事業承継税制とは(全体像)
事業承継税制は、会社の経営者が、自社株(非上場株式)を後継者に引き継ぐときの相続税・贈与税を、いったん納めずに先送り(猶予)できる制度のこと。
なぜこんな制度があるかというと、自社株に多額の相続税・贈与税がかかると、後継者が税金を払えず、会社の引き継ぎが進まないから。中小企業の事業を次の世代へつなぐための優遇措置。
押さえるのは、いったん猶予され、要件を満たして続ければ最終的に免除されるという流れ。対象になるのは、上場していない会社の株式(非上場株式)。
詳しく:一般措置と特例措置
ここが記事の心臓部。事業承継税制には2つの枠があり、表に整理できる。
事業承継税制の2つの措置
| 項目 | 一般措置 | 特例措置 |
|---|---|---|
| 猶予される割合 | 一部 | 対象株式の全額 |
| 期限 | 恒久的 | 期限がある(年度で要確認) |
| 対象 | 非上場株式 | 非上場株式 |
ポイントは、特例措置のほうが優遇が大きいこと。特例措置では、対象となる株式にかかる相続税・贈与税の全額が猶予される。ただし、特例措置は期限のある制度で、決められた期間内の相続・贈与でないと使えない(2027年12月末までが目安・受験する年の最新ルールで確認を)。
なお、猶予された税は、その後も要件を満たし続けると免除になる。逆に要件を満たさなくなると、猶予されていた税を納めることになる。
わかりやすく言い換えると
要するに、事業承継税制は「会社の株を引き継ぐ税金を、いったん待ってもらい、続ければ免除してもらえる」制度。
①対象は非上場株式(中小企業の自社株)
②特例措置なら対象株式の全額が猶予される
③特例措置は期限つき(永久に使える制度ではない)
つまり、「猶予 → 続ければ免除」「特例は全額だが期限つき」がポイント。
試験のツボ
🔴 一番出る:何の税を猶予するか
①非上場株式の相続税・贈与税を猶予・免除
②税負担で会社の引き継ぎが止まるのを防ぐ
🔴 次に出る:特例措置の特徴
①対象株式の全額が猶予される
②期限のある制度(永久ではない)
🟡 押さえると安定:猶予から免除へ
①要件を満たし続けると最終的に免除
②要件を満たさなくなると猶予された税を納める
よくある間違い
①「事業承継税制は上場株式にも使える」→ ✗ 対象は非上場株式(中小企業の自社株)。
②「特例措置は期限なくいつまでも使える」→ ✗ 特例措置には期限がある(受験年で要確認)。
③「猶予された税は必ずそのまま納めることになる」→ ✗ 要件を満たし続ければ最終的に免除される。
試験での出題パターン
実際の問題でたしかめてみよう。
オリジナル問題1(制度の対象)
事業承継税制の対象について、正しいものはどれか。
- 事業承継税制は、上場している大企業の株式を対象にした制度であるとされている
- 事業承継税制は、非上場株式を引き継ぐときの相続税・贈与税を猶予・免除する制度である
- 事業承継税制は、現金や預金を引き継ぐときの税だけを対象にするものと定められているとされる
- 事業承継税制は、会社の借入金を国が肩代わりしてくれる制度であるとされている
解答は 2 だよ。
事業承継税制は、非上場株式(中小企業の自社株)を引き継ぐときの相続税・贈与税を猶予・免除する制度なんだ。税負担で会社の引き継ぎが止まるのを防ぐためだよ。
選択肢1の「上場大企業」、選択肢3の「現金・預金の税」、選択肢4の「借入金の肩代わり」は、どれも誤りだよ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 対象は非上場株式 |
| 2 | ✓ | 非上場株式の相続・贈与税を猶予 |
| 3 | ✗ | 対象は自社株 |
| 4 | ✗ | 借入金の肩代わりではない |
オリジナル問題2(特例措置の猶予)
事業承継税制の特例措置について、正しいものはどれか。
- 特例措置では、対象となる非上場株式にかかる相続税・贈与税の全額が猶予される
- 特例措置でも、猶予されるのは税のごく一部だけにとどまるものとされている
- 特例措置は、上場株式についてだけ全額が猶予されるものと定められているとされる
- 特例措置では、納税を猶予する代わりに税率が2倍になるものとされている
解答は 1 だっ。
特例措置では、対象となる非上場株式にかかる相続税・贈与税の全額が猶予されるんだっ!一般措置より優遇が大きいのが特徴だよっ。
選択肢2の「ごく一部だけ」、選択肢3の「上場株式」、選択肢4の「税率が2倍」は、どれも誤りだっ。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✓ | 特例措置は全額が猶予される |
| 2 | ✗ | 全額が猶予される |
| 3 | ✗ | 対象は非上場株式 |
| 4 | ✗ | 税率が2倍になることはない |
オリジナル問題3(期限と免除)
事業承継税制の特例措置の期限などについて、正しいものはどれか。
- 特例措置は期限のない制度で、いつ引き継いでも同じように使えるものとされている
- 猶予された税は、要件を満たし続けても必ず最後に全額を納めることになるとされている
- 特例措置には適用の期限があり、要件を満たし続ければ猶予された税は最終的に免除される
- 事業承継税制は、後継者が要件を破っても猶予がそのまま続くものと定められているとされる
解答は 3 である。
特例措置には適用の期限があり、永久に使える制度ではない。そして、要件を満たし続ければ、猶予されていた税は最終的に免除される。
選択肢1の「期限なし」、選択肢2の「必ず全額納める」、選択肢4の「要件を破っても続く」は、いずれも誤りである。
| 選択肢 | 判定 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ✗ | 特例措置には期限がある |
| 2 | ✗ | 続ければ免除される |
| 3 | ✓ | 期限あり・続ければ免除 |
| 4 | ✗ | 要件を破ると猶予は終わる |
まとめ
押さえどころ
- 🔴 対象は非上場株式。後継者が引き継ぐときの相続税・贈与税を猶予・免除する。
- 🔴 特例措置は対象株式の全額が猶予される(一般措置は一部)。
- 🟡 特例措置には期限がある(受験年で要確認)。要件を満たし続ければ最終的に免除。
次に学ぶ
執筆: SikakuQuest編集部