
②加入者は同時に国民年金の第2号被保険者になる
🔴 次に出る:適用と保険料
①適用は原則70歳未満
②保険料は労使折半(会社と本人で半分ずつ)
③保険料も年金額も報酬比例(給料が多いほど多い)
🟡 押さえると安定:給付は3種類
老齢・障害・遺族の厚生年金が、基礎年金に上乗せして支給される。
よくある間違い
①「厚生年金は国民年金とは別の独立した制度」→ ✗ 国民年金(1階)に上乗せする2階部分。加入者は第2号被保険者にもなる。
②「保険料は本人が全額負担」→ ✗ 会社と本人で半分ずつの労使折半。本人の全額負担ではない。
③「年金額は全員一律」→ ✗ 報酬比例。給料が多いほど保険料も年金額も多くなる。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(保険料論点)
厚生年金の保険料に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 厚生年金の保険料は事業主が全額を負担し、被保険者本人は一切負担しない
- 厚生年金の保険料は事業主と被保険者が半分ずつ負担する労使折半である
- 厚生年金の保険料は被保険者本人が全額を負担し、事業主は負担しない
- 厚生年金の保険料は報酬と関係なく全員が同じ金額で一律に決まる
解答は 2 だっ。
つまり、厚生年金の保険料は会社と本人で半分ずつの労使折半だっ。本人の全額でも、会社の全額でもないっ。要するに、給料が多いほど保険料も多くなる報酬比例だから、全員一律でもないんだっ!
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 事業主が全額を負担するわけではない |
| 2 | ✓ | 事業主と被保険者が半分ずつの労使折半で正しい |
| 3 | ✗ | 本人が全額を負担するわけではない |
| 4 | ✗ | 報酬比例で、全員一律ではない |
オリジナル問題2(給付論点)
厚生年金の給付に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 厚生年金から支給される年金は老齢厚生年金だけに限られ、ほかに給付の種類はない
- 厚生年金の年金額は受け取る報酬とは関係なく、全員が一律の金額で決まるとされる
- 厚生年金からは老齢・障害・遺族の厚生年金が、基礎年金に上乗せして支給される
- 厚生年金に加入しても、国民年金の被保険者にはいっさいならない取扱いとされる
解答は 3 である。
わかりやすく言い換えると、厚生年金からは老齢・障害・遺族の3種類が基礎年金に上乗せして支給される。老齢だけではない。つまり加入者は国民年金の第2号被保険者にもなり、年金額は報酬比例で決まる二階建ての給付である。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 老齢のほかに障害・遺族の厚生年金もある |
| 2 | ✗ | 報酬比例で、全員一律ではない |
| 3 | ✓ | 老齢・障害・遺族が基礎年金に上乗せで正しい |
| 4 | ✗ | 加入者は国民年金の第2号被保険者になる |
オリジナル問題3(位置づけ論点)
厚生年金の位置づけに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 厚生年金は被用者が国民年金に上乗せして加入する、2階建て年金の2階部分である
- 厚生年金は公的年金の1階部分にあたり、全員に共通する基礎年金そのものである
- 厚生年金は自営業者や学生など、被用者でない人だけが任意で加入する年金である
- 厚生年金は国民年金にまったく加入していない人だけが加入できる独立の制度である
解答は 1 だよ。
要するに、厚生年金は被用者が国民年金に上乗せして入る2階部分だよ。1階の基礎年金そのものではないし、被用者でない人や国民年金未加入者だけが入るものでもないんだ。加入者は国民年金の第2号被保険者にもなる、と押さえてね。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 被用者が国民年金に上乗せする2階部分で正しい |
| 2 | ✗ | 1階の基礎年金そのものではなく2階部分である |
| 3 | ✗ | 被用者が加入する制度で、被用者でない人向けではない |
| 4 | ✗ | 加入者は国民年金の第2号被保険者にもなる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 位置づけ = 被用者が国民年金(1階)に上乗せする2階部分。加入者は国民年金の第2号被保険者にもなる。
- 🔴 適用と保険料 = 適用は原則70歳未満。保険料は労使折半で、報酬比例(給料が多いほど多い)。
- 🟡 給付 = 老齢・障害・遺族の厚生年金が、基礎年金に上乗せして支給される。
次に学ぶ
- 国民年金 ── すべての人に共通する1階部分。厚生年金加入者は第2号被保険者という対比で押さえると混ざらない。
- 老齢基礎年金 ── 基礎年金の上に老齢厚生年金が上乗せされる関係がつかめる。
- ライフプランニング ── 老後資金を見積もる前提となる基礎概念。
執筆: SikakuQuest編集部